ライデンの運命の人
お風呂から上がったらお風呂場前のソファでカウの乳をみんなに配る。みんな美味しそうに飲む。ライデンもその仲間だ。お風呂でちょっと気が緩んでいれば良いけど。表情があまり動かんのだよな。なんとなく嬉しそうなのは声の調子で分かるけど。
カウの乳を飲んだ私はシャーロの部屋に行く。
妖精の里のシャーロの家に繋がるドアからお邪魔する。
「まましゃん?」
「あら!サチちゃんじゃない!こんにちは!シャーロに用事だった?あの子、今日は仕事に行ってるのよ!」
シャーロの血を感じる話し方だ。そうか、シャーロはいないのか。ママさんにお願いしよう。
「まましゃん、しゃーりょにはぶしゅ、す!しぇーどの白いにゅ、ぬ!の!をかってくりぇりゅようにおにぇがいできましゅか?」
「ハブスシェードの白い布ね!いくつ欲しいの?」
「たくしゃんでしゅ!おかにぇはおいていきましゅ。かってくりぇましゅか?」
「いいわよぅ!サチちゃんのお願いだもの!私がお昼からの買い物で買っておいてあげる!」
「ありがとうごじゃいましゅ!まましゃん!こりぇはおみやげでしゅ」
シャインマスカットを箱で2つダイニングの机の上に置く。
「まあ!いつもありがとうね!食べるのが楽しみだわ!」
「それじゃあ、まましゃんまたにぇ」
「取りに来るのは、いつでもいいからね!」
部屋に戻ってドアを閉める。シャーロの部屋から出て、考える。この間シャーロに紹介された生地屋でハブスシェードの白の布を買い占めたけど、生地屋が里に一つしか無いわけないもんね。里は大きい。
みんなの元に戻る。
「サチ様、シャーロに用事でしたか?」
「しょうでしゅ。まましゃんがかいもにょをひきうけてくりぇましゅた。しゃーりょはきょうはしごとでしゅ」
「そうですか。ようございました。シャーロは仕事ですか。まあ、あまり仕事を抜けるのも良く無いですしね」
そうだよね。シャーロにも日々の生活がある。森警備隊での仕事だ。妖精の里にとっては大事な仕事だ。
あとはカウの乳を買ってこないと。
「かうのちちを、ちゅうもんしてきましゅ。しゅぐに帰ってきましゅかりゃ」
「私も一緒に行きます」
ラズと一緒に行くことになった。ラズに抱っこしてもらって瞬間移動でカウの乳を売っている牧場に着く。
ラズが歩いて店まで行く。
「しゅみましぇーん!だりぇかいましゅかー!」
「はいはい〜。あー、貴方達は見たことあるねぇ。常連さんかい?」
いつぞやのお兄さんが出てきた。
「はい!かうのちちのよやくにきましゅた」
「予約ね。いくつ必要だい?」
空き瓶を綺麗にしたのを全部出して、追加の瓶も出す。
「おーおー、沢山だねぇ。いつ取りにくる?」
「あしたのちょうしょくが、おわったりゃとりにきましゅ」
「分かったよ明日ね。待ってるよ」
「おにぇがいしましゅ」
「はいよー」
お店を出てから瞬間移動でおうちに戻る。
「あらー、サチ様とラズ、カウ臭いわよ」
ライラに言われてしまった。
〈ラズと私、綺麗になれ!〉
「サチ様何かしたわね?うーん、合格ー!」
匂いは取れたようだ。明日も気をつけないと。
用事は全て済ませた。ライデンの運命の相手を探すのだ!
ライデンはソファから立ち上がって護衛する人みたいになっていた。カイザーが無理矢理ソファに座らせようとしている。カイザー精神が強し!
地図を収納から出して、ライデンの運命の人・お嫁さんを探せ!と祈る。
地図なんていらずに、この中央都市にいることが分かった。運命の人は近くにいるんだなぁ。ラズが特殊か。
「おひりゅをたべたりゃ、まちをみにいきましゅ」
「分かりました!護衛の騎士の手配をしてきます!」
ライデンが颯爽とおうちから出ていった。できる男ライデン。いつのまにか少しサチ語が分かってきている。慣れれば普通に話せる日も近いかもしれない。
お昼まで、もう少しなので白の部屋に戻ることにした。
次はエレナに甘える。女の人の方が体が柔らかいの。エレナは少し筋肉質だけど。聖騎士だからね。
「サチ様かわいー!あー私も赤ちゃん欲しいなぁ」
カイザーとラズと帰ってきたライデンが固まる。相手がいないと子供は出来ない。サチの護衛などしていれば子供は出来ない。コメントしづらい空気になった。
だが、エレナとサチはエレナの運命の相手を知っている。相手はいるのだ。お互いになかなかくっつかないだけで。
「えりぇにゃなりゃ、かわいいあかちゃんが、うまりぇましゅよ」
「そうかなー?」
チラリと固まっているカイザーを見る。男ならさっさと覚悟を決めろ!
昼食の時間になったら食事をして、街に出る為に宮殿の外に行く。神聖騎士はもう待機していた。早い。
サチは守りのネックレスをつけてない騎士にネックレスを渡す。みんな心の中で「貰えた!!」とさりげなく歓喜していた。
「サチ様、今日はどちらへ?」
サチは街の中央から少し外れた南の右に進んでくれとお願いする。
サチからの漠然とした行き先にみんな少し不安げだ。
だが神聖騎士。何があってもお守りすると気合いを入れる。エリートは心も強かった。
馬車はゆっくりとラズとサチを乗せて進んでいく。
「サチ様、今日のお出かけの予定場所はどこですか?」
「りゃいでんにょ、うんめいのひとしゃがしでしゅ!」
「ええっ!」
幸い馬車の音がうるさいので神聖騎士達には聞こえなかった。
「本当ですか?」
「ほんとうでしゅ!」
自信満々のサチを見て、ラズはサチ様はそんな事も分かるんだと感心した。チラリと自分は?とよぎったが、それこそ夢物語のようで頭から消した。
次の旅の予定はラズの運命の人探しなのに。知らぬは本人ばかりである。あ、カイザーにも言ってない。
そんな2人の会話を置いて馬車はサチの目的地から少しズレていく。仕方がない。中央都市は大きいのだ。
サチが馬車から飛び出して飛んで、先導している神聖騎士に場所案内をすると申し出る。
騎士はいきなり来たサチに驚いたが、そんな事はおくびにもださず「は!お願いします!」と返事した。
サチが飛んでいると老若男女かまわず、みんなが注目する。神聖騎士が「下がれ!下がれ!」と道をかき分けてくれる。サチはせめてもと、みんなに手を振って進んで行く。理解した人々から歓声が上がる。
民の中には、サチの手にハイタッチをしてから逃げる猛者も出る。神聖騎士が怒るが民衆の中に逃げられては捕まえられない。神聖騎士達はサチの周りを固めた。
サチは面白い人もいるなぁ。と思っていた。誘拐される危険があるとは微塵も思っていなかった。だってストローマグに守りの宝石をつけているんだもの。
『悪意のある者、害がある物は近づけない』
サチと神聖騎士とラズ達は知らず知らずのうちに守られているのだ。
『害がある物は近づけない』だが、サチの宝石の持ち主を守って欲しいという気持ちがネックレスに付与されている。もはや、王侯貴族が持つ物である。サチはその危うさを知っているから悪い人にはあげない。神聖騎士や聖騎士にはぽんぽんとあげているが。サチの心の問題である。
途中からサチが先導してしまったので、集まった民衆に道を塞がれてしまい、目的地に着くまで1時間40分ほどかかった。
だが、とうとう到着した。ライデンの運命の人がいる場所へ!
どうやら建物の佇まいを見るに食事屋のようだ。
「りゃいでん!」
「は!サチ様!」
「こにょたてもにょにょにゃかに、りゃいでんにょおよめしゃんがいましゅ!ぷろぽーずしてくだしゃい!」
ライデンにもなんとなく意味が聞き取れた。「に」が多かったが。
ライデンの顔が赤く染まる。
「そ、それは本当でしょうか?」
動揺が少し声に出てしまった。ライデン心の中で大混乱である。
「ほんとうでしゅ!しゃあ!のっくしゅるんでしゅ!」
ライデンは心の中が決まらない内に命令にしたがっていた。心臓はバクバクである。サチが嘘をつくとは微塵も思っていない。
少し待つと中年の親父が出てきた。
「昼営業は終わったよ、夜の開店はまだだよ!ひゃあああああ!」
外の大観衆を見て親父さんが驚いてしまった。サッとラズが出て来て落ち着けにかかる。
「店主とお見受けいたします。数名中に入れてもらえないでしょうか?」
親父さん・店主が首をカクカクして頷く。いつものメンバーとライデンを店の中に押し込んだ。
「神聖騎士の皆さんは、ここでお待ちください」
扉を閉める。
むあっと暑い店内にサチは部屋の温度を下げる。
「店主、娘さんがいますね?呼んできてください」
親父店主は言われるがままに店の奥に行った。対面までもう少しである。
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