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魔法少女になれたなら  作者: M・A・J・O
第一章 少女たちの願い(前編)

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第26話 何度だって救ってみせる!

「――……結衣! 結衣っ!」


 せーちゃんの震え声が聴こえ、せーちゃんの涙の粒が結衣の顔に当たる。

 結衣はその感触で目を覚まし、重い身体を無理矢理起こした。


「あ……そっか。負けた……んだ……」


 そばにいるはずの――いなくてはならないものの姿が見当たらない。

 変身は解除され、結衣の身体は普段着を纏っている。


 ――そこから何となく、状況判断が出来た。

 したくないのに、無理矢理現実を思い知らされる。


「……とりあえず、ここから移動しましょう。ここじゃ――危険よ」

「うん、ごめんね……」


 せーちゃんが涙を流しながら必死で、自分に言い聞かせるように言う。

 結衣はそんなせーちゃんに、「大丈夫だよ」と言える余裕はない。


 ガーネットが――奪われてしまった。

 そんな現実から逃げるように、結衣たちは真菜の住んでいる森を後にした。


 ☆ ☆ ☆


 ――そこから会話はなく、二人で俯きながら歩いていた。

 ガーネットを失った喪失感は大きく、地面が遠く感じる。


 あのうるさくてうざったらしいステッキも。

 いざ居なくなると寂しいような、寂しくないような……

 わけのわからない感情が一気に押し寄せてくる。


「ねぇ、あの……」


 せーちゃんがおもむろに口を開く。

 せーちゃんも何だか疲れ切っていて、もう休みたいだろうに、結衣を元気づけようとしているのが伝わってきた。

 なので、無下にもできない。


「……なに?」

「実は、真菜のことなんだけど、あの子……結衣を仕留めた時、泣いてたのよね……『ごめんね、本当に……ごめんね……』って。だからあたしも身動き出来ずにいて……そしたら、突然ガーネットを奪ってどっかに消えちゃって……」

「そ、そう……なんだ……そっか……」


 結衣は、その言葉を聴いて――安堵した。

 薄く笑った結衣をどう思ったのか、せーちゃんは一層不安そうな顔を浮かべる。


「大丈夫、大丈夫だよ。せーちゃん。あの子は……多分――」


 今度は、ちゃんと「大丈夫」だと伝えられた。

 これなら問題は無い。

 結衣は一層笑みを浮かべ。


「待ってろ。ガーネット、真菜ちゃん。絶対――二人とも救ってみせる!」


 そう、強い意志を宿す瞳で――断言した。


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