表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女になれたなら  作者: M・A・J・O
第一章 少女たちの願い(前編)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/261

第69話 過去を思い出す

 最初は純粋な寂しさだった。


「ママー! パパー! 遊ぼーにゃ!」


 夏音がそう呼びかけても、


「ごめんね……ママ達忙しいのよ……」

「ごめんな、夏音……遊んでやれなくて……」


 ママとパパは、とても悲しそうに夏音を見つめ返す。


 それだけしか、してくれない。

 それでも、夏音は一応は理解していた。ママ達が忙しいことを。


 だけど、夏音が六歳になった時、事件は起きる。


 夜九時、夏音は目が覚めてトイレに向かっていた。

 その時、途中にある部屋から光が漏れていることに気付く。


 ママとパパはまだ起きているらしい。

 ……少しだけでも話がしたい。


 そう思って、夏音は部屋に入ろうとする。

 だが、すぐさま空気がいつもと違うことを感じ取った。

 だから部屋には入らず、部屋の中からは見られない場所に移動する。


「何だろう……何か、ヘンな感じがするにゃ……」


 夏音はポツリと零す。

 当時の夏音はそうとしか言えなかった。


 今でも、その感じがどういう言葉で表されるのかはわからないが。


「――どう思う?」

「っ……!」


 いつもは聞いていて心地よく、安心出来る声。

 だが、今日は何故か恐怖が襲った。


「どうもこうも……オレたちじゃどうしようも……」

「そうよね……」


 ――何の話を、しているんだろう……


 夏音は自分の存在を悟られまいと、必死に隠れているしかない。

 自分でも、何をしているのかわからない。


 だけど、夏音の勘が『警告』という名のアラームを鳴らしていた。


()()()を……育てられないわよ……」

「あぁ……オレたちじゃ無理だ……誰かに預けるしか――」


 ――…………


 夏音は自分がトイレに向かっていたことを忘れ、寝室に戻る。

 その頬に、大量の涙を乗せて。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ