妖精の里 3 お店の紹介
シャーロが車に群がっている妖精達を追い払ってくれたので車に乗り込む。
「ここを真っ直ぐ進んで!」
シャーロの案内で次の店を目指す。サチはちょっと疲れた。身体をチャイルドシートに沈めてストローマグから麦茶を飲んだ。落ち着く。
ラズもずっと屈んでいたから首が痛そうだ。
〈ラズの首よ治れ!〉
ラズが気づいてお礼を言ってくれた。いいの、私のせいだから。
妖精族の町並みは不思議で可愛い。男性も可愛いのが好きなのかな?
昨日の夜に言ってた警戒うんぬんは気にしなくてもいい気がする。妖精は素直だ。今も後ろから車を追いかけて来ている妖精達のように。興味のあるものに一直線だ。よく闇商人に捕まらないものだ。
「ついたわよ!止まって!」
カイザーが慌てて車を止める。のろのろ運転だから衝撃は無かった。
みんなで車から降りて鍵をかける。
シャーロについて行って妖精族の店にしては大きな扉を潜る。カイザーは屈んでついて来ている。樽が沢山置いてあるから酒屋かな?
「ようこそお客さん達!酒の種類は2種類だけだよ!ハンガー酒と御神酒だ!」
私とカイザーが反応する。御神酒!是非欲しい!
さっきはカイザーが買い物出来なかったから先に譲る。
樽は人族の酒屋と同じ大きさだ。人族に作り方を教えて貰ったのかな?酒樽が重いから何か酒を運ぶ為の台車でもあるのかもしれない。
カイザーが店主に値段と試飲できるか聞いている。店主は値段を言ってコップに酒を注いで持って来た。
カイザーがしゃがんで店主と同じ目線で話している。ヤンキー座りだが、子供を相手にする大人みたいで微笑ましい。
ハンガー酒は大銀貨1枚。御神酒は大銀貨5枚だった。人族の酒屋で買ったより大分安い。
「わたちもおしゃけにょみましゅ。よういしてくだしゃい」
「サチ様!?お酒ですよ!?大きくなってから飲まないと!」
ラズが相当びっくりしたようだ。でも神様が作ってくれた身体だから大丈夫だと思う。
「たぶんだいじょうぶでしゅ」
「はぁ、少しだけですからね」
店主に試飲のお酒を貰いに行ってくれた。店主が心よく酒を用意してくれる。あ、たっぷり入れられた酒にラズが小さく叫んだ。そのまま持ってくる。その顔は酒をどうしようかと悩んでいる。
「サチ様、お酒を用意してもらいましたが、いささか量が多いです。加減をしてお飲みください」
「わかりました」
酒を能力で持ち上げて飲む。まずはハンガー酒だ。とろりと甘い酒だが、後味がスッキリしている。これは美味しい。加減をしてと言われたので半分残す。
次は御神酒だ。ちょっと飲んでみたかったんだよね。御神酒を飲むとキリッとした味に後味が残る美味しさ。日本酒に近いかもしれない。白濁した酒がするんと口に入っていく。あ、飲みすぎた。1/3ほど残す。
ラズとエレナが残りを飲んでいる。飲み回しに抵抗は無いのか。この世界の文化かな?
カイザーはお財布と相談して1樽ずつ買うようだ。値引きは出来なかったもよう。
樽が大きいから手で触ってマジックバッグに入れている。
そうなのだ。マジックバッグは触っただけでもバッグの中に入れれる。バッグの中の物も分かる特別製だ。私の自信作!まあ、他のマジックバッグも出来るみたいだけど。先生に聞いた話。私は聞いた時にワクワクしたね!そんなバッグは地球には無いから。入れると言う意思が必要らしいけど。マジックバッグの不思議。何でも触ってた物を入れれちゃったら万引きしちゃうからね。それと入れれる物の所有者になってないといけないらしい。マジックバッグを考えて作った人は偉大だと思う。少数の人族が持っている物とダンジョンでしか手に入らないらしい。先生とのお勉強。案外使用と製作を可能にしたのは神様かもしれない。
あ、商業ギルドで高値がついたマジックバッグだけど、時間停止と容量の広さ、不壊がついていたから高かったみたい。
次は私の買い物だ。
「てんしゅがうってもいいだけかいましゅ」
「そうかい?それなら全部いいよ!」
買い占めていいのか聞いたら、酒蔵からまた持ってくるらしい。それならいいか。
ハンガー酒 36樽。御神酒19樽。全部で大金貨1枚と金貨3枚大銀貨1枚だった。お金を支払い、収納に全て入れる。カイザーがとても羨ましそうな顔をしていた。欲しかったら売るから、そんな顔しない!ボーナスであげてもいいかもしれない。
店主にいい顔で見送られ外に出る。
想像していた通りに、妖精達が車を囲んでいた。シャーロの一喝で飛んで行ったけど。
車に乗り込み次の目的地へ。また、妖精達が後ろから追ってくる。ちょっとみんなうんざり顔。
次についたのはひときわメルヘンなお店。カイザーは屈んでも入れない。私とラズとエレナとシャーロで中に入る。
お店は雑貨屋さんだった。可愛い妖精サイズの日用品がたくさん並んでいる。
私も鞄などを見た。
以外にも食いついたのはラズだった。真剣な顔で見ている。
「りゃずはこういうのしゅきでしゅか?」
「サチ様の物を選んでいます。サチ様に大人用は大きいですから」
私の為だった。ラズイケメン。すぐに父親になれるよ。
歯を磨く歯ブラシと小さいコップを何個か買っていた。お金は私が出すよ。
でも、ラズ、言ってくれればいつでも能力で出したのに。相談が足りないね。物が可愛いから許す!(上から目線)
ここを出たらちょっと早いけど、昼食を食べることになった。魔素で動く時計を見たら10時くらい。妖精は早起きだから腹具合が丁度いいのかもしれない。
シャーロに案内されて食事処へ。
車を止めて中に入る。妖精が半分くらい店内を埋めていた。
椅子に座るも大人組は小さい椅子と机に困惑ぎみ。妖精は羽があるから背もたれがないのが救いだね。
おままごとしてる大人に見えてきた。ぷくくっ。
注文と、メニューはシャーロに任せる。多めにお願いした。妖精サイズの食事だと量で満足出来ないだろうからね。
以外にも1品の食事の量は多かった。妖精はよく食べるらしい。カイザーが喜ぶ。みんな取り皿に取って食べる。なんか独特の味。ナッツ系や木の実が多いのか身体に良さそうだ。素朴で美味しいけど。豪華と言えば豪華かもしれない。自然の素材は貴重なのだ。
シャーロは羽を折りたたんでいた。食事の邪魔になるからかな?そういえば車の中でも折りたたんでいた。
結構お腹に溜まった。ご馳走様だ。お腹がぽんぽこりんだ。
みんなも満足するまで食べたらしい。お皿は空っぽだ。
お会計したらシャーロにお礼を言われた。こんなに沢山のメニューを頼むことはなくって、いろんな種類を食べれたからだそうな。
いいよいいよと、案内のお礼だからね。
次はシャーロの案内でアクセサリー屋さんへ。
私の気持ちが昂揚する。期待が高まる。
お店に着くとかわいい店構えだ。お決まりになった扉を潜れないカイザーは外で門番。妖精にまとわりつかれていた。子供の相手をする父親みたい。子供に羽がなければね。
お店の中に入ると、そこは天国だった。目には鑑定が発動している。天然石と宝石の宝庫!お値段がかなり手頃だ。
そして、あった!アシュタリスク!これは高いが街で買ったほど高くない。大きな原石もある。原石でこんなに透き通っているなんて凄い!
目につく欲しいもの全部、会計台に持って行く。店主が驚いている。が、乗せた先から計算していく。
ミスリル貨12枚ほどの値段だった。街の宝石店ぼったくりすぎ!
でも、鑑定ではミスリル貨25枚って出たんだよね。人族の街に持って行くと価値が上がるのかも!
次は調味料の店だった。料理出来る人がいないからパスした。
次は家具屋さん。目が楽しい。綺麗な家具達。妖精の家にはこんな家具が置いてあるのだろうか?
エレナが惹かれるようにフラフラと歩いては、じっと眺めている。好きなんだね。
エレナは1つだけ棚を買った。私はデザインを勉強した。
というか、サチサイトに追加された。能力便利。今日見た物、全部登録されていた。サチサイトすげー。
服屋にも案内されたけど、案の定、妖精サイズ。子供サイズってことね。背中も羽を出す為にパックリと開いているし。シャーロが楽しんでた。
そして、魔道具屋。妖精サイズだったけど、勉強させてもらいました。妖精族の技術の高さを見た感じ。地球にある電化製品をほとんど魔道具化したような商品。
珍しかったのが、飲料水を出す魔道具。きっちり一杯分出してくれる。これは便利だ。思わず買ってしまった。お風呂場に置いておけば、みんながお風呂上がりに飲める。妖精サイズだけど。まあ、飲みきりやすいので、それはいいことにした。また欲しくなっても私の創造で作れるからね。次は大きさ自在で。
あとは、明かりの魔道具が進んでいるように感じた。しっかりと解析させてもらいました。
次は武器屋。
やっぱり妖精サイズだった。カイザーはむりくり入って武器を見ていた。エレナも楽しんだようだ。
次は、ガラス工房があった。
まだまだ未熟だけど、ちゃんとした商品を作っていた。地球とガラスの素材が違うのかな?
小物ばかり作っていた。
もう、紹介する店が思いつかないってことでシャーロも商人の家に帰ることにした。
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