教皇様 加護を貰う
「しょれでは、きょうこうしゃまも、かごをもりゃいにいきましょう」
「おお!このおいぼれに!ありがたき幸せ!」
教皇様もおうちに入れるようにして、私が入って、教皇様と大司教様と続いてみんなも入ってくる。みんなは神様目当てだろうな。
「おお!空気が澄んでおる!礼拝堂がこんな所にあるなんて!サチ様のプライベートな礼拝堂ですな!ああ、ありがたや。ありがたや」
神像を拝んでいる教皇様を横目にして、盃を綺麗にしてから酒樽の所に教皇様を大司教様が誘導して盃を手に持ってもらい、酒を8分目まで入れる。
他のみんなはもう祈る体勢になっている。
教皇様には重たいだろうが、頑張って持ってもらい祭壇に供えて全員で祈る。
教皇様の祈る姿が様になっている。徳を積んできた人なんだろな。
1つの神像が輝き出した。光が溢れる。
光でみんな目を開ける。神像から輝く金髪のボンキュッボンの若い綺麗な、とても綺麗な姉ちゃんが姿を現した。お酒に一直線だ。
「きゃ〜〜!空気が澄んでるわ〜!う〜ん、いいお酒!おいしいわぁ。あら〜妹ちゃんもいるじゃな〜い!ちょっと待っててね!お酒飲むから!」
お色気たっぷりの話し方の女性だ。見た目もお色気たっぷりだけど。顔が綺麗すぎて眩しい。みんなはガン見してるけど。
盃を傾ける姿まで色っぽいとは、これいかに?
「は〜〜、し・あ・わ・せ!妹ちゃ〜ん!こっちにおいで〜!怖くないわよ〜!」
私を見て言われるので近づくと、がしっとその豊満な胸に閉じ込められた。
「かわいいわ〜〜!とっても気分がいいのよ〜!貴方ね〜!呼び出してくれたのは〜?」
教皇様に近づく。いや、めっちゃ教皇様に近いからパーソナルスペース近すぎ!
「う〜ん、いい男!貴方の魂が光輝いてるわ〜!ちょっとお年だから私の力を受け止められるかしら〜〜?妹ちゃんがいるから大丈夫よね〜?ほいっとな」
光が教皇様に入った。教皇様が苦しむ!大丈夫かな?
「ああ〜〜、かわいいわ〜〜あの男が持ち帰りたいって言ってた気持ちが分かるわ〜!また、呼んでね!かわい子ちゃん!」
ほっぺにちゅーされて、スーっと消えていった。
教皇様!近かったので教皇様の顔を覗きこむ。顔色が青い!〈健康になれ!〉
「かはっ、はぁーはぁーはぁーはぁー。神の、力とは、こんなに、凄いものか。はぁーはぁーはぁー」
「きょうこうしゃま、いたいとこりょとか、くりゅしいとこりょとかにゃい?」
「はぁー、大丈夫です。サチ様が近づいてくれた時に治りました。はぁー」
みんな心配そうに教皇様を見守る。大丈夫だと言うのなら時間で解決するしかない。
「サチ!凄いのよ!神様が見えたわ!成人の儀の時にお酒を入れた器が浮いて中身が無くなると思ったら飲んでいたのね!シャーロ新発見!里のみんなにも言わなくちゃ!」
シャーロが頬を赤く染めて興奮していた。そうか、妖精の里では見えないんだ。見えてるもんだと思っていた。あそこの神官、精霊だし。
「ほう、なら神様に会えるのはここの礼拝堂だけかもしれませんな。ここはサチ様のお力で作られたのでしょう?」
「しょう」
うんと頷く。大司教様がうんうんと納得顔だ。
落ち着いてきたらしい教皇様はちょっと残念そうな顔だ。
「そうですか。我が国の神殿では神様は顕現されませんか。皆にも見せたかったですなぁ。ああ、思い出しても神々しいお姿だった。あれは何の神様だったのだろうか?」
私は教皇様を鑑定すれば分かるけど、みんなは見えないからね。
「しゅてーたしゅのしゅいしょうでみましょう」
「そうですな!行きましょうか!」
顔色が良くなった教皇様がルンルンでおうちの出入り口に行く。みんなもついていく。
いや、シャーロだけついてこない。
「しゃーりょ?」
「サチ!私、一時的に里に帰るわ!この事実を教えなきゃ!また来るからね!サチ!バイバーイ!」
ぴゅっと自分の部屋に飛んで行った。やれやれ、シャーロはいつも元気だな。
教皇様がシャーロがいないのに気がついた。
「シャーロ殿はどちらへ?」
「しゃとにかえりゅしょうでしゅ。またきましゅ」
また来ると言う言葉に何故か安心したような教皇様。サチがいない時にいろいろシャーロが安請け合いしたのだ。サチが知らない所で。
皆が見守る中で教皇様のステータスが浮かび上がる。
名前 エクスミュー・ハンジノート
年齢 68
種族 人族
職業 教皇
能力 神聖魔法 月光魔法
加護 月神の加護
「月神様!あの神々しいお方は月神様だったのですね!!」
教皇様が興奮したように繰り返す。初めて見た神様だといっそう思いが強いだろう。めっちゃ近かったし。美貌が目に焼きついちゃってるよね。創造神様じゃなくって月神様信仰になったらどうしよう。8柱の大神様を祀っているのは知ってるけどさ。
「ところで、神様からご加護をいただくにはお酒を祭壇に供えればいいのですか?今までもたまにお酒のお供えはしておりましたが」
「かみしゃまがみとめた、おしゃけじゃにゃいといけにゃいでしゅ。きりゃー……き!らー!しゅとようしぇいのしゃとしゃんのおみきしか、いまはみつけていにゃいでしゅ」
「キラー酒と妖精の里の御神酒ですか。シャーロ殿と交渉してみますかね」
教皇が考えている。私が今あげてもいいけど、後に続かないよね。妖精の里と商人さんを通じていろいろ交渉したら神聖教国の為になるよ。でも一樽あげちゃう。
収納から御神酒の樽を取り出す。注目が集まった。
「こりぇ、おみきでしゅ。ひとつあげましゅ」
「おお!ありがとうございます!」
「しょれとはぶしゅしぇーどでしゅ。ふくをつくってくだしゃい」
今日買って来たハブスシェードを出す。
「おお!もしかして妖精の布のハブスシェードですか!?」
「しょうでしゅ。たくしゃんありましゅ。いくついりましゅか?」
「この大きさですと、1反でギリギリ一揃え出来そうですな。教会の服だと余裕を持って2反で一揃えでしょう」
「にゃら、8たんあげましゅ」
「おお!ありがとうございます!」
「だいしきょしゃまにも、しゅうききょうにょふくをつくりましゅし、ようしぇいにょしゃとにょおみやげでしゅ」
出そうと思ったが、今は持てない。先にマジックバッグをつくる。宮殿並みに物が入って、不壊で時間停止のマジックバッグ。色は教会の色の白で作る。その中にハブスシェードを8反入れる。冬だとハブスシェードは寒いだろうから夏用だ。
「はい!だいしきょしゃま!」
「ありがとうございます!サチ様!これで枢機卿の服を作ります!」
鐘の音が鳴った。お昼ごはんだ。カイザーが教皇様に言われて廊下で待っているだろう、お付きの人達を連れてきたら、教皇様が若返って?いるので驚いたようだ。
「教皇様!どうなさったのですか!?」
「サチ様の奇跡です。さあ、昼食に参りましょう。アイザック貴方も枢機卿になる説明を午後からしますから一緒にいらっしゃい。神聖騎士は酒樽と布を持ってください」
サチはおうちを収納にしまって、みんなで昼食に行く。
酒樽を持つ神聖騎士よ、重くてごめんよ。
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