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1歳児天使の異世界生活!  作者: 春爛漫
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先生の名前はグラン・ディー

 勉強の先生が来る前に、私サイズの椅子と机を作って、ついでにラズが待機出来る机と椅子も作り、メロンクリームソーダを創造してラズにあげた。とっても驚いて恐れ多いと断られたけど「たべもにょがとけりゅ!」って言ったら慌てて飲んで食べてくれた。私はアイスクリームを食べたよ。ラズと2人で「冷たいけど美味しい!」って。ちょっとだけ打ち解けられたかな?


 今の季節は春の終わり頃かな?とにかく陽気がいい。


 私は翼を出して、うつぶせにたらーんとベッドで横になっている。なんか翼を出すと開放感があるんだよね。翼を出してるこっちが自然てことかな?


 トントントン。


 扉がノックされる。


「だれぞ!」


「勉強を教えに参りました。グラン・ディーと申します!」


「入ってよし!」


「失礼します!」


 先生が来たらたらーんとしてられない。急いで床に降りて翼をしまう。


 先生を立ってお出迎え。


 扉を潜ったグラン・ディー先生は私の前に跪き、自己紹介を始めた。


「使徒様、わたくしは勉強を教えに参りました。グラン・ディーと申します。いかようにもお呼びくださいませ。使徒様に勉学をお教えする名誉に心が震えております」


「しぇんしぇ。おしえてもりゃうにょは、わたちです。しぇんしぇはしじぇんたいで、おしえてくだしゃい。わたちのことは、さちでいいでしゅ」


「寛大なお言葉ありがとうございます。なるべく自然体で勉強を教えられるようになるよう努力します」


 えー、努力しないと自然体で教えられないの?そんなに緊張する?可愛い幼児よ、私?自分で言うなって?だって創造神様が作ってくれた、この身体、本当に可愛いんだもん。


 先生は教材をたくさん持っている。

 先生に合うような机と椅子を私の机の隣に創造する。


 先生はぽかーんと驚いてたけど、ラズに促されて荷物を机の上に置いた。


 先生は、薄茶の光に透けるとキレイな髪を後ろで結んで、色白な肌で綺麗な紫の瞳をしている。研究職って感じ。不潔ではないけど。


 ラズはスラリと背が高くて、ショートの紺色の髪に翠の瞳で綺麗な顔立ちだ。服装は普通の司祭より簡素な動きやすい格好をしている。


 教会に勤めている人で、あんまり男くさい人はいなかった。あ、聖騎士は別だよ。体格よかった。女の人もそこそこいるけど、お世話係が男の人のラズだったのは何でだろう。不満は無いけど。


 先生が椅子に落ち着いて、話しかけてくれた。


「まずは、何からお教えしましょうか?」


「わたち、4日前にこにょしぇかいにきたばかりで、にゃにもしりゃにゃいでしゅ。こどもにおしえりゅことかりゃ、いっぱんじょうしきまで、おしえてくだしゃい」


「使徒様は!あ、いいえ、サチ様は4日前にこの地に降り立ったのですか!?」


「しょうでしゅ」


「ああ!これは新発見だ!歴史に残るぞ!メモしておかないと!ああ、失礼しました。興奮してしまって」


「いいでしゅよ」


 この世界に来た時のことを聞かれて答えていく。

 この世界の名前『アラタカラ』を教えたら、知らなかったらしく、えらく興奮していた。


 ラズも興味深かったらしく、先生を止めないで一緒に聞いていた。


 他の世界から転生してきたと言えば、さらに興奮して「他の世界があるなんて!」と震えていた。

 先生大丈夫かしら。


 とりあえず先生もラズも興奮したみたいなので、ハチミツレモンティーを創造して飲み物を渡した。美味しそうに飲んでいたけど、先生が「これが使徒様の飲み物!」とはぁはぁして飲んでいた。落ち着いてないねぇ。


 身の上話が終わったら、先生とも大分、打ち解けて普通に話してくれるようになった。


 まずは創生神話から教えてくれるそうだ。


『昔、この世界のはじまりは、創造神が世界の形を作り、他の女神や男神を作って、創造神は最高神になり世界を色づかせていった。いつの頃からか生命が生まれ、営みが生まれた。

 魔物と戦いながら、人類は魔法を発現し、魔物に対抗していった』


 短い創生神話だけどこれが世界共通の認識だって。


 創造神様がお作りになった神様は、太陽神、月神、大地神、海神、植物神、生命神、暗黒神だったそうな。

 教会が認めている大神は上の8神だけだって。あとは風土神などの小神達。


 大神の奇跡は教会が記録し始めてたったの3つしかないらしい。3つでも凄いけどね。


 初めは作物が腐り始めて人類や動物、魔物が絶滅に追い込まれた時に、大地神と植物神と生命神が力を合わせて世界にお恵みをくださったらしい。


 2つ目は人類が増え過ぎて人と人とが争う戦国時代。創造神の怒りが落ち、人が沢山亡くなり、人と文明が退化したらしい。


 3つ目は、魔物が力を持ちすぎて人類が滅亡しそうになった時、暗黒神が魔物を減らし、その力を衰えさせたそうだ。


 いずれも、世界危機の時に神様が介入されているので、これは史実として言い伝えられているらしい。


 身の程以上のことはするなとの戒めになっているようだ。


 神様が介入出来るなら、私は何故送り込まれたのか?創造神様の言う通りに世界を良い方向に導く為か。


 私はこの世界を知らないから、何処が問題を抱えているのか知らない。やっぱり勉強しないと。



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