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魔法少女になれたなら  作者: M・A・J・O
第二章 似すぎている敵
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第150話 謎の少女と出会うのは……

『少年少女自然の家』から少し離れた山の中。

 山頂から地上を見下ろす影があった。

 その影は、頬杖をついて退屈そうにしている。


「やっぱりココにいまシタカ」

「……なんだよ、お前」


 唐突に背後から聞こえた声に、影は警戒心を強める。

 だが、カタコトな日本語を発した者は笑顔で言う。


「イヤー、ユーのことを知りたいだけデスヨ」

「お前……紺條カスミか」

「……まあ、ミーのことは当然知ってマスヨネ」


 “紺條カスミ”と呼ばれた者は、紅い眼を逸らして苦笑する。

 悪魔のような尻尾を揺らし、カスミは影に問う。


「結衣サンのこと、“憎い(ヘイト)”って思っているデショウ?」


 その問いかけに、影は琥珀色の瞳を見開く。

 影――赤毛の少女は、カスミに向かって黒い槍を投げた。

 だが、カスミは蝙蝠のような翼をはためかせて躱す。


「も〜……なんデスカ、急に!」

「何となく。ムカついたから」

「ひっどいデス!」


 カスミは冷や汗をかきながら叫ぶ。

 結構ギリギリだったらしい。

 だけど、赤毛の少女は『避けて当然だ』とでも言うように、冷めた目で見る。


「――で、用件は?」


 先程とは打って変わって、鋭い眼光をカスミに向ける。

 だが、槍をまじまじと見ていたカスミは、その声に取り合わなかった。

 槍を指でツンッと触って、「お〜」と感嘆の声をあげる。


「おい」

「アウチッ!?」


 そんなカスミにイラッとした少女が、平手打ちをお見舞いする。

 カスミは頭をさすり、涙を浮かべた。


「ん〜、もう……ユーは暴力的デスネ〜……」

「お前が人の話聞かねぇからだろ!? 何の用なんだよ!」

「え〜? 何のって言われても――“ミーはユーに協力する”って言いに来たんデスヨ」

「……は?」


 強い風が、辺りを吹き抜ける。

 それに伴って、心が強くかき乱されるような感覚を覚えるのだった。


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