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魔法少女になれたなら  作者: M・A・J・O
第二章 似すぎている敵
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第169話 ついに決着……?

 天使と魔王の戦いは、熾烈を極めた。

 姿が似ているせいか力も互角で、なかなか勝負がつかない。


「……おい、どうした。息があがってるぞ」

「……そっちこそ。そろそろ諦めてもいいんじゃない?」


 ひとしきり衝突し終えたあと、ボロボロになりながら対峙している。

 元々少なかった布面積がさらに少なくなっている。

 だが、二人の闘志の光は未だ消えていない。

 そしてもう一度、今度こそ、仕留めるために。

 二人は血なまぐさい戦いを繰り広げる。


 天使は四つ羽を駆使し、魔王はマントを広げて飛ぶ。

 槍を携え、相手を穿かんとする。

 音も風も置き去りに、人間を超越した二つの種族本能だけを頼りに――殺し合う。

 相容れぬ敵同士。

 正反対で真逆な二人。

 どう考えても、和解して仲良くなれるとは思えない。


 一突き。二突き。

 二人は攻撃し合う。だが、互いの攻撃は通らない。

 相手が自分の攻撃を読んでいるようで、二人はすごく不愉快な気分になる。


「……はぁ……はぁ……」


 もはや限界だ。

 魔力消費が激しく、魔力が底をつきそうになっている。

 魔力がつきれば、もう戦えない。

 だから、こんなところで戦闘不能になるわけにはいかないのだ――!


「――っ! ああああああああぁぁぁ!!」


 槍を再び顕現させようと口を開いたものの、激しい痛みに襲われた。

 今まで感じたことの無いような激痛に、少女は悶えることしかできない。


「――ガーネット」

「はいはーい!」


 ガーネットを即座に呼んだ結衣。

 天使モードを解除し、普段のバージョンになる。

 そしてもんどりうつ少女に近づき、詠唱を紡ぐ。


「――再生(リバイバル)!」


 そう言うだけで、少女の魔力不足は改善されていく。


「……お、お前……なんで……」


 少女が驚いたように目を見張る。

 だが結衣は、『じっとしていて』と言わんばかりに少女を睨む。

 最初は驚くばかりだった少女だが、次第に素直に結衣の治療を受けることにした。


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