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魔法少女になれたなら  作者: M・A・J・O
第一章 少女たちの願い(後編)
122/261

第122話 期待を裏切らないもの

 さすがというか、緋依は期待を裏切らなかった。

 小さい子どもでも扱いやすいようになっているのに、機体を壁にぶつけたり、他の機体にぶつかっていったりしていたのだ。


「……なんか、逆にすごいね……」

「ええ……なんと言うかもう……ぶふっ!」


 結衣はもう、逆にそこまでできる緋依に感心している。

 そして、ガーネットに至っては、笑いを堪えきれずに吹き出してしまっている。


 緋依に見られたらまずい。

 結衣はそう思い、ガーネットをリュックの奥にしまい込んだ。


「ぶぎょ!? 結衣様酷すぎませんか!?」

「ちょっとだけでいいから黙ってて!?」


 ――酷いのはどっちの方だ。

 そんな言葉は飲み込んで、気持ちを切り替える。


 緋依はベンチに腰掛け、どんよりとした重いオーラを纏っている。

 その緋依の横には、真菜が座っている。


「ほ、ほら……元気……出して? せっかく、遊園地に……来てる……のに……」


 真菜は必死に励ましているが、緋依は聞く耳を持っていないようだった。

 そんな時――


「あれ!? 夏音ちゃんがいないよ!?」


 驚愕と混乱にまみれた美波の声が響く。

 その声を拾った結衣は、慌てて周囲を見回す。


 目の前には、ひどく落ち込んでいる緋依と、それを励ます真菜。

 その横には、疲れ切った顔をしている明葉とせーちゃん。

 そして、結衣の後ろには。


「ど、どうしよう……」


 顔面蒼白になっている美波がいる。

 どこを見回しても、夏音の姿が見当たらない。


「……夏音ちゃん……」


 なんだか、雲行きが怪しくなってきた。

 結衣は不安に響く鼓動を抑え、夏音の身を案じる。


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