キラー酒の出所
お風呂に、私のエキスが出た頃に上がった。トモモの果汁ジュースを大司教様に出したら「おいしい!」って飲んでくれた。美味しいよね!
地球と違い完璧100%果汁のジュース。まあ、探せば地球にもあるんだろうけど。添加物がねぇ、嫌なイメージあるんだ。健康被害とかさ。確かパーム油。あれやばいね。発ガン率が高いらしい。日本人は年間4kgも身体に取り入れているらしいよ。食べるなら無添加の物をおすすめする。加工されたりんごジュースもヤバいって聞いたことある。ラクトアイスの闇とか動画で見たら食べられなくなる。
今の日本は添加物大国さ。無いのを探すのが難しい。
この世界はそういうのが無いように発展してほしいね。まだ、技術が追いついてないけど。
ラズに夕食はモルートで食べると伝えてある。
大司教様とスクリナと食べる夕食は和やかに進んだ。両手に花だわ、おほほっ、なんてやってみる。花じゃないと思った君?某歌では花屋でいろんな人がいるんだぜ?キメてみた!キラン!幼児で格好つかないけど。ちびっこギャングだぜー!!ぱるぱる!
その実態は、大司教様に抱っこされる私だけれど。はい、ただの幼児(天使)です。
今日も大司教様のお部屋でお世話になります。昨日は緊急だったけど、今日はちょっとドキッとするね。寝ると大司教様、色気たれるから〜。長い髪が乱れたりすると分かります?目に毒よね〜(おばちゃん風)
その前に大司教様とスクリナで人生ゲーム!貴族版!作ったよ!前のも面白かったけどね。創造便利!
大司教様なんて元貴族だから、ぶちぶち言ってたけど、ゲームだから!現実では無いから!玉の輿とか、逆玉もあるから!上手くいけば王族と結婚出来るから!現実は夢が無いのは分かりましたから。
でも、楽しみ方は分かったみたい。これなら前の庶民編を出したらよかったかな?
いい時間になっておやすみ。照明を消しちゃえばなんのその。一緒のお布団に入っているだけだよ。寝息とか聞こえるけど、お昼寝しなかったから眠い。さらばだ、現世よ。ぐぅ。
◇◇◇
ーーさま、おきてください。
「サチ様」
ふあ〜〜あ。よく眠れた。自慢のくりんくりん頭は大丈夫か?
「だいしきょしゃま、おはようごじゃいましゅ」
「サチ様、おはようございます」
寝起きの大司教様に甘えてみる。
ふふふっと笑い声が聞こえた。
赤ちゃんみたいに抱っこされて起こされた。心地いい。
「今日はお帰りになるんでしょう?早く起きなくては」
「ふあい。おきてましゅよ」
「あくびしてます、サチ様」
「にぇおきでしゅ。あくびもしましゅ」
「そうですか。お見送りします」
靴を履かせてくれて、抱っこでドアまで運ばれる。
「また、きましゅ」
「はい、お待ちしております」
大司教様の胸に顔を埋めてからドアを潜った。またです。大司教様。
「おはようございます、サチ様」
「おはようごじゃいましゅ、りゃず」
「顔を洗いに参りましょう」
飛んで後をついて行く。昨日はみんなゆっくり出来たかな?お休みもないとね。
顔を綺麗にして、礼拝堂に行くと庭でカイザーとエレナが自主鍛錬をしていた。運動不足だったかな?
私とラズに気がついて入って来た。
「おはようございます、サチ様」
「おはようございます、サチ様、ラズ」
「おはよう、かいじゃー、えりぇにゃ」
返事を返したらカイザーが感激したように見てくる。
昨日の夜で無視は終わりだからね。でも、これだけは言っておく。
「かいじゃー、こんどいたじゅらしたりゃ、くびでしゅかりゃね!」
「そんなぁ」
「カイザー、貴方、サチ様だったからよかったものの、普通の子供だったらどうします。死んでいますよ。貴方は聖騎士です。それにふさわしい行いをなさい。ちゃんと反省しましたか?」
「しました!しました!無視はやめてくれ。心にくる。俺の腕が疼くんだ仕方ないんだ」
「衝動を理性で止めなさい。そうしなければ、聖騎士としても、人としても失格です。今回の事は重く受け止めるように」
「はい……」
カイザーが、また、しょぼんとしてる。歳何歳だっけ?鑑定!
名前 カイザー
年齢 20
種族 人族
職業 聖騎士
能力 神聖魔法
まだ、20歳か。子供だね。男の人は女性より子供っぽいことが多いから、ちょっとは大目に見るか。
少しずつ成長していけばいいんだけど。
「さぁ!食事に行きますよ!」
カイザーとエレナが準備し終わったら、おうちから出る。
おうちを収納にしまってから部屋から出て食堂に行く。
この教会に来てからそんなに日が経っていないから、飛んでいるとまだ驚かれる。気にしない気にしない。街で飛んでいても注目を集めるから慣れてきてしまった。
食堂に着いて、ラズとカイザーが食事を持って来てくれる。私とエレナは椅子に座る。
その時、ダレーン司教が来た。
「おはようございます、使徒様。昨日はお部屋から出られなかったようで心配しておりました。お体は大丈夫ですかな?」
「おはようこじゃいましゅ、しきょう。わたちはげんきでしゅ」
「それはようございました。教会はいつでも使徒様の味方です。それでは私も食事をいただきます。御前、失礼いたします」
司教はまた、長机のサチの前に座ってきた。こっそりとエレナと話す。
「えりぇにゃ、きょうかいにかんしさりぇてましゅ」
「はい、そのようです。街で宿を取った方がいいかもしれません」
「かんがえましゅ」
監視されるのは嫌だ。だが、ここは安全だ。多少のことには目を瞑るか?干渉が酷いようなら宿を取ろう。
ラズとカイザーが戻ってきた。朝食だ。
カトラリーを能力で浮かせて食べると、街の料理店の方が美味しかったなと思う。舌が肥えてしまった。いかんいかん、料理は美味しく食べなければ。教会の料理でも十分美味しい。
食事を食べ終わったら、礼拝堂でお祈りして部屋に帰る。
今日はエレナの行きたい場所に行こうと思ったのだが、特に無いと言う。じゃあラズはと聞いたら「サチ様の行きたい場所がラズの行きたい場所です」と言われた。
じゃあ私の行きたい場所に行くか。
全員おうちでトイレを済ましたら、街へお出掛けだ。
何事も無く教会を出る。
カイザーに酒を買った店まで連れて行ってもらう。キラー酒のことが気になっていたのだ。
店まで来てカイザーとラズにキラー酒の出所を聞いてもらうと、あの酒は旅の行商人が置いていった物だそうで、味もイマイチで売れ残っていた所を私が買ったんだそうだ。
ふーむ、製造元が分からん。まあ、また出会えたら買うか。
人がマズイと思っても、神様達は大好物だったみたいだからね。
次は宝石店だ。どんな宝石があるかなー。
飛んで行くと今日も大注目!可愛い私を見るがいい!自分で言うと恥ずかしいわ!控えめに飛んで行く。控えても飛んでるのに変わりはない。注目は変わらない。
富裕層のお店の通りに出た。ここは人通りが少ない。注目されるが。
宝石店に着いた。入り口に護衛がいる。こっちは教会の服を着てるから通してくれる。
店の中に入ると中はセレブな空間だった。カイザーの腰が引けている。
カウンターのお姉さんが話しかけて来てくれた。
「いらっしゃいませ。宝石の購入でしょうか?」
「そうでしゅ。ほうしぇきをみしぇてくだしゃい」
「あら可愛い。ごほん。席に座ってお待ちください」
客が2組いる。席の間に仕切りがある。これなら静かに落ち着いて宝石を見れそうだ。
ラズと私がソファに座る。待っているとお姉さんがお茶を持って来てくれた。お礼を言うと謙遜して去って行った。
ラズにお茶を飲ませてもらう。うん、ちょっとフルーティーな香りで美味しい。
スポドリを紙コップに出して、エレナとカイザーに渡す。美味しそうに飲んでくれた。聖騎士の格好は暑いよね。
アタッシュケースに似たバッグを持って中年の男の人が来てくれた。
じゅ、獣人だーー!!耳がぴこぴこ動いて可愛い。それが中年のおっさんだとしても。耳だけ見ればいいんだよ。耳だけ。
「失礼いたします。私、担当のラクドと申します。よろしくお願いします。宝石をお持ちしましたので、ご覧ください」
ケースを開いたら宝石が並んでいた。うわー!石のパレードだ。見た事ない宝石を探せ!複製して収納にしまう。ラズも心得たものだ。
獣人の人が石のいわくを話してくれる。それをふんふん聞く。楽しい。一見色付きの石にしか見えない宝石もあるけど、磨きが足りないのかな?鑑定で見てみる。!本当に色付きの石だ!価値は銅貨数枚の価値しかない。騙されているのかな?
「しょにょいしはなんでしゅか?」
「あ、ああ、これですね。ある貴族の方が手放した宝石ですよ。良い色味でしょう?」
知らないんだ。教えてあげないと。
「いしはにしぇもにょでしゅ。銅貨4枚のかちしかありましぇん」
「その宝石は偽物だそうです。鑑定を持っているサチ様がおっしゃるので、間違いはありません」
「え!本当ですか!?すみません!失礼します!」
獣人さんは慌ててケースを片付けて店の奥に戻って行った。
ー店の奥にてー
「オーナー!偽物の宝石が紛れ込んでいました!鑑定を持つお客様に指摘されました!」
「何!?偽物だと!どれだ!これか!?鑑定士を全員呼べ!」
なんだ、なんだと鑑定士が3人集まって来た。
「この石を鑑定しなさい」
鑑定士が順番に鑑定していく。オーナーはこの石を買い取りした、1人の女性に注目した。
「これは素晴らしい宝石ですわ!貴方達もそうよね?」
脅すように他の鑑定士を見るのを目撃した。オーナーは決定的に告げる。
「その石は宝石の偽物だ!この店に損害を与えよって!貴族と癒着しているな!警備兵を呼べ!犯罪だ!」
「そ、そんな事ありませんわ!これは本物です!」
「他の鑑定士よ!素直に鑑定結果を告げれば今回は見逃してやる!素直に言え!」
「そ、その石は偽物でございます!パジーに脅されておりました!内緒にしなければ店に居られなくしてやると!」
「そうです!偽物です!1番店に信用されているからと脅されました!」
「警備!パジーを捕らえよ!他にも偽物があったら正直に報告せい!」
「ほ、他にもあります!パジーは貴族の愛人です!権力に逆らえませんでした!申し訳ありません!」
「貴方達!嘘を言って!許さないから!」
パジーに怯えたように鑑定士が縮こまる。
「くそ!なんて事だ!これは大変な事になるぞ」
店主はこれからを思って顔を手で覆った。
貴族が関わっていたのだ。最悪店を潰される。幸いにも買い取りの関係書類は有る。これを立証出来れば勝ちが見える。
幸い相手は土地持ちの貴族ではなく、法衣貴族だ。頑張れば勝てるぞ!
オーナーは自分を鼓舞した。
◇◇◇
「お客様、申し訳ありません。今から店が騒がしくなります。お詫びに小さいですが、こちらの宝石を差し上げますので、お引き取りをお願いできますか?鑑定書付きでございます」
待っていたら、宝石をくれると言われた。貰える物は貰う。お引き取りくださいと言われたので、帰ることにする。残念だが。
肩を落としていたのをラズに目撃されて、抱っこで店から出た。他の客も出て来たようだ。店が閉められる。何か問題でもあったのだろうか?今日は教会に帰ろう。
1つの犯罪を見つけたのを知らずにサチは帰る。
現金にも、貰った宝石を眺めながら。
薄緑で綺麗。カットがよければ、もっといいのに。木で出来た綺麗な化粧箱に入っている。光の角度で見え方が違う。外で見るのもいいなぁと思ったのだった。
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