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1歳児天使の異世界生活!  作者: 春爛漫


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酒と大司教様

 大司教様はどんな神様と出会うだろうか?


 エレナが驚いて大司教様を見ている。あ、跪いた。


 ラズの先導でおうちの礼拝堂まで来た。大司教様が驚いたように見ている。


「なんて素晴らしい。神像も完璧です」


 私は飛んで、盃を綺麗にする。

 ラズに盃を運んでもらい、酒樽のところでスタンバイだ。


「だいしきょしゃま、こっちにきてくだしゃい」


 大司教様が近づいてきてくれる。ラズに盃を持つように誘導される。


「なんと素晴らしい器か……」


 その中に蛇口を捻って酒を8分目まで入れる。


「だいしきょしゃま。さかじゅきをもって、しゃいだんにしょなえてくだしゃい」


「しゃいだんにしょなえる、祭壇に供えるか。分かりました」


 大司教様が祭壇に酒を供えた。みんなで祈る。


 神様、次は誰ですか?


 雷が落ちたように中央の神像が輝いた!あれは!あの神像は!!

 部屋全体を光のすじが走る。眩しい!目が開けられない!


『よくぞ供えた。礼を言おう。サチ・スメラギよ、健やかに過ごしておるの。酒を貰うぞ』


 この声は!創造神様!!


 目よ開け!


 創造神様は相変わらず大きかった。だが、魂の時に出会ったほど大きくない。

 一口で酒を飲み干したようだ。さすが、創造神様。


『供えたのは、神託を下した者よな。仲良くしているようでなによりだ。酒の褒美を授けよう。ふむ、人の大きさとなるとホイっ。これでよかろう。またな』


 創造神様はまた、一方的に言って帰ってしまった。

 創造神様が飛ばした小さな光は大司教様の体の中に入り、大司教様が驚いた後に、パタリと倒れた。


 光が収まる。

 大司教様はやっぱり倒れている。でも、大丈夫ってわかってる。

 大司教様の近くに行く。仰向けに倒れてる。


 あれ?何かおかしいぞ?

 大司教様の顔を見る。!!!大司教様、若返ってる!!美男子だ!大司教様を鑑定!


名前 アイザック・カムペトリー

年齢 25(50)

種族 人族

職業 大司教

能力 神聖魔法 神力

加護 創造神の加護


 神力が使えるようになっている。創造神様の加護もついてるし。あわわっ!凄い事になったぞ!どうしよう!


「りゃず!えりぇにゃ!だいしきょしゃまを、べっどにはこんでくだしゃい!」


「「はい!!」」


 ラズとエレナが脇の下と足を持って運んでくれる。私は飛んでついて行く。


 私の部屋に入るとラズが迷った。


「だいしきょしゃまの、へやにょべっどでしゅ!わたちもいっしょにねましゅ!」


「分かりました」


 エレナは大司教様の部屋に続いているドアに驚いている。ラズと一緒に入って大司教様をベッドに寝かせてくれる。


 私は靴を脱いで、大司教様に寄り添った。ラズとエレナが部屋から出て行く。この部屋には私と大司教様だけだ。


 大司教様ごめんなさい。若返らせてしまって。でも、大司教様だって証明するからね!


 ◇◇◇


 ーーきてください、サチ様。


 なんて良い声だろう。甘い声。もっと聞きたい。


「起きてくださいサチ様。朝ですよ。起きてください。んんっ!声がおかしいな。風邪か?」


 ぱちっと目が覚めた。大司教様だ!


「だいしきょしゃま!」


「サチ様、おはようございます。私は病を貰ったかもしれません。起きて部屋にお戻りください。移るといけませんからね」


「ちがいましゅ!だいしきょしゃま、わかがえっていましゅ!」


「私が?そんな冗談を言ってはいけませんよ」


「ほんとうでしゅ!きにょう、しょうじょうしんしゃまに、だいしきょしゃま、かごをもりゃいました。しんりきもつかえましゅ」


「そうです!あれが創造神様ですよね!サチ様のおかげでお会いすることができました!ありがとうございます!本当に大きかったですね!威厳もありました!」


 ああ、大司教様が理解してくれないっ。

 はっ!鏡で見れば理解してくれるか?


 飛んでベッドの下に降りる。靴を履いてると大司教様が手伝ってくれた。優しい。顔も男らしさと繊細さを兼ね備えている。うっとり、してる場合じゃないよ!鏡だ鏡!姿見鏡があったはず。収納から出す。


「だいしきょしゃま!みてくだしゃい!」


 大司教様が鏡を覗きこんで固まった。大丈夫か?服を触っている。次は顔を触った。髪も触っている。ちょっと前髪が後退してたからね。うお!ぐりんと私に振り返った!


「サチ様!若くなってます!どうしてですか!?」


「しょうじょうしんしゃまの、かごのせいでしゅ」


「しょうじょうしんのしゃまのかご、創造神様の加護!?わ、私が?本当ですか?」


「ほんとうでしゅ。しんりきもつかえましゅ」


「神力も!?ああっ!どうしましょう!教皇様に何と報告すれば!」


「しょれにゃりゃ、わたちがきょうこうしゃまにあうときに、だいしきょしゃまをむかえにきましゅ」


 また、大司教様がぐりんと見て来た。


「それでいきましょう!サチ様!よろしくお願いします!」


「はい!」


 私の部屋に繋がるドアを開く。ラズがいた。


「おはようこじゃいましゅ、りゃず。きょうはだいしきょしゃまと、ちょうしょくをたべましゅ。りゃずたちはしゅきにしてくだしゃい」


「おはようございます、サチ様。分かりました。そのようにさせていただきます」


 よし!連絡も終わった!あとは大司教様と食堂に行くだけだ。


「だいしきょしゃま、ごはんをたべましゅ」


「そうですね。食堂に行きましょう」


 大司教様に抱っこしてもらう。大司教様は部屋から続いているドアを開けた。


「おはようございます、大司教さ、ま?」


「スクリナ、おはよう。この姿はね、創造神様の加護をいただいて、若返ってしまったんだ。いつも通り頼むよ。それと領主館に行くから手配を頼む」


「創造神様の加護……」


 大司教様の側近のスクリナが呆然としたように繰り返す。


「そうだよ、さあ、サチ様、口をすすいでください」


「だいじょうぶでしゅ。のうりょくでできましゅ。だいしきょしゃまがつかってくだしゃい」


「そうですか。それなら少しお待ちくださいね」


 私は飛んで水球の用意をする。口をすすいで、顔を洗う。水球よ消えろ!消えたー。あー、顔がべちゃべちゃだ。タオルを作って拭く。綺麗になった。タオルは収納にポイ。


 大司教様が着替えている。いやん。でも、裸も見せ合った仲、恥ずかしくない。


 スクリナはどうにか折り合いをつけたようだ。

 大司教様の準備を手伝っている。


 着替え終わった大司教様の胸に引っ付くと、抱っこしてくれた。そのまま部屋を出る。書斎みたいな部屋に出た。その次は応接間だな。やっと廊下。


 大司教様が歩いているとギョッとして2度見3度見してくる人がいる。私も見られるけど。服によって役職違うからね。大司教様は1人だけなのさ。


 食堂に入ったらざわっとした。大司教様が声を張り上げる。


「皆、おはよう!昨日、創造神様の加護を受けて若返った!本当か確かめたければ食後に礼拝堂で待つがいい!ステータスを見せよう!」


 大司教様が言うと更に食堂が騒ついた。私はお誕生日席に座らされる。まだ置いてあったんだね。嬉しい。スクリナが食事を持って来てくれた。あ、私のお世話してくれるの?ありがとう。


「サチ様、あーんです」


「あーん」


 大司教様が羨ましそうに見てきた。あーんしたいの?されたいの?どっち?



 食事が終わって礼拝堂での祈りが終われば、大司教様のステータスを見せる時間。

 ステータスの水晶に大司教様が触り、それを見て行く教会関係者達。みんな驚いてる。大司教様を拝んでる人もいる。私は飛んで隣にいる。久しぶりに翼を見せてるよ。


 全員、大司教様のステータスを見終わったら終わり。


 午後から領主館に行くんだって。一度向こうに帰って冒険者ギルドで肉を貰ってこないと。それと本を買いにね。


 大司教様と午後の約束をして、部屋に帰る。



 ラズが待っていた。律儀だなぁ。


「りゃず、ぼうけんしゃぎりゅどにいきましゅ」


「それでは、行きましょう」


 部屋を出るとお風呂場の前のソファにエレナとカイザーがいた。


「サチ様、おはようございます」


「サチ様、おはようございます」


「えりぇにゃ、おはよう」


 私に無視されたカイザーが落ち込んでるけど、これは罰なのだ。


「エレナ、冒険者ギルドに行きます」


「分かりました。先導します」


 おうちから出て収納におうちをしまう。


 マントをつけてもらって飛んでいく。


 教会から出て、冒険者ギルドに行く。

 後ろを護衛しているカイザーの気配が重い。



 冒険者ギルドに着いた。カウンターに行き、特級ギルド証を見せる。未処理の素材に気づいたようだ。


「魔物の解体が終わってますので、解体場へご案内します」


 解体場に行くと肉が山盛り積んであった。全て収納に収める。どれくらいの肉があったんだ。


 受付の人とカウンターに戻る。


「肉以外の素材は買い取りですので、金貨1枚と大銀貨6枚になります」


 お金とギルド証を受け取って、お礼を言ってギルドから出る。


 次は本屋だ!


「えりぇにゃ、ほんやにいきましゅ」


「はい!本屋ですね」


 エレナは自分の本を買うのを知っているから、うきうきしている。

 エレナは冒険者ギルドに戻って場所を聞いている。


 出てきて先導してくれる。


 朝早いから道がすいている。この街の道って広かったんだなぁ。


 富裕層のお店の通りに出た。門番が立っている場所が本屋のようだ。

 みんな教会の服を着ているから扉の前で止められない。本屋の中に入る。


「いらっしゃいませ。どのような本をお探しですか?」


 店員さんが話しかけてきた。


「やみまほうのほんをしゃがしていましゅ」


 店員は驚いたようだが、さすがプロ、笑顔で案内してくれる。


 闇魔法の本は、上・中・下と3冊ある。ラズに3冊とも持ってもらい、会計する。金貨3枚と大銀貨6枚払った。やっぱり本は高い。


 本屋から出て、教会に帰ることにする。富裕層の住まいだから教会まで近い。


 帰ると部屋にこもった。


 収納から闇魔法の本を出してエレナに渡す。


「もう、えりぇにゃにょほんでしゅ。しゅきにしてくだしゃい」


「ありがとうございます!サチ様!闇魔法が使えるように頑張ります!」


 本をぎゅっと抱きしめている。よきかな、よきかな。


 おうちを出して中に入る。お昼までどうするかな?



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