10/22
第10貝 「つぶ子とサザ江」
「あなた!あの人とどういう関係なの?」
サザ江は、妹のつぶ子に詰め寄った。
「あら?あの人とは、一緒に波の音聞いた仲よ。」
悪びれた様子もなく、つぶ子が答えた。
「きいいいいい~!なんですって?あなた大ぶりでもないくせに、もう波の音聞いたっていうの?私はまだ、波の音すら聞いてないのに!」
半狂乱にサザ江が叫んだ。
「あら?お姉様、まだ波の音聞いてなかったの?私はもう、彼とは汁たらしあう仲よ。」
勝ち誇った笑顔のつぶ子。
「な、な、なんですって?もう、汁たらしあう仲なの?なんてはしたないことを!」
青ざめた顔で、サザ江は逃げるように走り去って行った。
残されたつぶ子は、そんな姉の姿を見て、嬉しそうに笑うのだった。
「つぶ貝じゃ波の音聞こえないのにね。バカなお姉様。」
つづく




