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魔法少女になれたなら  作者: M・A・J・O
第一章 少女たちの願い(前編)
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第49話 みんなで行こう!

「お母さんが懸賞で応募したやつが当たったんだけど、皆で一緒に行かない?」


 結衣は唐突に目を輝かせながら、みんなにそう問いかけた。

 みんなと言うのは――


「私……行きた……い!」


 声からでは感情が読み取れないが、明らかにソワソワしている様子の真菜。

 彼女は変身時、猫耳と猫の尻尾を付けていて、狩人の姿をしている。武器は弓矢。


 戦闘時は狂乱に陥り、手が付けられないこともあった。

 だが、今はそんな面影は何処にもなく、ただの可愛い――結衣と同い年の少女がいるだけだ。


「まあ、私は旅行なんて今更だけど? 一緒に行ってあげてもいいわよ?」


 その言葉は少し上から目線に聴こえるが、本当は誘って貰えて嬉しいとでも思っていそうな顔のせーちゃん。


 彼女は変身時、特に変わりはないが、スラッと細く長い脚を見せ付けるように茶色のタイツを穿いていて、ちょっとだけ艶かしさが伝わってくる。


 武器は魔法を無効化することの出来る菱形の何か。その武器が何なのか、せーちゃん自身もよく分かっていないようだった。


「私は結衣ちゃんと一緒に居られるのならどこでもいいですよ?」


 柔らかく優しい声色で、朗らかな笑顔を浮かべる緋依さん。

 彼女は変身時、天使の姿になる。空色の淡い翼と、明らかに人外であると語る茶色の長い耳を持つ。


 武器は焔の光。この世の全てを灼き尽くすことの出来る光だと言う。

 ガーネットが関わりたくないと言っていたのは、この光の真の力が凄いかららしい。


 そう、彼女たちが結衣の友達。戦って出来た絆は固い。

 彼女らに加え、結衣と一緒に戦ってくれるものがいる。


「いいですねぇ。もちろん私もお供させていただきますよぉ?」


 それは、上機嫌に声を躍らせる魔法のステッキ――ガーネットだ。

 ガーネットは、魔法のステッキだ。以上。


「なんかすごく理不尽な扱われ方をされた気がするんですけどぉ!?」


 ガーネットの抗議の声を華麗にスルーし、本題に戻るとしよう。


 結衣たちはこれから、温泉に出掛けるのだ!

 結衣のお母さんの運の良さは憧れるレベルである。

 見事『温泉、六名様ご招待券』が当たり、「折角だから友達も誘ったら?」 と結衣が言われ、今に至るというわけだ。


 何故六名様なのかと言うと、親戚の人も誘おうと考えてのことらしかったのだが。

 親戚の人たちは皆忙しいらしく、温泉に行く日は空いていないと言っていたのだ。


 だから真菜たちを誘うことになったわけだが、結衣はすごくわくわくしていた。

 みんなでお出かけするのはこれが初めてで、結衣は自分の胸が躍っているのがわかる。


 期待に胸を膨らませながら、その時を待った。


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