第22話 突然の奇襲
「ここが、真菜ちゃんの家……」
「なんて言うか……結構インパクトありますねぇ……」
空を飛んで辿り着いた先は、山奥にひっそりと佇む木造の一軒家だった。
所々朽ちていて薄汚れたそれは、ただならぬ雰囲気を醸し出している。
「じゃあ……いくよ!」
勇気を振り絞って一歩踏み出し、薄汚れたドアをノックした。
なるべく小さく、ノックでドアが壊れないように。
――しかしなんの反応もない。仕方なく透視魔法をかけ、中を覗く。
中は外観とは異なり、綺麗に掃除された跡が視える。
暖炉に火が灯っていることから中に誰か居るのだろうとは思うが、人の気配がしない。
――おかしい。何かがおかしい。
魔法の扱い方についてガーネットに教えてもらう前に、真菜が「家この辺なんだ〜」と言っていたことを思い出し、真菜の家を特定した。
――は良いものの、山奥に家があって結衣と同じ通学路で出会うはずがないのだ。
真菜の家がある程度分かった翌日に、確かに真菜と一緒に歩いていた。
ど、どういうこと――!?
「私の家……こことは学校を軸にすると真逆の場所にあるのに――なんで……?」
「……あーあ、気付かれ、ちゃった……か」
突如背後から響いた声にバッと振り返り、咄嗟にガーネットに強化魔法をかけて盾にする。
目の前に――いや、ガーネットに弓矢が突き刺さる。
「ひいぃ……!」
その事実に、どこからか悲鳴が上がる。
それは結衣の目の前の――この臆病ステッキによってということが分かった。
何故悲鳴を上げたのかは、イマイチ分からないが。
「ちょっと……別に悲鳴を上げるようなことでもないでしょ……」
「あはぁ。ちょっとムードを出そうかとぉ〜」
「そんな気遣いご無用だよ……」
つまり、ガーネットはこの状況を楽しんでいるらしい。
まあ、今に始まったことでもないので諦めて放っておくことにした。
結衣は改めて、弓矢を引いた者の姿を捉える。
金色に輝く艶やかな髪、それに似合わぬ血のような紅い瞳。
猫耳を携え、猫の尻尾を揺らす……その――よく見知った少女は。
「狩人っぽく奇襲ってわけ? ――真菜ちゃん」
鋭い目でそう問うと、問われた少女は紅い瞳を不気味に揺らしながら言う。
「私の、願いの……ために――死ん、で……」
そんな少女に、あの太陽のような笑みは――もうなかった。




