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1歳児天使の異世界生活!  作者: 春爛漫
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サチ達 三輪車とバイクで爆走する

 サチは唐突に空飛ぶ三輪車に乗りたくなった。でもラズやエレナやカイザーやライデンが困るだろう。

 いや、空飛ぶスクーターとか作ったらいいかもしれない。みんなで固まって爆走するのだ!楽しそう!カイザーやライデンは大型バイクの方がいいかもしれない。


 サチはおうちの中の広い場所、礼拝堂で結界付きの空飛ぶスクーター・ピンクと水色、大型バイクの赤と白を作った。みんなヘルメット搭載だ。ヘルメットも頭部が熱くならないように作っている。結界付き、不壊、魔道具化してあるよ。

 それを全部、収納に収めた。明日は楽しい道中になるかもしれない。


 そして、また唐突に中部のみたらし団子が食べたくなった。柔らかいだけのみたらし団子じゃなくて、皮はパリッとしてタレをつけて香ばしくいただくのだ。


 自分1人で食べるのもあれなので、ラズを誘う。というかラズの部屋に突撃した。


 コンコンコン


「あれ?サチ様、どうされましたか?」


「りゃずとおやつをたべにきましゅた」


「それは嬉しいですね。中にお入りください」


 遠慮なく部屋に入ってソファに座って、香ばしいみたらし団子と緑茶を出す。一度でいいからお腹いっぱい食べてみたかったのだ。


「いい香りですね。いただきますね」


「どうじょ」


 サチも能力で持ち上げて食べる。団子1つが小さいので、サチの小さなお口でも食べられた。ほっぺが落ちそうなほど美味しい。パリッともちっとして最高だ。


「これは美味しい!食感とタレの甘みが最高ですね!」


「おいしいでしょ!」


 美味しいものに共感してくれると嬉しい!1人で食べるより美味しさ倍増だ!


 2人は、もっちもっちと香ばしいみたらし団子を食べた。


 その日はラズの部屋で寝た。サチ、満足である。







 翼を出して、すよすよと寝ていたサチはシンジュの洗礼を受ける。シンジュアタックだ。サチのぷよぷよのほっぺにヒットする。

 いやいやとむずがるサチにシンジュのアタックは止まらない。だってお腹が空いているのだから。


 それを見ていたラズは可愛い攻防に笑い出しそうだ。


 シンジュの根気に負けてサチがもぞもぞと起き出してシンジュに紙コップを食べさせる。寝ぼけていてもシンジュのごはんは忘れないのだ。


「サチ様、おはようございます」


「りゃず、うはよう」


 森林空間にシンジュの食事と水を置いて、シンジュを中に入れる。コロコロと転がっていった。空間を閉じる。サチ的に大きなあくびをする。


 その間にラズはサチの寝癖を整えて、靴を履かせ、抱っこで部屋から出る。生来、甘えたで人恋しいサチはラズにぺっとりと張り付く。


 洗面所で顔を洗って、歯を磨いて、トイレをしたらおうちから出て宿泊している宿屋の部屋に出る。エレナとカイザーとライデンが待っていたので、おうちを収納にしまって朝食を食べに行く。


 昨日カイザーがクチコミで料理の美味しい宿を探してくれたのだ。ライデンは人に聞くのがちょっと苦手っぽい。硬派な男だ。ナタリーとは上手くいっているのだろうか?


 宿の食堂について椅子に座って、カイザーが宿の人に鍵を見せて朝食をお願いしている。出来る男カイザーが顔を出した。いつも半分くらいしか出さないからね。残りの半分はおちゃらけた態度と舐め腐った態度だ。こやつはノリで生きておる。真面目な所もあるんだけどね。半分は。


 食事が来た。パンとスープと野菜と卵の炒め物だ。


 お祈りして、いつものカトラリーで食べる。炒め物が色んな味をしていて美味しい。パンはナイフで薄く切る。スープに浸してパクリッと食べる。むふー!美味しい!ガラで味をとってるな。


 この世界は冒険者が多いほどお肉が安くなり毎回の食卓に上がる。冒険者が少ないとお肉が高くなる。酪農や畜産が成功している村や町などは比較的安く肉の供給が出来る。


 だから料理が美味しい=肉が出ると言う場合が多い。サチ達が食べるお肉に困ったことは無い。比較的良い宿に泊まっているからだ。


 今日もサチ達は満足な食事を取って宿を後にする。


 宿の入り口にみんな止まる。サチが車を出すのを待っているのだ。


「きょうは、ばいくににょっていきましゅよ!」


「ばいくって何だ?」


「サチ様、新しい乗り物?」


「ではどうしますか?」


「もんかりゃでて、みんにゃれんしゅうしましゅ!」


 みんな門まで歩いて行く。サチはラズの抱っこだが。



 門から出たら、みんなにバイクのお披露目をする。


「こりぇはえりぇにゃ、これはりゃず、こりぇはかいじゃーで、こりぇはりゃいでんでしゅ!へりゅめっとをかぶってくだしゃい!いしゅにょしたにはいってましゅ!」


 みんなヘルメットを出して着用する。兜より可愛いヘルメットにみんな互いを見て笑う。エレナがピンクのスクーター。ラズが水色のスクーター。カイザーが赤の大型バイクでライデンが白の大型バイクだ。


 個人個人に運転の仕方を教える。ライデンが「安全の確保がされない」と言うので、結界付きだと教えた。堅実な男だ。


 みんなカーブでもたついたが、乗れるようになったので、サチの三輪車を出して乗り込む。カイザーがそれを見て爆笑した。失礼な男だ。乗り心地良いんだぞ。


 爆笑したカイザーが先導してダイヤの形にサチの隣にラズとエレナ、1番最後がライデンだ。


 何かあったらクラクションホーンを鳴らして教え合うようにした。サチの三輪車にはついてないないのだが。


 全員で走り出す。ラズのヒラヒラの服が風に靡かれて涼しそうだ。カイザーが調子に乗ってスピードを出し始めて、エレナがクラクションを鳴らし、大声でカイザーに呼びかける。


「カイザー!!速い!!もっと!ゆっくり走って!!」


「わりぃ!!飛ばした!気持ちいいからよ!!」


 カイザーはバイクが好きになりそうだ。今度から先導は安全のライデンに任せよう。バイクに速度制限をしなかったのは失敗だ。


 夏だけど、風が気持ちいい。三輪車とバイクで走っていると爽快感がある。みんな暑いかもしれないので、ちょこちょこと休みを取る。


 パラソルテーブルに座って、みんなでアイスクリームを食べているとカイザーが並んでいる三輪車とスクーターとバイクを見て呟いた。


「サチ様の乗り物が1番可愛いよなー」


「小さいもの。可愛いわよ!」


「サチ様にお似合いですよ」


 ラズがサチの頭を撫でた。並んで止まっている三輪車とスクーターとバイクが同じ速度で走っていたとは思えない。50kmぐらいは出てたんじゃないかな?カイザー速かったし。


 みんなでトイレに行ってから、また走り出す。


 途中でいた馬車をみんな1列になって追い越したら、馬車から声がかかったので、1番後ろに回されたカイザーがクラクションを鳴らす。馬がちょっと驚いたようだ。


 みんな止まって馬車が追いついてくるのを待つ。大きな商隊だ。



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