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貝殻ストーリー  作者: 湯巡亭 風呂美
8/22

第8貝 「数分間クッキング」

ムキムキマッチョの男性が、小さな緑色のエプロンをつけて立っていた。

その隣には、ピンクのエプロンをつけた女性。

2人とも仕事のようで、エプロンの下はスーツを着こなしている。

やがて、どこからともなく流れてくる軽快な音楽。

撮影用のテレビカメラが、作動中のランプを点灯させた。

やがて、軽快な音楽が消え、エプロン姿の男性が口を開いた。

「これから、数分間クッキングの時間だ!」

手には活きたサザエを持っている。

「先生、今日はどんなお料理ですか?」

エプロン姿の女性が笑顔で尋ねた。

「いいか!まず、このように硬い火箸でだな……。」

いつの間に手に持っていたのか、先生と呼ばれた男は、火箸でサザエの中身をとりだす。

「その貝殻どうするんですか? また、波の音でも聞くんですか?」

またか?と言う顔で、エプロン姿の女性が先生の行動を見ながら言った。

「ちがう!しっぽ部分のジャリジャリを切り開いて捨てるのだ!」

流水とペティナイフを使い、エプロン姿の男性がサザエのした処理をする。

「そろそろ残った貝殻を耳にあてて、汁たらさないといけませんよ。」

エプロン姿の女性が、近くにあった大ぶりのつぶ貝を手に取り耳にあてた。

「だめだ!つぶ貝では、波の音は聞こえん!こうするのだ!」

先生と呼ばれた男性が、手に持っていたサザエを耳にあてた。

「先生……汁たれてますよ。汚いですよ。」

「以上、数分間クッキングを終わる!」

再び軽快な音楽が流れた。


お昼ご飯を食べながら、テレビをみていた人は思った。

「なんの料理作っとるねん!」


つづく


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