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1歳児天使の異世界生活!  作者: 春爛漫
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創造神様からの神託

 次の日の朝。


 大きな鐘の音で目が覚めた。鐘、教会で鳴らしてるのかな?


 ふぁ〜あ、とあくびをして起きるとラズが控えていた。ちゃんと寝たのかな?


「おはようございますサチ様、お顔と口を洗ってくださいませ」


「りゃず、おはようごじゃいましゅ」


 部屋にある机の上に水桶と空の桶が用意されている。

 空の桶は汚い水をぺっするところだな。


 翼を出して飛んでいく。

 机と椅子の大きさが合ってないから飛びながら顔と口を綺麗にする。手が小さいから時間がかかる。


 ベッドの横に戻って靴を履こうとすると、ラズが履かせてくれた。

 スーパーメイドじゃなくって、男の人だからこの場合は何て言うのかな?スーパーラズかな?


「お食事に行かれますか?」


「はい、いきましゅ」


「抱っこいたしましょうか?飛んで行かれますか?」


「とんでいきましゅ」


「承知しました。それでは参りましょう」


 翼を出してラズの後を追って行く。

 顔を洗ったら一気に目が覚めた。朝食、何かな〜。


 飛んで行くと昨日と同じように驚かれる。みんな慣れてくださいねー。



 食堂に着いたら、昨日と同じようにお誕生日席に案内される。ぽすんと座ったら翼をひっこめて、ラズが食事をもらいに行ってくれる。


 他に食事をしてる人の視線が痛いとです。私は珍獣ですか?いえ、天使です。珍獣天使ですか?


 1人でバカなことを考えていたら、ラズが食事を持ってきてくれた。パンにスープに温野菜とオムレツらしき物。ラズが小さく切ってくれる。

 口元に料理を持ってきてくれるから、あーんして食べさせてもらう。おいしい。


 これ、小盛りだけど他の人と同じメニューだよね。昨日の食事は味が濃かった。天使だから普通の子供のような離乳食を食べなくてもいいんだろな。


 オムレツを食べたらあまりの美味しさに口をまぐまぐしながらほっぺを押さえてしまった。絶妙なトロトロ感。

 今まで卵料理は出なかったから卵は貴重なのかもしれない。


「りゃずもちょうしょく、たべてくだしゃい」


「私はもう、いただきました。お気遣いありがとうございます」


 鐘の音じゃなくて、自力で起きたってことだ。

 凄いぞ、ラズ。


 それにしても教会の人の多いこと。

 大きな食堂が8割方埋まってるよ。


 食事を食べ終わって、翼を出して飛ぶと、どよめきが上がった。まだ、翼を見てない人がいたのね。


「礼拝堂に行きます。ついて来てください」


「わかりましゅた」


 もう、噛むのは仕方ないと諦めている。意思をちゃんと伝えたいときは腹から力を込めて声を出すんだ。


 そういや、この世界にきてから、お風呂に入ってないな。昨日はごはん食べたら、すぐに寝ちゃったし。服も洗濯してないや。でも不潔な感じはしない不思議。鑑定みたいなことできないかな。袖をじーっと見てみる。出た!鑑定だ!


 ー神の衣ー

 不壊、防汚、サイズ自動調整がついた神から賜った衣。着心地の良さを保証します。


 なんか、凄いのだった。パンツもそうかな?そうなんだろうな。靴もそうかも。私が身につけていた物は創造神様が用意してくれたんだろうから凄い物になっちゃったんだ。


「礼拝堂に着きました。今から神像に向かって祈りましょう」


 ラズに言われたから床に降りて、先に祈ってる人の姿勢を真似して祈ろうとしたら、この子供ボディ上手く跪けない。

 ……座ろう。神様も許してくれるよね。あ、大司教様が1番前で祈っている。長い時間祈っているみたいだ。見習わないといけないかな?とりあえず手を組んで祈る。


 創造神様の神託で自由に動けるようになりました。ありがとうございます。これからは、この世界を知る為に勉強したいと思います。見守っていてください。


【良きかな。これからも教会関係者を頼ると良いぞ。信心深いものが多いからの。健やかに過ごせよ】


 神様から神託?を貰った。

 創造神様は悪い神様じゃなくて良い神様なのかもしれない。


 目を開けると、神像に向かって祈っていた人達が私に向かって祈っている。はて、何で拝まれてるんだろう?


 サチは気がつかなかったが、祈っている最中、身体が黄金の光に包まれていた。


「サチ様、もしかして、神託を授かりましたか?」


「しょうじょうしんしゃまの、こえがきこえましゅた」


「よ、よろしければ、教えていただいても?」


「きょうかいのかんけいしゃを、たよりゅようにと、しゅこやかにしゅごせといっていましゅた」


 「おお!」と、どよめきが上がる。

 大司教様が来て抱っこして祭壇?の前まで連れて行かれた。


「サチ・スメラギ様は創造神様の使徒である!すなわち、創造神様のご意志を賜る言動をされる!これよりサチ様がステータスを出される。見たい者は並ぶように!」


 何か凄いこと言われた。

 そんな凄い存在じゃないよ。

 それより、ステータスだすの?


「サチ様、この水晶の魔道具に触って下さいますか?」


「はい」


 祭壇に置かれた水晶に触る。大司教に抱っこされて、ぬくぬくだ。やっぱり人の体温は良い。

 お、勝手にステータスが出て来たぞ。私が天使だってバレるじゃないか。いや、バレてもいいのか。教会だから。


 並んで順番に見て行く人がステータスを見て驚いて私に祈っていく。なんだか、居心地が悪い。まだ、祈られるようなことしてないんだけどなぁ。


 長い時間を同じ体勢でいた。

 身体は痛くないけど気疲れした。

 ステータスを見た人はみんな私に祈っている。私がここから去らないと教会の人みんな動かないんじゃないかな?


「へやにもどりましゅ」


「それではお連れいたします」


 大司教様に抱っこされて、礼拝堂から去った。

 後ろからどよめきが聞こえてきた。神様を信じてる人からしたら凄い事なんだろなぁ。


 また、ラズが影で動いてくれる。ありがたい。


「サチ様、御神託を賜りおめでとうございます。昨日に引き続き心が震えるようです!」


「だいしきょしゃまも、しんたくうけましゅた」


「そうでございます。神のお声を聞いたこの身が震えるようです」


「べんきょうはいつかりゃでしゅか?」


「お早い方が良ければ、今日からでも受けれますが、お疲れではないですか?」


「だいじょうぶでしゅ。きょうかりゃべんきょうしましゅ」


「なんと!お小さい身体で勉学への意欲!感激いたしました!」


 なんか、凄いヨイショがくるなぁ。照れ臭い。


 大司教様は部屋まで連れてきてくれると、恭しく礼をして帰って行った。


 どんな先生が来るのかなぁ。



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