表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女になれたなら  作者: M・A・J・O
第一章 少女たちの願い(前編)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/261

第35話 人の少なさ

 人は――愚かだ。穢れている。

 そんなものに関わるなんて言語道断。視ることすら嫌気がさす。


 ――綺麗な世界を創りたい。

 ――人類種の根絶を目指している。


 ――神も、それを望まれているに違いない。


 ☆ ☆ ☆


「ねぇ……やっぱりあの光気になるよ。あの光が出た場所に行ってみない?」

「えー、やですよぉ。それに結衣様は学校があるじゃないですかぁ」

「それもそうだけど……」


 結衣はあの時の謎の光が気になって仕方なかった。

 あの時からずっと嫌な予感がして止まない。


 いつも通り、平和な通学路を歩く。

 だが、少し違和感があった。

 いつも以上に静かすぎるというか――


 桜の並木道でよく出会う――犬と散歩しているおじさんも。

 いつも公園でラジオ体操をしているお年寄りたちも。

 結衣と同じ学校の生徒たちも。

 誰ともすれ違うことなく学校に到着してしまった。


 ――これは、どういうことだ?


 いつもは穏やかな学校が、禍々しいオーラを放っているように視えた。

 ――嫌な汗が、結衣の頬を伝う。


 一歩踏み出し、学校の敷地内へと入ると。

 不穏なオーラが満遍なく塗りたくられているような錯覚に陥った。


 どんよりとした重い空気の中。

 なんとか身体を引き摺って校内へ辿り着くと、下駄箱に靴を仕舞っている真菜の姿が視えた。


「真菜ちゃん!」

「……え? 結、衣……?」


 結衣に声をかけられ、真菜は酷く驚いた様子で振り返る。


「なんか学校変じゃない? これ絶対おかしいって」


 結衣が周りをキョロキョロ見回しながらそう言うと。

 真菜は何かを言おうとしていたが、そっぽを向いて学校の中へ消えていった。


「え……どうしたんだろ……」


 結衣の独り言は、風に乗って静かに響く。


「やはり真菜様も気付いているようですねぇ」

「わぁ!? 急に後ろから声出さないでよ……!」


 ランドセルに仕舞っていたガーネットが、またもやいつの間にか結衣の隣を漂っていた。

 そんなガーネットが急に声を発したため、結衣は心臓が止まりそうになる。


「え、なんですか……人をお化けみたいに」

「少なくても人ではないよね……!」


 結衣は産まれたての子鹿のように、脚と声を震わせて抗議した。

 だがそれに気を留めてないのか、ガーネットは意味深な発言をする。


「このままだと……世界が滅びるかもしれませんね」


 ――…………


「……は?」


 間抜けな声が結衣から発せられる。

 ――世界が滅びる? 何の話だ?


「すみません、結衣様。結衣様は正しいです」

「え? な、なんの話??」


 疑問が結衣の脳内の大半を占めた。

 結衣には、ガーネットが何を言っているのかわからない。

 そんな結衣に目もくれず、ガーネットは続ける。


「結衣様は……本当に正しい。だからこそ――危なっかしいです」

「は? え? だから……何??」


 ガーネットの一方的な話に着いていけず、結衣は困惑していた。

 もはや結衣のことなど眼中に無いのか、ガーネットは衝撃的な言葉を放つ。


「結衣様は、それを直さないと――早いうちに死んでしまいますよ?」


 ガーネットは言うだけ言って、あとは沈黙が続く。

 そしてまた、いつの間にかガーネットは消えていた。

 結衣には何がなにやらという顔で、考えることをやめたかったが……


「なに……? 私が――死ぬ?」


 それだけはどうしても気になってしまい、結衣はガーネットの言葉に一日中悩まされることになった。

 人が少ないことが――気にならなくなってしまったほどに。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ