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1歳児天使の異世界生活!  作者: 春爛漫


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不自然な空気

 サチは客室のベッドで、この世界の宝石を見ていた。


 綺麗な石が沢山ある。だが、カットが残念だ。新たに作り直そうにも沢山のカットがある。


 これにはラウンドブリリアントカットいいかな?それとも、ペアシェイプカットがいいかな?ん〜っ!悩む!


 こんな事をして趣味と時間を潰していた。サチにとっては、とても有意義な時間だが。

 それを椅子に座って眺めるラズ。兄のようだ。


 ただ眺めているだけなら、子供がお気に入りの石を手に遊んでいるように見えるが、内約はとても贅沢な遊びだ。数千万する宝石をたくさんベッドの上にちらして、あーでもない、こーでもないと弄り回している。


 サチには至福の時間である。

 こちらの世界には石言葉が無いようだ。鑑定しても出てこない。楽しみにしてたんだけどなぁ。いっそのことサチが作ってしまおうか悩み中だ。サチなら出来ると思う。


 サチの作った宝石はサチが声に出して宝石の名前と価値、石言葉を言えば鑑定で出てくるようになった。この世界に認めさせたのだ。噛むとそのまま登録されるので、もっぱらラズの仕事だ。世界に1つしかない宝石は訂正が出来る。新しい発見だ。


 それと、お遊びで宝石の薔薇を作ってみた。


 ピンクサファイアで作った所々カットを入れたそれは、とてもとても綺麗で、サチの目を楽しませてくれる。枯れない薔薇。うん、良い!


 ここ4日ほど、サチのお気に入りの遊びになっている。


 カイザーに料理店で受け取りを頼んだ料理が今日で引き取り終わった。明日からは、また旅だ。


 ダレーン司教には「おしぇわににゃりました」と伝えてある。とても惜しまれたが、終わってみれば良い司教だった。とても注目されたけど。監視みたいだったけど。


「サチ様、もう、お眠りになられませんと」


「しょんにゃじかんでしゅか。かたづけましゅ」


 サチは宝石を全部、収納にしまった。おうちに入る。ラズもついてきた。


 サチの部屋に入り、ラズが靴を脱がせてくれる。ベッドに横になると優しく布団をかけてくれる。


「りゃず、おやしゅみにゃしゃい」


「サチ様、良い夢を」


 ラズが出て行って、目を閉じる。幼児の身体は疲れていたのか、すぐ睡魔が来る。

 明日、出発だ。サチは希望を胸に眠った。




 夜、サチ達の客間に男が来たが、サチ達は見当たらず、珍妙な小屋?があった。男は近づこうとしたが近づけず、舌打ちをして部屋を出て行った。


 夢の中のサチ達はそんな事があったとは知らずに夢の中だった。


 ◇◇◇


 朝起きて準備をしたら、おうちから出ておうちを収納にしまう。

 全員で部屋を出て食堂に向かう。


 教会が静かだ。こんなに静かだっただろうか?カイザーとエレナも不審に気がついたようだ。辺りを警戒する。


 ふと、風が吹いたらサチは真っ暗で上下左右がわからない場所にいた。


「サチ様!!」


 声が聞こえるが遠ざかる。サチは空間から出たいと思うと、教会の入り口にいた。男が大きな袋を持って走っていく。サチはその背中を見つめた。

 もしかして誘拐されそうになったのだろうか?


 急に震えがきた。そんな対象になったのは初めてだ。ラズ達と合流しないと。


 サチは飛んでさっきまでいた所に帰る。大丈夫。ラズ達は結界で守られている。何があっても大丈夫。


 ラズ達は顔を隠した者達に襲われていた。


 〈襲撃者よ!気絶しろ!〉


 襲っていた男達が倒れた。10人は居るだろう。ロープを創造する。


「サチ様!!ご無事でしたか!」


「ろーぷでしゅうげきしゃをしばって」


 カイザーが受け取り、1人ずつ捕らえていく。エレナも続いた。サチはラズに抱きしめられる。


「サチ様!サチ様!」


 心配症のラズはサチを離してくれない。


 襲撃者を縛ったカイザーが言った。


「サチ様、教会が静かすぎる。警備隊を呼んで来るから、おうちの中にいてください」


「わかりました。りゃず、はいってくだしゃい」


 サチは収納からおうちを出した。ラズと一緒に中に入る。これで、サチ達は安全だ。


 カイザーは教会を出て、警備隊を呼びに行った。エレナは襲撃者達の見張りだ。足の速いカイザーの方がすぐに警備隊を呼んでくれる。


 エレナはまだ襲撃者がいるかもしれないと警戒する。


 長く思える時間がたった。

 エレナは真夏に緊張を強いられて汗が垂れてくる。


 通りの奥から刃物が飛んできた!サチのお守りが反応して刃物を弾く。エレナも気づいた!飛んで来た方に構える。襲撃者が2人来た。サチ様のお守りがあるから死にはしないが苦戦を強いられるだろう。サチから貰った切れ味の良い剣に変え、剣を構える。

 教会関係者の安否も気になるが、今この時を乗り越えないと!


 襲撃者が切り掛かってくる!サチの剣で相手の剣を両断する。襲撃者が怯んだ。もう1人掛かってくる!剣を持つ腕を切り落とす。襲撃者が逃げようとするが、即座に足を切る!その場に蹲った。ロープは無い。監視だ。


 エレナは汗を拭った。

 襲撃者から刃物を遠ざける。


 神聖魔法で襲撃犯の止血だけする。

 聖騎士は神聖魔法は使えるが、そこまで上手く使えないのだ。


 1階が騒ついた。警備隊が来たのだろう。


 カイザーが駆け上がってくる。エレナはホッとした。


「まだ、襲撃者がいたか!」


「どうにかなったわ。あとは警備隊任せね」


 待っていると、警備兵が来た。5人いる。


「お疲れ様です!襲撃者です!捕らえていただけますか?」


「これは、教会でどうしたことか。犯行者を引き取ります。すまん!もっと応援を呼んできてくれ!」


 隊長らしき人物が警備兵に言うと、後ろの警備兵が走り出した。ここには、襲撃者が13人もいる。5人じゃ足らないだろう。


 朝からお腹が空いているのに疲れる。



 襲撃者が全て移送されたら、おうちに入ってサチ達に無事を伝える。とりあえずは借りている部屋に戻ることにした。あとは警備隊に任せればいいだろう。


 部屋でおうちを出して身綺麗にしてから、中で朝食を食べる。


「朝から教会に異常事態ってなんなのよー!今日、出発予定だったのに」


「教会関係者の安否も分かっていませんしね。教会からは出られないでしょう」


「みんにゃ、よくやってくりぇましゅた。ありがとうごじゃいましゅ」


「いえ、サチ様を誘拐されてしまいました。ラズをお怒りください」


「ありぇは、はやかったでしゅ。りゃずでもおいつけにゃかったはじゅでしゅ。おこっていましぇん」


「まーまぁ、ゆっくりしようや。どこにも行けないし。それに、サチ様は1人でも何とかなるからな」


「カイザー!何ですか!その言い方は!」


「だって、そうだろう?サチ様は誘拐から自力で戻ってきた。襲撃者の大半も倒してくれた。俺たちの出番なんて微々たるものだぜ」


「でも、サチ様は子供です!守らねばならなかったのです」


「言い分は分かるが、サチ様をもっと信用してもいいんじゃね?」


「みんにゃ、がんばりましゅた。しょれでいいでしゅ」


「おお!閉めたね!それで良いですよねー?」


「カイザーはもっと真面目に!サチ様、お風呂に入りましょう。襲撃犯に汚されたわ」


「はい!」


 エレナとお風呂に行く。前よりはスムーズに脱がせてくれた。

 エレナにおもちゃのように洗われる。エレナも緊張したのだろう。頑張ってくれた。私が知らない血痕があった。戦闘したのだろう。私を構って癒されるなら、それでいいんだ。


 まるっと、つるっと洗われて湯船に飛んで浸かる。ふう、朝風呂良い。


 エレナは丹念に洗って入ってきた。返り血でもあったんだろうか?心配で引っ付くと、抱っこしてくれた。


「ねえ、サチ様。私達はサチ様を守るけど、どうにもできなかったら、サチ様だけで逃げてね。約束よ?」


「いやでしゅ。わたちはみんにゃでにげましゅ。しょれか、たたかいましゅ!」


「サチ様は小さいのに強いわね。かわいい」


 まったく反対のことを言って頬ずりしてきた。この幼児ボディに癒されてもいいんだよ?


 朝の露天風呂に癒されて、空気を楽しむ。

 ここの空間どうなってるんだろうか。夜は暗くなるし。私のイメージ?


 風呂から出たら、ほかっとしたラズ達が居た。ラズ達もお風呂に入ってたんだろう。


 最近、みんな肌が綺麗になって女の子みたい。卵肌って言うのかな?お風呂の効果か?だって美肌の湯だからね!


 サチは知らないが、温泉とサチのエキスのせいだ。

 よく一緒に入ってるラズとカイザーはヅカに入れるレベルだ。(男だから入れないが)エレナも肌では負けていない。




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