第18話 私の部屋に来てよ!
月曜日、久しぶりに真結と二人で登校した。
半年ぶりで懐かしさもあったが、やっぱり安心感が段違いだ。
それなのに、俺は真結に悲しい思いをさせてしまっていたのか――と考えてしまうが、今は真結を愛することに集中したい。
特段何も話していなくても幸せなのだが、校門に入ったところで真結が言葉を発した。
「そうだ、裕誠。私たちが付き合ったことって、みんなに伝える?」
「別にいいんじゃないか。聞かれたら、そう――と答えるくらいで」
「うん、確かにそうだね」
わざわざ言うのはマウントをとってるみたいだし、なにより恥ずかしい。
真結も自分から言う系ではないから、それで良かったとつくづく思った。
そして校舎に入り、俺たちの教室に到着した。
中には5人程度の人がいて、全員が俺たちに釘付けになっている。
そこまで珍しいことではなかったはずなのだが……と思っていると、そのうちの一人――直斗が小走りでこちらにやってきた。
「裕誠、やっと付き合ったんだな」
「……なんで分かったんだ――?」
図星の発言にしどろもどろになりながらも、俺は理由が気になって聞いた。
「だってお前らの手……。見せつけてるのかと思ったんだが」
「ぇ……、ぁっ――」
意識を手元に向けると、俺の手と真結の手が恋人繋ぎで繋がれていた。
俺は慌てて手を離そうとするが、真結の手は許してくれない。
俺は手と直斗を交互に見る。
「無自覚かよ」
「裕誠から手を当ててくるから、したいのかと思ってた」
「当たっちゃっただけ。ってか、みんなには静かにしようって言ってたのに?」
「それでも、私は裕誠と手を繋ぎたかったから――」
それを言われると俺も強く出れない。
すると、直斗は段々ニヤついて――。
「じゃあ、絶対にもうケンカとかはするなよ」
と言い残して去って行った。
みんなにバレるのも、時間の問題だな――。
俺が真結を見つめると、笑顔で見つめ返された。
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その後テストの返却がされて、放課後になった。
今日は部活もないから、充分に自由時間がある。
だから、俺はそそくさとカバンをまとめ、立ち上がった。
「裕誠、ちょっと待ってよ。一緒に帰ろうよ」
「あぁ、分かった」
付き合っているんだから、二人で帰るのは至極普通のことで、した方が良い……いや、したいことになっている。
でも、真結に自分から帰ろ――と言うのは憚られてしまう。
すると、なぜか真結は口を俺の耳に近づけた。
「私の部屋に来ない?」
「どうしようか。俺、上手くできるか不安になってきたし……」
「じゃあさ、言い方変える――」
正面で見合っている真結は、そっけなく言い放ってから、俺は真結の次なる言葉に集中してしまう。
「私の部屋に来てよ!」
真結の言う通りにしたら、どんなことが起きるのか分かる。
真結の部屋で起こることを、俺はもう深く考える必要はない。
これから、俺は真結としっかり向き合っていこう――。
「うん……。俺も行きたい」
◇あとがき◇
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
たくさんのフォローや星評価も貰い、読者の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです!
まだの方はぜひ……。
最後の方が駆け足になりながらの完結になりましたが、気が向けばSSやIFを書くかもしれません。
もし機会があれば、よろしくお願いします。
あと、語りたいことが多いので、後日、作品全体のあとがきを活動報告に投稿します。
それでは、次回作でお会いしましょう。
冷泉七都でした――。




