表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女になれたなら  作者: M・A・J・O
第二章 似すぎている敵
172/261

第166話 見慣れた光景

 なんでこんなことになったのか。

 少女は何もわからない。自分の行動も、何を思っていたのかも。


 少女は泣きそうになりながら、起きたての日が照らす空を駆け抜ける。

 蝙蝠の翼のようなマントを翻し、逃げるようにどこまでも飛んでいく。


「……はぁ……はぁ……っ」


 勢いよく飛びすぎたせいか、息があがっている。

 どこか近くで休めるところがかいかと探し、目の前にあった山のてっぺんを目指す。


「まあ、この辺でいいか」


 そう呟いて休もうとすると――


「お〜、ここからの眺めは最高ですねぇ」

「うおあっ!?」


 突如背後からかけられた声に、驚いて腰を抜かす。

 その軽快で、どこか信用できないその声は。


「“ガーネット”……なんでついてきた……?」

「ん〜、そうですねぇ……あの時話したよしみで少し心配してるだけですよぉ」


 ヘラヘラと、いまいち掴みどころのない笑みを浮かべてそうな声でそう言うガーネット。


 そのガーネットの真意を探るように見つめるも、ガーネットの真意はわからない。

 それとも、本当に心配しているだけなのか。


 普段一緒にいる結衣でさえ、ガーネットの全てを把握しきれていないのに、少女にわかるはずもなかった。


「ふーん……けど、それだけじゃないだろ?」

「……あはっ☆ バレちゃってました?」

「そりゃバレるだろ。善意100パーで行動するやつなんて見たことねーし」

「あははぁ……まあ、そうですねぇ〜……」


 少女はなぜかあったベンチに腰掛けながら。

 ガーネットは少女の前を漂いながら話す。

 何気ない会話のように見えるも、その実、無数の思惑が交錯している。

 ――が、表面上は普通に。


「――で、何の用だ?」

「あっははぁ。実はですね――」


 そう。

 殺伐な雰囲気とか関係……ない……と、思いたい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ