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貝殻ストーリー  作者: 湯巡亭 風呂美
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第7貝 「カイガラヂョ~ンズ」

貝殻学者の冒険家カイガラヂョ~ンズは、今日もパートナーのめあり~とともに、秘宝を探す旅の途中だった。

「ヂョ~ンズ!あれ!秘宝じゃないの?」

めあり~が前方を指さした。

「何だって!あ、あれは!伝説の宝が眠ると言うゴミバコ~じゃないか!」

慌てて車を止め、ヂョ~ンズはゴミバコ~に近づいた。

ゴミバコ~の上には、縞模様の番人が眠っている。

触ってみたくなる衝動に駆られるが、触ってしまうとどうなるか?

ヂョ~ンズは、恐る恐る武器であるネコジャラシ~を取り出した。

「ん?」

「きゃ~!いい子。いい子。可愛い~!」

あの……めあり~……俺の立場は?

ネコジャラシ~をカバンに戻し、ヂョ~ンズはゴミバコ~の蓋に手をかけた。

「伝承によると……。この蓋を回して……。」

ゆっくりと蓋を回すヂョ~ンズ。

鍵はかかっていないようだが、何か罠があるかもしれない。

そっと蓋を持ち上げてみる。

もわ~んとした臭いが、周囲に漂う。

その臭いをかいで、めあり~は数歩後ずさりした。

番人もにゃ~!と一声鳴いた後、どこかへ消えてしまった。

ゴミバコ~の蓋を外した後、臭いに耐えながら、ヂョ~ンズは中身を確認した。

ゴミバコ~は、半分ほどドロッとしたものや骨のようなもので満たされており、一番上に伝説の秘宝サザエ~とツブガ~イが置かれていた。

「やったぞ!めあり~!サザエ~とツブガ~イだ!まずは……サザエ~からか。」

慎重にヂョ~ンズは、サザエ~を手にとり、耳にあてた。

「な、波の音が聞こえるぞ!伝承は本当だったんだ!」

喜ぶヂョ~ンズに、めあり~が半狂乱にこう叫んだ。

「ヂョ~ンズ!汁たれてるわ!汚ないわ!」

「な、なに?」

確かに汁がたれている。

ヂョ~ンズは、もう1つのツブガ~イを手に取り耳にあてた。

「だ、だめだ!こっちは大ぶりだけど、波の音は聞こえない!」

がっくしと膝をつくヂョ~ンズに、めありは泣きながら言った。

「ヂョ~ンズ!汁たれてるわ……。汚ないわ……。」


失意の二人の前に、どこからともなくやってきた屈強の男がこう言った。

「こら!ゴミ箱で遊ぶんじゃない!」


つづく


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