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戦の狼煙



『ソル! 生きてるか!』


「ミカヅキ、無事じゃったか」


 しんみりしているところに白い毛の犬が駆けつけてきた。


『こっちのセリフだよそりゃ……しかしアーガイラムが死んじまったか……』


「うむ……」


『山自体は……問題ないみたいだな。山頂が少しばかり削れただけか』


 アーガイラムはこの山全体の化身のようなものだ。


 だが百メートルくらいの頂上付近より上に意識や魔力を移していたためか、そこから下の部分については何の影響もなさそうだ。


 もっとも、風雨にさらされて山肌が崩れるとか、意図せぬ動植物が繁殖するとか、不審火で山が焼けるといった「普通の山」になっていくことだろう。


 それを今後どうしていくかは、残された巨人たちの課題だ。


『……山と、そしてガキどもは生き残ったわけだな。色々と問題を抱えてた割には、落ち着くところに落ち着いたと見るしかねえな』


「そうじゃな。そろそろ子らも目覚めてこよう」


 アーガイラムの体が土くれのようになり、山頂があった場所に砂山を形成していた。

 そこから何か宝石のようなものが幾つか零れ落ちた。

 いや、宝石と言うには大きすぎる。人間よりも大きな結晶だ。

 あれは、巨人たちの本体だ。


 数十の本体が地面に落ちて、そして人間体と変化していく。

 アーガイラムに取り込まれていた巨人たちだ。


「ぶはっ! ここどこ!? 今どうなってるの!? あーやだ髪乱れてるし服もないし!」


 トリアナイトちゃんが自分の様子に気付いて手で体を隠す。


「おぬし……変わらんのう」


 少々呆れつつも、無事に友が生きて帰ってこられたことに安堵を覚えた。


「いや、そんなことより……親父殿! 親父殿!?」


 トリアナイトちゃんが狼狽しながら周囲を見渡した。

 だがすでに、アーガイラムの体は完全に砂と消えて、周囲の風景と同化してしまった。

 そもそもアーガイラムの体の核となっていたのは、トリアナイトちゃんたちだ。


「アーガイラムは……わかっておろう」


「…………だって」


「自然が滅ぶことはない。一見死んだように見えても、形を変え、あるがままに時の流れを進んでいく。あやつのことを思うのであれば自分を大事にすることだ」


 今のトリアナイトちゃんには、今までにない力が溢れている。

 巨人として一回りも二回りも進化した。

 だがそれはアーガイラムの力の半分に過ぎない。


 もう半分の在り処は……。


「お前と私が親父殿の力を受け継いだ形になりましたか」


「……トパズ姉様」


 黄色く輝く宝石の肌を持った女が、トリアナイトちゃんに声をかけた。

 先程、アーガイラムに剣を突き付けていたトパズという女だ。

 こやつも外見こそ変わらないが、凄まじい力を持っているのがわかる。


「一つの国に、二人の王はいりません。あなたも武器を取りなさい」


 そういってトリアナイトちゃんに剣を突き付けた。

 トパズは殺意を隠しもしない。

 三々五々と他のアーガイラムの子が目覚めて立ち上がったが、事態をある程度把握しているのか静かに動静を見守っている。


「待ってよ! 今は親父殿が死んだばっかりなんだよ!」


「ええ、そうです。私たちが殺しました」


 あまりにも率直なトパズの言葉に、トリアナイトちゃんは一瞬絶句してしまった。


「その子らが頼りないばかりに、そして王自身が優柔不断であるがゆえに、確固たる王がいない……そのような状況は一刻たりとも許されるものではありません」


「でも……他の取り込まれた兄弟姉妹だって復活できたじゃん! みんな、そうでしょ!」


 トリアナイトちゃんが振り返って同意を求めた。


「やめなさい、トリアナイト」


「こうやってまだ喧嘩を続ける方が親父殿の考えを無視してるよ!」


「……親父殿の意思を汲むことができるのは、あなたたち二人だけよ」


 蘇った巨人のうち、一人が代表して答えた。


「オパル姉さん! 生きてたんだ、良かった……!」


「そんなこと言ってる暇はないわ」


 一瞬、オパルと呼ばれた女性が嬉しそうな表情を浮かべる。

 だがすぐに真剣な目つきで二人を見た。


「親父殿から力を託されたのはあなたたち二人。二人が行く末を決めるべきと私は思う。……私はあなたみたいに親父殿を救おうとしたわけでもないし、トパズ姉様のように討とうとしたわけじゃない。水晶病で動けなくなって、親父殿に本体を譲り渡したつもりだった」


 そのオパルの言葉に、他の巨人たちも次々に同意した。


「そうだ。それに親父殿はお前たちの対立さえ許したし……そもそもいない人を頼るべきではない」


「俺に味方しろって話をするなら聞くぜ。だが、白黒つけるべきだ」


「あーもう! なんでこう喧嘩が好きなのさ巨人ってのは!」


 トリアナイトちゃんが珍しく怒る。

 どうどう、落ち着け。

 あと服を着よ。


「もう遅いのですよ、トリアナイト」


「なんでさ」


「親父殿が直接取り込んだ者たちは復活できたみたいだが……私が取り込んだコランダムたちは復活しません。完全に私の中に取り込み、血肉としました」


 トパズの告白に、トリアナイトちゃんが絶句した。


「そんな……」


「我らの復活とて、親父殿の意志があるとしても偶然に近い。本来、喰らうとはそのようなものではありません」


「……どうしてもやる気なの?」


「当たり前です」


 トパズが苛立たし気に頷いた。


「……その後は、国をどうするの。王になるんだよね。今まで通り、アーガイラムの後を継ぐってことでいいの?」


「いいえ」


 トパズは首を横に振った。

 我らが疑問に思うよりも先に、トパズが説明、いや、宣言を始めた。


「アーガイラム無き暗黒領域において、もはや休戦協定は意味を成しません。これより、『国盗り』が行われることになりましょう。であれば先手必勝。わたくしは全員に槍を持たせ、隣国に攻め込むつもりです」


「なっ……!?」


 我もトリアナイトちゃんも、そして周囲の巨人たちも呆気にとられた。

 だが考えてみれば、ある意味では自然な成り行きだ。

 むしろ今の巨人国は攻め込まれる立場である。国の一つや二つを潰してでも「アーガイラムが倒れたところで巨人国は健在である」と示すのはむしろ妥当だとも言える。


 だがそれは一国の王としての考えだ。

 アーガイラムはそこからもっと上の視点、つまり暗黒領域すべてを包括する我の側の考えに寄っていた。


「今の暗黒領域に、そうした戦争ができるほどの力はあるか? ともすれば……」


 我の言いたいことはすでにわかっているとばかりに、トパズは答えた。


「人族の介入を恐れているなら心配無用です……というより、すでに介入しています」


「異能力者どもだな」


「……そういえば、親父殿と戦ってたとき千里眼がどうとか言ってたね」


「あなたも気付きましたか」


 トパズは、アーガイラムが子らを食っていたことを我らより早く察知し、行動していた。それは長姉という立場ゆえに目が行き届いた……と見るのが自然であろうが、ここはアーガイラムの体内のようなもの。魔術的には完璧な隠蔽ができる。どんなに疑いを持ったとしても、本人が言わなければ「アーガイラムの仕業である」という確証は持てなかったはずだ。


 それを打ち破る手段があるとするなら、魔術以外の得意な能力の持ち主がいなければ成り立たない。


「そうか。あやつらを手引きして引き入れていたのはおぬしか」


「さて、どうでしょう」


 トパズは微笑を湛えながらはぐらかす。

 答えているようなものではないか。


「お喋りはここまでです。トリアナイト、力を私に譲り、新たなる巨人国に奉仕しなさい。さもなくば……わかりますね?」


 これ以上時間を掛ければ有無を言わさずに襲い掛かってくるだろう。

 だがそんな状況にあってさえ、トリアナイトちゃんはトリアナイトちゃんであった。


「ふーん、やる気なんだ」


「当然のこと。親父殿もそれを理解して力を分けたはずです」


「うん。そうだね。だけどこっちは偉大なるソルフレア様がいるんだけど?」


 トリアナイトちゃんがさも馬鹿にしたような態度でトパズを笑う。

 いや、味方すると決まったわけではないのだが。


「えっ、我の名前ここで出す?」


「だってソルちゃん、今って死体啜りの森の主人なんでしょ? 友達としては手伝ってほしいんだけどぉ……。友達ってこと抜きにしても、ソルちゃんはトパズお姉様が巨人国の王様になっちゃってもいいのかなー?」


 トリアナイトちゃんがにたっと笑う。


「お、おぬし……! けっこう考えておるではないか……! 手口が嫌らしいけど……! めちゃめちゃ嫌らしいけど……!」


 このままトリアナイトちゃんとトパズが決着を付けるのがスマートな解決であろう。

 アーガイラムから力を分け与えられた者同士の決闘に介入するのはあまり趣味ではないが、これを座視するのも色々とまずい。死体啜りの森も攻撃されることであろう。


「あなたは決して弱くはない。アーガイラムもあなたを認めていたのでしょう。……ですが、太陽の化身ソルフレアを名乗るのはあまりにも脆弱で不遜。ここでトリアナイトもろとも倒してしまいましょうか」


 怒気と魔力を放出する。

 アーガイラムの力を受け取って調子に乗っているとは言えない。

 このトパズという女、よく練られている。

 戦争無き暗黒領域にあっても鍛錬や戦闘を欠かさなかったのであろう。


「巨人国こそ暗黒領域において最強と名高いのはアーガイラムの存在だけではありませんよ。その名を穢さぬよう、私が、いえ、私たちがその強さを証明してきたからに他ならない」


「トリアナイトちゃん」


「なに、ソルちゃん?」


「これ、普通に戦ったら負けるのじゃ」


「えっ」


「おぬし、アーガイラムから譲られた力をまだ掌握しきっておらんじゃろ」


「そそそそそそ、そんなこと……あるけど?」


 トリアナイトちゃんがてへっと舌を出す。


「そんな可愛さでごまかせる状況ではないわ! そもそも我はアーガイラムと戦ったばかりなのじゃぞ!」


「そういう意味ではあなたも仇であると言えますわね」


 トパズが我に敵意を向ける。

 だがそれは、我の癪に障った。


「……ほほう? 親子喧嘩に負けて指をくわえて見ておった者が大きな口を叩くではないか。小僧どもの尻拭いをしてやったのだぞ」


 感謝されこそすれ、恨まれる覚えなどはない。

 相手は別格に強いが、ここで尻尾を巻くくらいであれば……。


「くっそ! なんであんたなんかに加勢しなきゃいけないのよ……!」


 そのとき地面が隆起し、そこから太ましい蔦が何本も生えてきた。

 格子状に絡み合い、まるで砦の防御やバリケードのごとく我らとトパズに境目を作る。

 そして蔦からは妙に甘やかな香りのする花が咲き始めた。


「これは……ラズリー!?」


 我が振り返るとそこにはラズリーの姿があり、さらに奥にはあやつの子ら……イービルプラントがいて、さらにその枝にはゴブリンたちが騎乗して投槍を手にしていた。


「俺たちもいるぞ! つーか俺たちを置いていくなよ!」


「すまぬすまぬ……いやだとしても、どうしてラズリーと組んでおるのじゃ……?」


 全然状況がわからぬ。


「あんたがあれだけ派手にドンパチやったら誰だって気にするわよ! あんたは嫌いだし今すぐ頃したいくらいだけど……」


 ラズリーがちらりとトパズを見る。

 それだけで事態をなんとなく察することができた。


「敵の敵は味方、というわけか」


「わかってると思うけど、力を貸すのは今だけよ」


「よいよい、わかっておるとも」


 ラズリーという女、こんな性格をしている癖に、攻撃や侵略というものにはあまり向いておらぬ。

 だが防御や撤退という観点から見ればこれほど頼もしいやつもおらぬ。以前こやつを追い詰めたときにミカヅキは情をかけたが、それでも何かしら逃げる手段の一つや二つくらい隠し持っておったであろう。


「燃えろ」


 が、そのラズリーの防壁もいきなり凄まじい炎を食らっていた。

 かろうじて燃えカスになってはいないものの、花粉や毒が無効化されたのは明らかだ。


「あたしの蔦が……しかもこの炎って……!」


「……これは、異能者どもか」


 今度は、トパズの背後から加勢が来た。

 一人はローブをまとって右手を伸ばしている。

 焔、と呼ばれておった者だ。

 見たところ、切断した右手はどうやらきれいに治してもらったようだ。


 そしてもう一人は……。


「久しぶりですね」


「……赤手じゃな」


 緊張もなく、だが緩んでもいない静かな足取り。

 柔らかさと硬さ、美と強さを併せ持つ武人の佇まい。

 やはり■■■■■■ちゃんを思い出す。


 ……んむ?

 今、少し頭がぼやけたような……妙な気分になった。


「人間たち。手出し無用と伝えたはずですよ」


「それはアーガイラムにまつわる物事のみです。今この瞬間は例外と捉える他ないでしょう? それに……」


 赤手と焔だけではない。

 他にも人間の気配がある。

 恐らくは異能者どもが集結しているのだ。


「新たなる巨人の王が、ソルフレア様を僭称する者を倒さずにどうするのです」


「あなたが倒したいだけでは?」


「否定はしません」


「あら、そうですか」


 どこか緊張感をはらみつつも、トパズと赤手は妙に近い距離感で話をしていた。

 それを見た我とトリアナイトちゃんは警戒を強めた。


「トパズ姉さま……暗黒領域の外の勢力と組んでたんだね。親父殿を倒すために」


「彼女らは『新世界の子』。ソルフレア様に帰依し、現代にはびこる悪しき人間も、栄光の時代を忘れ去った魔物も、ソルフレア様のためにすべてを粛清し戦う決意をした者たち。これからの暗黒領域には相応しい存在です。むしろ相応しくないのはあなたたちでしょう」


 決然としてトパズは言い放った。

 どうやら、もはやあとには引けぬ状況である。

 ここを死地と定めるしかあるまい。


「……もう一戦やるとするか。なに、我が鍛え上げた弟子たちは強いぞ」


 嘘ではない。

 やがて来るであろう戦争に備えて、ちょっとした技を仕込んでやっていたところだ。

 ぶっつけ本番ではあるがこやつらには通用するはずだ。


「お嬢さん方、そのケンカちょっと待った」


 そこにまた新たな声が響き渡った。

 全員に緊張が走る。

 その異様な存在感に動揺が走る。

 野性的な動物のようでいて、香水のような甘やかさもある不思議な香りと蠱惑的な気配。

 だが我にとっては馴染みある気配だ。

 今の我ではなく太陽邪竜ソルフレアだった頃、散々手を焼かされた嫌な記憶が思い出される。


「その声……エンリクじゃな……?」


「いよーう、久しぶりだな。元気してたかぁ?」


 巨人ほどの大きさはないが、それでも身の丈三メートルはありそうな大男が、空に浮遊して我らを睥睨していた。


 肌は暗い紫で、野太い角が二本生えている。黒く長いざんばら髪は乱暴なようで、この美丈夫にはよく似合っている。


 ……そう、美丈夫だ。こやつは魔物の美の頂点に立ち、色香とカリスマにおいて千年誰にも負けることはなかった。それは人間であっても例外ではなく、千年前にあっても密かに多くの貴人を魅了し「あのバイコーンのいる国を滅ぼすのは惜しい」と思わせ、暗黒領域を守りきった英傑の一人。アーガイラムと同格の、数少ない古豪。だがそんな杓子定規な説明などを吹き飛ばすほどの威圧感と魅力に、多くの者はあやつから目を離せないでいる。


 色欲と背徳の庇護者にして歓楽街の王。


「バイコーンのエンリク。おぬし、まだ生きておったのだな。今も変わらず営業しとるのか」


「ったりめえよぉ。つーかこっちのセリフだぜ。遊びに来るか……って言いたいところだが」


「行くわけがなかろう。親が悲しむ」


「親なんか泣かせときゃいいんだよ。あのカタブツもそうだっただろう」


 エンリクの茶化すような言葉は、悼みに満ちていた。

 この男に魂を持っていかれるような魅了に耐えながらも、巨人たちの心に響く。


「……惜しい男だ。抱いてやりたかった」


「我の褥やアーガイラムの褥に入ろうとしたのは後にも先にもお前だけじゃ。して……何用じゃ? 古馴染みの顔を拝みに来たのか?」


「いいや? 俺の顔を見せに来てやったのさ。ここは俺の顔に免じて引いちゃくれねえか?」


「ふん。顔がいいだけのくせに」


「そうだぜ。顔がいいから言ってんのさ……っつーか、俺の顔を見ても魂が揺らいじゃいねえ。どうやら本当に、ソルフレアの力の一端を持ってるようだな」


 と、面白そうにエンリクが微笑む。


「なんか歯に物が詰まったような言い方じゃの」


「事実だろ? 全盛期の頃の何百分の……いや、何千分の一だ? お前を本物と認めない連中だっていて当然さ。ホンモノに近いことは認めるが、ホンモノと言うには力がなさすぎる」


「では力で証明せよと?」


「ビンゴォ!」


 エンリクが大当たりとばかりに言った。


「そういうことよ。白黒付けようぜ。魔物らしく」


「それを制止したのはおぬしであろうが」


「暗黒領域の未来を決する戦いが、こんな場当たり的な喧嘩で終わっちゃ惜しいって言ってんのさ。今の遊戯に則って、ちゃんとやろうぜ」


「今の遊戯……」


 エンリクの言葉に、我はもちろんトパズたちも腑に落ちたような表情を浮かべた。

 巨人たちやゴブリンたちの中には感動している者もいる。

 それもそうだろう。千年以上封印されてきた暗黒領域の伝統が今、復活しようとしているのだから。


「『国取り』だよ。領主たちが、領主たちと戦い、あるいは手を組み、裏切り、征服する。最後の勝者が現れるまでな」


 エンリクが人差し指を高々と上げる。

 オンリーワンの勝者の現れを預言するかのように。


「国盗りだって……」


「おいおい、千年間ずっと行われなかった、あの伝説の……」


「戦争解禁ってことか!?」


 この場にいる魔物たちの高ぶりが感じられる。

 竜夏とは違う、魔物たち一匹一匹の熱が集まり、夏のような気配が現れる。


「そうだ! 停戦の約定はアーガイラムが決めたもんだ! だがあいつはもういねえ! 領主どもよ、生き残るためには……敵の国を盗れ!」


 エンリクの言葉はさざ波がやがて津波になるように、高く遠く、暗黒領域の果てまで響いていった。





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