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魔法少女になれたなら  作者: M・A・J・O
第一章 少女たちの願い(前編)

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第25話 戦いというにはあまりに……

 そして、再び人気のない森に降り立った。


「……こんな短時間、で……戻ってくる……とは、ね。一度……逃げた……くせに」

「あははぁ。私もそう思ってるんですけどねぇ」

「あなたはどっちの味方なの……」


 猫耳の狩人の少女は皮肉げに。

 ガーネットはそれに呼応するように。

 結衣は呆れながら――言う。


 だが今回そこには三人ではなく、四人の影が揺らめいていた。


「へぇ……助っ人を……呼んだ、の? 誰だか……知らない……けど、私の邪魔を……する……なら……死んでもらう……から……ね」


 禍々しい紅い眼が、一層不気味に――畏怖を伴って揺れる。

 そこまで恐怖を感じさせることが出来ることに、結衣は憧憬の念すら感じられた。

 しかし、簡単に負ける訳にはいかないのだ。

 結衣はガーネットを猫耳の少女に向けると、詠唱を紡いだ。


「全力全開!! ――大砲(バング)!」


 初っ端からぶちかまそうと、魔法で編んだ鉄砲玉のようなオーブが――猫耳の少女を目掛けて繰り出される。


「ふぅん……これ、あの時の……技……だよね? そんなの……もう対策、済み……」


 そう言うと同時。

 猫耳の少女は虚空に消え、後ろから声が響いた。


「あなたは、後ろ……からの、攻撃に……弱い。だから、残像を……残して、移動……した」

「なっ――!?」


 ――速い。いくらなんでも速すぎる。

 増幅魔法でやっと追い付けるか追い付けないかという程。

 とてもじゃないが、結衣では対応できない。

 それほどまでのスピードに、為す術なく至近距離からの矢を受けようとしていた時――


「やめて!」


 突如聴こえてきた声と同時に、何かが結衣の後ろにいた猫耳の少女目掛けて投げ出された。


「結衣を――友達を、死なせるわけにはいかない!」


 凛とした力強い声が響く。

 間一髪で死を免れた結衣は、その声の主の方を見やる。


 せーちゃんは強く鋭い眼差しで、責めるように猫耳の少女を睨んでいる。

 その手には結衣と戦った時の――魔法が効かない武器を携えていた。


 そして猫耳の少女の方を見やると。

 少女は冷や汗をかきながら、どこか虚ろな目で――せーちゃんを見据えている。

 すると突然。


 ザアアアアア。


「あ、雨!? しかも今度は土砂降り!?」


 とことん空気を読まない雨に、結衣は思わず叫んでしまった。

 すると、猫耳の少女は――見据えていたせーちゃんではなく、結衣の方に迫ってきた。


「な、なんで?? ――増幅(ブースト)!」


 困惑しながらもなんとか言葉を紡いだ結衣は。

 増幅魔法を使いながら、空中に飛んだ。


「チッ……」

「今舌打ちされたぁ!?」


 何が何だか分からず、無造作に放たれる矢を回避しようと、必死に逃げ回ることしか出来ない。


 猫耳の少女は不気味な紅い瞳で、結衣を睨み付ける。

 その眼が何故か逸らせず、じっと覗き込むように見つめ返した。

 その奥に何か、光に照らされる何かが――あるような気がして――


「結衣! 何やってるの! 止まっちゃダメ!」


 せーちゃんの凛とした声にハッと我に返り、目の前に迫り来る猫耳の少女を眼で捉える。

 その眼が――どこか、今にも泣きそうに視えた……


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