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魔法少女になれたなら  作者: M・A・J・O
第一章 少女たちの願い(後編)

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第93話 戦いから得るもの

「じゃあ早速、続きをしようか」

「ほぇ!?」


 唐突に美波が言い放った言葉に、結衣は変な声を出す。

 結衣はもう、これで一件落着だと思っていた。

 だが、美波は違うようだ。


「あー……まあ、悪いけど付き合ってあげてほしいですにゃ。美波おねーさん、勝敗がつかないとムズムズするらしいんですにゃ」


 夏音は結衣に、申し訳なさそうに言う。

 仕方ない。付き合ってやるか。

 結衣は半ば諦めたようにそう思い、頭をかいた。


「わかったよ。それで気が済むのなら」

「ありがとー! じゃ、遠慮なく」

「――へ?」


 美波がニッコリと笑って言った直後。美波が結衣の目の前から消失した。

 まるで、最初からそこにいなかったかのように消えた。


「え!? ちょ……! どこ行っ――」


 瞬間。

 結衣の後ろに生えていた木々が二〜三本ほど折れ、結衣に襲いかかる。

 結衣はそれを見て、咄嗟にガーネットを掴む。


「――防壁(バリア)!」


 結衣は変身し、ドーム状の防御魔法を張る。

 だが木々が重いせいか、防壁に早々に亀裂が奔る。


「ぐっ……!」


 結衣は耐えられなくなり、別の詠唱を紡ぐ。


「――増幅(ブースト)!」


 物理限界を超えるようなスピードが出る。

 そんなスピードを利用して、結衣は木々が襲いかかってきた方とは逆方向に跳ぶ。

 結衣は間一髪で、木々の襲撃を免れた。


「はぁ……はぁ……な、なんなの……?」


 肩で息をしながら、結衣は考えを巡らせる。

 消えた少女。襲いかかってきた木々。

 少し考えたらわかるはずだ。


「結衣様! 危ない!」

「――へあ?」


 考える間も与えてくれないのだろうか。

 結衣は内心舌打ちして、無数の葉や木の枝を飛び回りながらかわす。

 だが、さすがに全部は防ぎきれず、結衣の腕や脚に傷がつく。


「――治癒(リフレッシュ)


 しかし、結衣はすかさず治癒魔法をかける。

 そして地面に降り立ち、息を整える。

 その時。


「ストップ! ですにゃ!」


 唐突に、夏音の声が響いた。

 結衣は夏音の声に振り返り、夏音の方を見やる。

 結衣の視線の先には、満足そうに微笑む夏音の姿があった。


「え、なんで笑ってるの……?」


 結衣が不思議そうに問うと、夏音は。


「だって、美波おねーさんが生き生きしているからですにゃ」

「え……?」


 無邪気な笑顔で答える。

 結衣には夏音が何を言っているのかわからなかった。

 だが――


「はぁー……スッキリしたぁ……付き合わせちゃって悪かったね」


 それを聞く間もなく、美波が結衣たちの輪に入る。

 美波も笑顔で、満足そうに言った。

 みんな美波の様子を見て、結衣は少し戸惑いがちに言う。


「あ、いや……別に構わないけど……」

「……不意打ちを仕掛けたのに、あんなに効かないとは。正直恐れ入ったよ」

「え……? じゃあ、もしかして――」


 と、結衣の言葉を肯定するように美波が頷く。


「そう。僕は姿を消して木を利用した。だけど……あそこまで対応されちゃあね。僕の負けを認めるしかないじゃないか」


 この人は、何を言っているのだろう。

 あのまま続けていれば長期戦になり、精神的にも体力的にもキツくなって、結衣が負けていたかもしれないのに。


 結衣はそう思うが、美波はスッキリしたような表情を浮かべている。

 なので、結衣は何も言わないことにした。


 ☆ ☆ ☆


 ちょうど結衣と美波が仲良くなりかけた頃。

 また新たな――小さな少女が、ガーネットを求めて歩き出す。


「う〜ん……ほんまにここでええんやろか……」


 その事に結衣は当然、気付くことはなかった。


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