世界最高額のピンクダイヤモンド
「だいしきょしゃま、わたち、べんきょうちたいでしゅ」
「勉強ですか?まだ、早いのでは?身体の成長を待ってからでもよろしいかと思いますが」
「んーん、こりぇみて」
名前 サチ・スメラギ
年齢 1歳(ゆっくり成長)
種族 天使
職業 創造神の使徒
神力 ∞
能力 創造 想像(何でも出来る)
大司教様の顎が落ちそうだ。やっぱりお笑い要員。
「わたち、しゅぐに、しぇいちょうしゅるかわかりゃにゃい。こにょままかもしりぇない。だかりゃべんきょうはじめたいでしゅ」
注目すべきはココ!
年齢 1歳(ゆっくり成長)
ゆっくりって、どれだけ「ゆっくり」なの!?
大司教様が真面目な顔になった。考えているようだ。
「いいでしょう。教会にも教育係がおりますからね。
ですが!無理なく勉強をしていただきます。お体が大事ですからね」
厳しいこと言ってそうで、甘々な発言だ。ツンデレどころかデレデレだ。ここで勉強して生活の面倒を見てもらうんだからね。私の滞在費用を渡さないと。ラズさんもつけてくれてるし、豪華な部屋をもらってるし、いつまでいるかわからないから奮発しちゃうよ。
地球で最高値で落札された宝石ピンクダイヤモンド。カラット数も59.61ctの驚くべき大きさだ。
ピンクダイヤモンドは見た事あるけど、大きさを想像しないと。
キリよく100ctのピンクダイヤモンドでラウンドブリリアントカットを作るよ!
私が世界最大級のピンクダイヤモンドを見たかった。
〈いでよ!100ctピンクダイヤモンド!ラウンドブリリアントカットでね〉
手の上に落ちてくる。ふーっ。これは宝石鑑定士をしていた私でも見たことない大きさだ。素晴らしいカットに大きさ。宝石の放つきらめきに魅入られそうだ。
「だいしきょしゃま、こりぇはここでくりゃすしぇいかつひと、べんきょうだいでしゅ。もりゃってくだしゃい」
「おおおおおお!なんと素晴らしい宝石か!これは何という名前なのですか!?」
「ぴんくだいやもんどでしゅ」
「ピンクダイヤモンド!!王族の宝物庫にでも入りそうな宝石ですぞ!何という煌めきか!創造神様の使徒様の贈り物として祀らねば!サチ様、素晴らしい物をありがとうございます!」
「はい、しぇいかつひと、べんきょうだいでしゅからにぇ」
「はい!承知しました!」
なんか、大司教様はいそいそと部屋の奥に行った。
う、さっき飲んだお茶でまたトイレしたくなった。
ここでいいか。
床に座って足のボタンをとる。ラズさんが察してかわりに外してくれる。パンツを脱ぐのも手伝ってくれたから楽に出来た。おまるを出して、しーする。大司教様付きのお世話係の人は見ないようにしてくれた。いい人だ。
後片付けをしておまるを収納にしまう。ラズさんがパンツを履かせてくれて、ボタンもとめてくれる。至れり尽くせりだな。
「りゃずしゃん、ありがとう」
「当然のことにございます。
あと、ラズ、とだけお呼びください」
「リャズ?」
「はい。そうでございます」
ラズ。
ラズね。
「りゃず」としか言えないこの口が憎い。
しばらく待っていると、大司教様が帰ってきた。その顔は何かをやりきった顔だった。ピンクダイヤモンドをしまいに行ったんじゃないの?
「サチ様、この後はわたくしめと夕食でもご一緒にいかがですかな?」
「うん、たべゆ」
「それでは、僭越ながら」
大司教が手を広げてしゃがんでくれる。これは抱っこをしてくれるんだな。ありがたく好意に甘える。
大司教様が私を抱っこしたので、お世話係の2人はサポートして動いてくれる。おー、自動ドアだ。人力の。おー、大司教様のお世話係が足早に先に行った。多分、食事の準備をしてくれるんだろう。途中にあるドアがどんどん先に開く。ラズ凄い。ドア閉めるのもやってるんだよ。
ここにいたらダメ人間になっちゃいそうだ。あ、人間じゃなかった。「種族・天使」だ私。ダメ天使。何か嫌だ。
豪華な食堂についた。
教会、金持ちだな。
今まさにシェフがよそったといわんばかりの湯気を立てた食事が並べられる。
肉はじゅーじゅーと鉄板の上で温められているし、スープも野菜も綺麗に盛り付けされてある。私のは小盛りだけどね。パンも綺麗にスライスされている。
まさかのお誕生日席に座らされる。温かさが離れるのが寂しいね。
「だいしきょしゃま、ありがとうごじゃいましゅた」
「なんのなんの、いつでも甘えてくだされ」
嬉しい言葉を言ってくれる。これも創造神様の使徒だからなんだろうな。ちょっと寂しい。でも好意は受け取る。
だってこの世界で、心許せる人が欲しいし、私は寂しがり屋なんだ。別れも多いけど出会いもあるからね!
教会は食前のお祈りがあった。
「あまねく神々に感謝を捧げます。ではいただきましょう」
「あまにぇくかみがみに、かんしゃをしゃしゃげましゅ」
ラズが給仕をしてくれた。小さく切ってくれて口に丁度いいサイズにきった料理を運んでくれる。う〜ん、ダメ天使になりそう。
食事はもちろん美味しかったよ。
大司教様は、なんか優雅に食べていた。あれがテーブルマナーと言うものか。
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