プロローグ
更新頻度がゆっくりだと思いますが、お付き合いしてくれると嬉しいです。
あぁ、もう駄目だ。
水の中、薄れていく意識の中でそう思った。
息を吸おうと口を開けると水が入ってくる。
口の中の水のせいで呼吸することも儘ならない。
意識が朦朧として、このまま目を閉じてしまえば私が起きる事は一生出来ないだろう。
そう分かっているのに、瞼が重くなってくる。
あぁ。もう駄目だ。このまま私は、
そんな思考を停止するように私の意識は途切れた。
◆◆◆◆◆◆◆
私は、ズキズキと痛む頭を抱えながら体を起こした。
あれ、水の中じゃない。
驚いて私は、瞼を開けた。
するとそこには、驚いた様にこちらを見ている大人の男女二人がいた。
えっーと、誰?
「あのー、すみません。貴方達は誰なんでしょうか?」
「え!?」
二人は同時に声をあげた。
うん、完璧に揃ったね。
「あのー、」
私は驚いたまま硬直して動かない二人を心配して声をかけた。
すると、二人は我に返り心配した様な目になった。
「えっーと、モニアちゃんだよね?」
「あ、はい。そうです。」
自分に関する記憶があるが、それ以外はまったく記憶にない。
必死に二人に関する記憶をたどってく。
「そうか、僕はイーサリス。モニアちゃんの父だよ。」
「私はナターシャ。モニアの母よ。」
二人は覚悟したように顔を見合わせて自己紹介してくれる。
えっーと、イーサリスさんと、ナターシャさんか。
「って、ええ!?二人が私の両親ですか!?」
「うん、そういうことだよ。」
そんな真実を飲み込めなくて、私は眉間に皺を寄せた。
するとそこに、医師がやってきた。
「あのー、今モニアレアさんの検査が終わったのですがね、モニアレアさんはこの事故で記憶を失ってますね。」
医師から言われた事を頭で整理していく。
つまり私は記憶喪失と言うことらしい。
「全部の記憶を無くしているのではなく、人に関する出来事だけ忘れていますね。お勉強等には影響はありませんので。」
「分かりました。」
その後も、記憶に関する事を両親にたくさん聞かれた。
自分が何歳かも分かったし、貴族院に入っている事も、そこで勉強した事も覚えていた。
だけど、貴族院にどんな人が居たかと言うと、それは思い出せなかった。
「ねぇ、お、お母さん私はどうしてこんな事になったの?溺れた事は覚えてるんだけど、その前が思い出せなくて。」
「あぁ、その事はお母さん達も分からないの。溺れたという事は知らされたんだけど。」
こんな話をしていると、あっという間に就寝の時間になった。
両親と別れて寝ることにした。
今日は色んな事が起き過ぎたな。
1ヶ月に3回程度更新出来る様に頑張ります。