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魔法少女になれたなら  作者: M・A・J・O
第一章 少女たちの願い(前編)
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第6話 初戦闘!

 翌日。本当についてくるらしいステッキを、結衣は乱暴にランドセルに詰め込んだ。

 そして、なんとか他の人にバレないように気を付ける。

 だが、ランドセル越しにステッキが暴れているような振動を感じて吐き気を催す。


 それでもなんとか学校に辿り着いた結衣は、眼前の光景に唖然としていた。

 人がたくさん倒れ込んでいるグラウンドの真ん中にひとり佇むその人は、異様な気配を漂わせていたから。


「ね、ねぇ……あれって――」

「ええ、私を狙っているうちの一人でしょう」


 ランドセルに詰め込んでいたはずのステッキが、いつの間にか結衣の隣に浮いていた。

 結衣はそれに一瞬驚いたが、それに構っている余裕はない。


「て、ていうかあの人……獣耳付けてる!?」


 異様な、どす黒い雰囲気を放っているその人は、頭の上にリアルすぎる猫耳を付けていた。

 ピクピクッと、音を拾うようにして耳が動いているから、おもちゃではないだろう。


「あれ? 結衣様以外にも強く願いを望む人には力が与えられている仕様になってるって言いませんでしたっけ?」

「そんなの聞いてないけどぉ!?」


 それなら、魔法少女のなんたるかをまだ理解していない結衣はとても不利なのでは……

 そんなことを結衣が考えていると、ステッキが真剣な声で言う。


「では戦いながら説明しますかねぇ……あいにくあちらは殺る気満々のようですし……」

「へ?」


 結衣は目線を移し、猫耳の人に視線を向けると。

 その人は弓を引き、結衣に照準を合わせているようだった。


「ひっ……きゃああああ!?」

「くっ……結衣様!」


 咄嗟にステッキを掴み、変身した結衣。

 そして勢いよく、飛んだ。


「え、な、なにこれ!? 私っ、飛べた!?」

「魔法少女というのは得てしてそういうものでしょう」

「そ、そうかもしれないけど……」


 結衣はまだ、魔法の使い方も、どう戦えばいいかも何も分からない。

 だけど、このステッキと一緒なら、なんだって出来る気がした。


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