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貝殻ストーリー  作者: 湯巡亭 風呂美
11/22

第11貝 「手術中」

手術が始まった。

術着に着替えたドクターとオペ看が、患者と向き合っている。

だが、オペ看はどこか覚めた雰囲気だ。

「メス!」

ドクターが指示を出すが、オペ看は何もしようとしない。

「何をやっているんだ!メス!」

怒鳴るように言うが、オペ看は動かない。

面倒臭そうにため息をつきながら、こう言った。

「メスはあるんですがぁ~。」

と、患者に向かって手を伸ばす。

患者は、まだ生きているサザエのようで、ピュッと身が中に入っていった。

「な、なにをしているんだ!患者が殻の中に入ってしまったじゃないか!」

怒鳴るドクターを尻目に、オペ看はどこからともなく火柱を出し、サザエの中身を綺麗に取り出した。

「こうすれば、簡単ですよ。」

「な、な、な、なんてことを!」

ガックリとドクター膝をついた。

そんなドクターを尻目に、オペ看はサザエの貝殻を耳にあてた。

「わぁ~!波の音が聞こえる~!」

嬉しそうなオペ看に、ドクターが残念そうな口調で呟いた。

「し、汁たれてるぞ……汚いぞ。」


つづく

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