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1歳児天使の異世界生活!  作者: 春爛漫
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商業ギルドに入会

 私達がのんびりしている間にも捜査は続いていた。


 カイザーが教会に行って警備兵に確かめてくれたのは、井戸に強力な睡眠薬を入れられたという事だ。昨夜の料理にも井戸水を使ったから混入していたらしい。

 昨夜は食事中にみんなよく溢すと思っていたら結界が反応していたんだ。ふきんがべちょべちょだったもんね。


 教会関係者は起きる者もいるが、まだ眠りから覚めない者もいるらしい。


 私は厨房近くに水を入れるおおきな容器を作って、その中に飲んでも何に使ってもいい水を入れた。朝昼晩と見にきたら大丈夫だろう。料理人に使っていいと伝える。これで教会で食事が出来る。


 それと、問題の睡眠薬を混入された井戸に来て神力で浄化をした。多分綺麗になったんじゃないかな?


 そして、お昼になっても目が覚めない教会関係者の元へ行く。治療の為だ。あまりにも強い睡眠薬は身体の害になる。

 警備兵に教えてもらって治療をする。


 ダレーン司教を治療したら飛び起きて、私を見て驚いていた。事件の顛末を教えてもらったら、また驚いた。それと、出発は延期にしたと言うとさりげなく喜んでいた。


 犯人達は尋問中で、悪質かつ計画的な犯行なので実行犯だけで計画したのか、裏に誰かが居たのか取調べ中とのことだ。

 詳細がわかるまで、旅立つのは3日ほど待ってほしいと言われた。


 教会関係者も協力してほしいと言われて、ダレーン司教じゃない司教がお手伝いに行ったそうだ。肉体言語のお話ね。痛いやつ。


 2日目で吐いたらしく、この街にいる法衣貴族が犯人だったらしい。警備隊で強行突破したそうだ。大捕物だね。数日前に宝石店に詐欺行為で訴えられたらしい。


 財産没収の上、平民落ちだそうだ。誰も死んでないから。


 目的は私が創造神様の使徒だと、どこかから漏れて、王に私を渡したら覚えめでたくなると思ったらしい。おめでたい頭してるね。そんな事したら怒ると思う。誰とは言わないが。


 裏ギルドを動かしたのが問題で、これを機に裏ギルドの構成員を取り締まるらしい。ヤクザみたいなものか。


 そんなわけで、旅立ち。ダレーン司教が別れを惜しんでくれた。私は教会に悪い人が入って来れないようにした。悪意は何処にでもあるからね。下女の女が入れなくなったらしいけど、しーらない。


 さあ!門を出て車を出す。みんな乗り込み、私はチャイルドシートに乗せてもらう。


 さあ、出発だ!


 分岐があるとナビが教えてくれる。優秀だね。カイザーとエレナはびっくりしてたけど。「車がしゃべった!?」てね。


 もうすぐ、神聖教国の国境だ。車は早いね。そこから教皇様のいる中央まで、また遠いけど。

 どこかの誰かが、車をぶっ飛ばすから早いと思うけどね。魔物も轢くし。あれはちょっと引いた。人だったらどうするんだよ。

 「車の運転させないぞ」ってラズに言ってもらったら、ちょっとだけ落ち着いた。ちょっとだけね。運転する新しい人員が必要かな?


 ハスパロン王国の検問に来て出国の為の身分証の確認をしてもらっている。


 例のごとく驚かれたけど、神聖教国に行くのは妥当だと思われたみたいで、すんなり許可が出た。


 少し進んだら神聖教国の入国手続きだ。


 国中に私の話が行き届いているみたいで、大歓迎された。「ようこそ、我が国へ!」と言われちゃったよ。


 これなら、すんなりと行けるだろうということで、観光していくことにした。せっかくの他国だもんね。楽しまないと!


 町に入る。身分証は教会の物。門番にキラキラした目で見られて「ようこそ!」と言われる。

 この国、私が生きやすそう。


 早速、町中を観光する。

 街と違って小さい町だ。

 町を歩くと、すぐに行き止まりに当たる。


 一応、市場も露店もある。飛びながら見ると街ほど混んで無いから結構面白い。


 露店で片足の無いおじさんがいた。


「あし、どうしたんでしゅか?」


 おじさんに聞いてみる。飛んでいるのに驚かれたけど話してくれた。


「昔、冒険者をやっててなぁ、その時の戦いで足を魔物に切られてしまったんだ。そこらにある、面白くも無い話さ」


 おじさんは自嘲気味に答えてくれた。おじさんの露店を離れたら、〈遺伝子よ仕事しろ!怪我よ治れ!健康になれ!〉と祈った。「うお!」と驚いた声が聞こえたから成功しただろう。


 良い気分で露店を冷かす。いろんなものが売ってるな。見てるだけで楽しい。私も露店やってみたいな。商業ギルドに行くか。


「りゃず、しょうぎょうぎりゅどにいきましゅ」


「商業ギルドですか?分かりました」


 小さい町だけど商業ギルドはあるみたいだ。


 到着した。建物が大きい。商品の在庫とか置いてあるんだろうな。


 飛びながら中に入る。そのまま受付へ。


「い、いらっしゃいませ。何のご用事でしょうか?」


 飛んだ私を見て驚いたようだが、言い切った。プロだ。


「しょうぎょーぎりゅどにはいりましゅ。しょうばいしましゅ」


「ギルドに入会ですね。年会費がかかりますがよろしいですか?」


「いくりゃでしゅか?」


「露店・屋台・卸売りで大銀貨1枚。店舗持ちで金貨1枚です。どうなさいますか?」


「大銀貨1枚でよりょしくおにぇがいしましゅ」


「露店・屋台・卸売りですね。年会費をいただきます」


 大銀貨1枚を払う。


「受け取りました。お名前を伺ってもよろしいですか?」


「さち・す!め!ら!ぎ!でしゅ」


「サチ・スメラギ様ですね。ギルド証を発行しますので、少しお待ちください」


 お姉さんがギルド証の発行をしてくれるので少し待つ。


「サチ様は商売がしたいのですか?」


「しょうでしゅ。たにょししょうでしゅ」


「そうですか。良い経験になるでしょう。お手伝いしますからね」


「ありがとうごじゃいましゅ」


 話しているとギルド証が出来たようだ。


「サチ・スメラギ様のギルド証です。ギルドに貢献すると等級が上がります。サチ・スメラギ様は5等級ですね」


「ギルドに貢献とは、何をしたらいいんですか?」


 ラズがかわりに聞いてくれる。


「ギルドに商品を卸す・ギルドマスターの推薦を受けるなどですね。年会費を多く納めるなどもありますが、こちらは少数ですね」


「等級が低いと何かありますか?」


「信用が薄いと取引き相手に思われる可能性があります。あとはお客様の信用とかですね」


「サチ様、等級を上げますか?」


「こにょままでいいでしゅ。ありがとうごじゃいましゅ」


「いえいえ、またのお越しをお待ちしております」


 商業ギルドから出る。もう、お昼の時間を過ぎた。昼食だ。


「ごはんをたべましゅ」


「じゃあ、食事を食べる所を探しましょうね」


「俺に任せておけ!」


 カイザーが張り切っているので任せる。地元民に何処が美味しいか聞いている。そのままカイザーについて行く。


 店構えはボロいが美味しそうな香りがする。カイザーを先頭に店に入る。お客さんがいっぱいだ。


「いらっしゃい!何名ですか?」


「4人だ」


「そちらの席に座ってください!」


 忙しそうにお姉さんとおばちゃん?が店を歩きまわっている。言われた席に座りメニューを見る。木の板に書いてある。

 そして、やっぱりあった『店主のおすすめ』。


「てんしゅにょおしゅしゅめで」


「俺もそれにしようかな?」

「私も」

「私もおすすめで」


「すまん!注文いいか!」


「はいはい、お待たせ!何にするんだい?」


「店主のおすすめ、4つ」


「はいよ!ちょっと待っとくれ!」


 おばちゃんは忙しそうに厨房と思われる場所に行った。


 そしてすぐに料理を持ってきてくれる。これは、チャーハン?とスープ。わあお!美味しそうな匂い〜!


「大銅貨2枚と銅貨8枚だよ!ちょうどだね!はい、まいど〜!」


 値段を言われて、慌ててお金を出す。私が渡したのが不思議みたいで、眉を上げられたけれど受け取ってくれた。

 熱いうちに食べないと!


「あまにぇくかみがみに、かんしゃをしゃしゃげましゅ」


 いっただっきまーす!んー!おいしい!ぱらぱらのご飯がサイコー!


 みんなも一心不乱に食べている。美味しいよね!こんな出会いがあるから、出先の食事はやめられんとです!


 何の調味料使ってるんだろう?ソースじゃないよね?多分ほんのりと使っているだけだけど、ガツンとした味が舌にくる。中毒になりそう〜!


 沢山盛り付けてあったチャーハンが、瞬く間にお腹に入った。私の胃袋って伸びるのかな?ぽんぽんで歩けないよー。(歩かないけど)

 最後にスープを飲む。これも美味しい。ホッとする。


 みんな我に帰り、私のお皿を見て驚愕する。お腹は大丈夫か心配された。大丈夫だよ、も〜!



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