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1歳児天使の異世界生活!  作者: 春爛漫
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大怪獣との決戦!

 村に飛んで行く。翼?大丈夫だよ。旅の間はずっと神のマントを着てるから。まあ、子供が飛んでるのは隠せないけどね。


 村から音が聞こえる。獣の唸り声も!村人達が危ない!


 村の中に入ると、三階建の家くらいありそうなゴリラ?の獣の魔物が村人と畑に植ってただろう、野菜を食べている。人が!食べられている!


 カッと頭が熱くなる。

 エレナとカイザーは魔物の大きさに手を出せないようだ。魔物の首まで飛んで行く。レーザービームで首を切ろうとしたが、気づかれて暴れられた。


 駄目だ、1発で奴を仕留められる能力じゃなきゃ。

 魔物の首にミサイルを当てるイメージをする。ミサイルが飛んでいった!魔物の首が半分吹き飛ばされる!だが、まだ生きているようだ。腕を振り回している!もう、1発だ!ミサイルを飛ばすと首に当たって魔物の顔が吹き飛んだ!やった!やったぞ!魔物を倒した!


 ん?エレナとカイザーが何か言っている。近くまで飛んで行くと、身体に何かが当たって吹き飛ばされた!エレナが叫ぶ!カイザーとラズが走ってきて、私の無事を確かめる。そんな泣きそうな顔をしないで。神様謹製の天使の身体は強いんだよ。ラズに抱っこされる。ほら、無事でしょ?


 何に飛ばされたか見てみると、ゴーレムみたいなのがいた。大きい。能力でゴーレムを見てみると、なにか細い糸みたいなのが繋がっている。ラズの腕から飛び出して糸を辿る。いた!人だ!人がゴーレムを操ってるんだ!飛び出した勢いで隠れている人に頭突きをかます!吹っ飛んで行った。やっぱりこの身体凄い!痛くない!


 飛んで行った人の所に行くと黒いローブを来た男が倒れていた。能力でロープを想像してぐるぐる巻きにして私と一緒に飛んでいく。カイザーの元に着いた。


「こにょ、おとこがごーりぇむを、あやつっていましゅた!ろーぷでしばってくだしゃい!」


「はい!わかりました!!」


 そうなのである。ロープは出したけどただ巻いただけになってしまった。この幼児ボディを忘れていた。


 ラズが抱きしめてきた。泣いている。


「サチ様は!どうしてラズを置いて飛んでいってしまうのですか!?どれだけ、心配したかっ!」


「ごめんなさいりゃず。でも、できりゅことがあるにょに、うごかにゃいにゃんて、できましぇん。わたちにはかみしゃまかりゃの、しめいがありゅのでしゅ」


 ラズが余計に私を抱きしめる。


「りゃず、りゃず、おちついてくだしゃい。けがにんをたしゅけましゅ。りゃずもきょうりょくしてくだしゃい!」


 ラズが涙をぬぐった。私と一緒に怪我人の元へ行く。


 村人はそこらじゅうに吹き飛ばされてうめいている。ラズと別れて治療する。腕が無い。想像するんだ。この人に腕がある所を。この人の遺伝子よ、活動して!


 腕が生えてきた。あとは細かい傷だ!


 傷よ治れ!健康になれ!


 男は綺麗に治った。次の怪我人だ!エレナが怪我人を連れてきてくれる。順番に治す。息の無い人もいた。涙が流れてくるけど、無視をして生きている人の所へ行く。少しでも多くの人を助けなきゃ。


 ラズと手分けしたら村にいる生きている人全員の治療が終わった。

 索敵をすると、まだ獣が数匹近くにいる!


 飛んで行って森に入ると、さっきの魔物より小さいがゴリラみたいな獣がいた。こっちを見て襲ってくるから、ミサイルで首を飛ばす。残った仲間が余計にギャーギャーと騒いだ。全員、首ミサイルだ!3発発射する!残りの首も飛んで、静かになった。ゴリラの家族だったのかもしれない。ごめんね。これ以上、人を傷つける君たちを放ってはおけなかったんだ。死体を収納にしまう。


 戻るとエレナとカイザーで多分親のゴリラの身体を切っている。どうしたのか聞くと、食べられた人が生きてるかもしれないと胃まで切るつもりらしい。私はよく切れる剣を想像して2本作った。エレナとカイザーに渡すと、すんなりと肉が切れていく。


 胃袋の中は地獄だった。人が細切れになって潰れて入っている。見ていられなくて、ラズの胸に飛び込んだ。涙が勝手に出てくる。ラズが私をぎゅっと抱きしめた。


「生存者がいる!ラズ!サチ様!どっちか助けてくれ!」


 弾かれたようにラズと顔を上げる。ラズは走って行った。


 そこには真っ赤に染まった赤子がいた。母親らしき女性に抱きしめられている。女性は頭が潰れて足が無い死んでいる。この子は奇跡的に助かったんだ。


 怪我よ治れ!健康になれ!


 赤子が泣き出した。生きている。エレナとカイザーの行いは間違ってなかった!


 嬉し涙と悲しい涙が流れる。この子は母親を亡くした。父親も生きているか怪しい。この世を生きて行かなければならないんだ。


 他にも生きている人がいた。小さな女の子だ。片手と両足切断されているが生きている。


「サチ様、私には治せません。お願いします」


 ラズが頼んできた。頼まれなくても治すよ!


 遺伝子よ!仕事しろ!怪我よ治れ!健康になれ!


 手と両足が生えてきた。ホッとする。痛々しい怪我は見ているだけで痛い。


 エレナとカイザーが血だらけになって探しているが、他の生存者は見つからないみたいだ。


「りゃず、むりゃのおんにゃこどもを、むりゃにつりぇてもどってくだしゃい」


「サチ様は?」


「わたちはここで、しぇいじょんしゃがいにゃいか、みてましゅ」


「分かりました。行って参ります」


 ラズが車に戻って行った。

 ラズの事だからこの場をおさめるための兵士も連れて来てくれるだろう。信じて待とう。


 カイザーとエレナは全ての死体を見終わったようだ。血だらけの身体を綺麗にしてあげる。


「サチ様、ありがとうございます。弔いは村の住人が帰ってきてからになるでしょう」


「かいじゃーもえりぇにゃも、がんばりました。すこしやしゅんでくだしゃい」


「はい。あ、荷物、車の中だ」


「私も」


 無事な家の中に入って、トモモの果汁ジュースを3人分出す。エレナとカイザーに飲んでもらう。


「サチ様、ちと言いにくいんだがな?貰った剣を納める鞘が無くて危なくて仕方がないんだわ。鞘を貰えるか?」


 慌てて鞘を2本分、作って渡した。カイザーもエレナもホッとした顔をして、床に置いていた剣を鞘に納めた。


「これは貰っていいんだな?」


「はい、つかってくだしゃい」


「やった!これは凄い剣だよ!使ったから分かる」


「そうだな。戦闘が楽になる」


 おもちゃを貰った子供みたいにはしゃいでいる。聖騎士なんだなぁ。


 知らない男が家の中に入って来た。

 村人のようだ。


「ああ、すまん。おまえの家だったか?」


 カイザーが声を掛ける。


「そうだ。いや、それはいいんだが、あんた達がこの村を助けてくれたのか?」


「そう言う事になるかな?全てを助けられんかったが」


「その格好は聖騎士様ですか?」


「そうだ。聖騎士だ。あるお方を守って旅をしていたら村の女子供に出会って助けを求められてな」


「そうか、あの子達が……ありがとうございました。お礼を申し上げます」


「いいんだが、ゴルダンの胃袋を破ったんだが、死体の区別がつかなくてな。あとで見てくれると助かる」


 ゴルダンはあの魔物だ。怪獣みたいな奴だった。


「くっ!何人もあいつに食べられて……!すまん、すみません。汚れ仕事をさせてしまって」


「それで胃袋から、赤子と幼い女の子を助けたんだが、胃袋の近くに置いてきてしまった。身元の確認と世話を頼む」


「なんと!!食べられて生きていたのか!!ありがとうございます!今から確かめに行きます!」


 男は踵を返して外に出ていった。よほど嬉しかったようだ。もしかしたら、この家は村長の家かもしれない。1村人の生存者を喜ぶくらいだ。人間が出来てないと勤められないだろう。


「あー寝たいわ。明日まで無理でしょうけど」


「にゃんででしゅか?」


「村人が寝られるように復興の手伝いですよ。あーあ、今日はめしも食えねぇわ」


「あんなミンチを見ちゃったらねー」


 そういや、私も食べる気しないや。



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