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1歳児天使の異世界生活!  作者: 春爛漫
201/207

サチの目覚め

 その後に起きたラズとカイザーもアンジェリカの父と挨拶した。

 サチの色を纏ったアンジェリカ父にラズが戸惑っていたとか。


 そんなわけで、日も明けて、アンジェリカが目を覚まして動いている父を目の前にして抱きついて号泣した。

 そして、頬と頬に親愛の口付けをした。


 この地域には外国的な文化があるらしい。


 そして、危険が無いのならばと、起きないサチにアンジェリカ父・イヴォークが触ってみたところ。


「ああっ、慕わしい!俺の主!」


 と、ちょっとイヴォークが狂信的な発言をしたので、みんなで意味を考えた。


「慕わしい、ということは、やっぱりサチ様と同じ種族になったの?」


「いや、俺の主、といいましたよ。部下にでもなったのでは?」


「創造神の使徒様の部下、とは?」


「下級天使とか?」


「天使様に上級、下級とか、あるのか?」


「さぁ?」


 と、憶測と平行線を辿ったので、みんなでサチを触って、サチの生存確認をしてから、車で休憩したり、警戒任務をしたりしながら過ごした。

 が、暇だ。


 トイレをするのはいいが、拭き取るものがないので、ライデンに土をほぐしてもらって使っているが不潔で不快だ。


 一行は、またサチの評価を上げた。(サチ様がいないと生活していけない)


 アンジェ父のイヴォークも、ブツが落ちないように、ゆっくりではあるが、トイレに行って下半身を綺麗にした。


 アンジェリカとイヴォークは貧民・農民として生きてきたからか、今のトイレに違和感は感じていないようだった。


 そして、各人、お腹が空いたらカロリーのお友達やサチが放り込んだお菓子などを食べて空腹を紛らわせていた。

 必要最低限しか飲み食いしないので、自然とトイレの回数が少なくなった。


 その時、ヒュンと音がして誰もいない地面に何かが刺さった。

 ライデンが警戒して見に行くと、矢が地面に刺さっていた。


 慌てて、車から離れて座っていたアンジェリカ父子を急かして車の結界の中に移動させた。


 外にはまだ、敵がいる、という事だ。


 これを受けて、『車から離れない』と方針が決まった。


 この後に、集中的に魔法や矢での攻撃が始まったが、地面に刺さったり、壁に弾かれたりして、車は結界機能を持っているので安心して、その光景を眺めていた。冷や汗はかいていたが。(トイレの場所は変更になった)


 そして、サチが倒れて1日半経った時に、サチが目を覚ました。

 それを、みんなで見守った。


「う?う?」


 サチは目をキョロキョロとさせていたので、みんなはホッとして、サチにお願いをした。


「サチ様、おうち出して」


 切実な願いだったかもしれない。


 ラズがサチを抱っこして車の外に出た。


「サチ様、おうちを出せますか?」


 言われるがままに、サチは収納からおうちを出した。


 サチ一行が全員おうちに入ってホッとした後に、アンジェリカ父子が入ってきていない事に気がついて、サチとラズが外に出て、サチにアンジェリカ父子を認識してもらって、おうちの中に入れるようにしてもらった。


 そして、全員、水分をがぶ飲みした後に、お風呂に入った。

 アンジェリカ父子は戸惑っていたが、きちゃないので強制入浴だ。


 サチはラズにお風呂に入れられて、頭が覚めてきた。


 そして、何故か、アンジェリカ父にラズ並に親しみが湧くサチだった。


 アンジェリカ父・イヴォークが湯船に入ってくると、サチは近くに行ってぴとっと引っ付いたところ、イヴォークに抱っこされて、何故かイヴォークもサチも安心感を覚えたのだった。


 それを見てジェラったのがラズだった。


 同じ髪と目の色をした2人は親子のように見えて、ラズに疎外感を与えた。


 カイザーがわけ知り顔でラズに近づいて肩をぽんぽんと叩いていった。

 それに、イラッときたラズはサチと同じ湯に浸かってサチをひたすら眺めていたとか。ライデンも同じ湯に浸かっていたが。


 ラズがお風呂を上がる時に、強制的に2人を剥がして、サチに白い服を着させていた。


 イヴォークは着替えが無かったので、気がついてくれたライデンがサチにイヴォークの服をくださいとお願いしたので、サチの独断と偏見により、ザイデンが着ている服並みに良い服を出してイヴォークに着させていた。

 イヴォークはこんな良い服を着たことが無い農民なので、ライデンに着るのを手伝ってもらった。


 イヴォークは金髪青目の青年になったので、見た目だけは貴族の青年風になってしまった。


 さて、お風呂上がりにソファに座ろうとして、7人が座れなかったので、サチは今までのソファにお別れをして、ソファセットを収納に入れた。


 そして、エレナとカイザーが希望していた、超エレガントなお姫様気分に浸れる高級ソファ、机を真ん中に四方に1人掛け2つ3人掛けを2つ出して、8人が座れるようにした。


 これで、シャーロが来た時だってアイザックが来た時だって大丈夫とサチ1人で納得していたら、ラズに連れられて1人掛けソファに座ったラズの膝の上に座らされた。


 8人掛けにした意味がないぞ!ラズ!


 すさんだ生活を体験していたエレナとカイザーが超エレガントで高級なソファに歓声を上げて座っていた。


 棒立ちのアンジェリカとイヴォークにライデンが席を進めて、父子の隣に座ってサポートした。


 サチが全員の前にカウの乳を出して、まったりと飲み始めると、みんなも後に続いた。


 優雅だ。


 戦場の真っ只中だけど。


 カウの乳を飲み終わって、サチがホットのほうじ茶を出した所でラズが代表して、サチに説明を求めた。


「サチ様、サチ様が倒れた原因とイヴォークさんの状態の説明をしてください」


「う?」


 サチにもわからなかった為、サチ検索で調べた。


『サチ 倒れる 原因』である。


 検索結果。

・天使が倒れる原因として、神力を使い果たす。命の危険がある時に強制的に守りに入り倒れる。その他の要因も有り。


 サチはそのままラズに見せた。


 ラズは眉を寄せたまま、みんなに説明した。


 サチの神力は無限大なので、命の危険があった可能性が高いので、全員にサチを厳重に警護するようにと約束した。


 そして次の検索。


『イヴォーク サチ 原因』


 検索結果。

・10月3日にサチ(創造神の使徒・天使)により、サチの魂のカケラを埋め込まれたイヴォークはサチの眷属になった。

・サチは魂のカケラをイヴォークに与えた事により、サチの寿命を分けてイヴォークを眷属としている。


 さらに眉を寄せたラズが機械的にみんなに事実を伝える。


 イヴォークがサチに質問する。

 「眷属とは何か?」


 サチ検索。

『天使の眷属 何?』


 検索結果。

・天使とは基本的に神の眷属の為に更に下の眷属を基本的に持たないが、己の寿命を分け与える事によって眷属を創る。

・眷属の役割は、己が主人の命令を忠実に守る義務が課せられる。

・天使の眷属は、天使の手足となる事である。進言は出来る。


 それを聞いたアンジェリカが震えだした。

 気がついたイヴォークが娘を抱きしめる。


「と、父さん、と、別れて、生活しないと、いけない、の?」


「アンジェがお嫁に行くのと同じだ。悲しい事じゃない。父さんは死んだんだ。ここに動いている事が奇跡なんだよ」


 泣いている娘を説得するイヴォーク。


 それをよそに、サチはサチ検索で別のことを調べていた。


 『パラナラ王国 戦争 原因』


 検索結果。

・パラナラ王国の宰相・グータンが裏切り、隣国・ルイトン王国のヒューストン王子と密約(パラナラ王国が陥落したら、グータンの領地にする)を交わして国王と王太子を暗殺しようとして、王太子が死に王が生き残りグータンの陰謀が明らかになりグータンは処刑され、王太子を殺された国王が挙兵し、戦争となった。ルイトン王国のヒューストン王子は牢に入れられて、ルイトン王国国王がパラナラ王国国王に和解を持ちかけようとするが、自国の筆頭公爵(ヒューストン王子の祖父)により、密書が握りつぶされている状況である。


 ふむ、これは難しい。

 息子を殺された国王の怨み。

 孫を思う祖父(公爵)の気持ち。

 巻き込まれる民。


 でも、サチにはアンジェリカ(ラズの運命の相手)の方が大事だから、ヒューストン王子と老害(祖父)には退場していただこう。

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