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貝殻ストーリー  作者: 湯巡亭 風呂美
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第1貝 「海に行きたい!」

皆様は、食べ終えたサザエやアサリなどの貝殻をどのように処理していますか?

砕いて庭にまいていますか?

それとも、何もせずに捨ててしまっていますか?


いえいえ。

捨てる前に、ちょっとだけ貝殻に目を向けてみてください。

そこには、いままで見えなかったものがあるかもしれませんよ。




「お母さん!海に連れてって!」

小学生の頃の私の思い出だ。

「もう・・・忙しいから今度ね。」

母は笑って取り合ってくれない。

「せっかくの夏休みなんだよ!早くいかないと夏が終わっちゃうよ!」

私は食い下がる。しかし、母は動じない。

ふてくされてその場に座り込む。それが、小学生の私にできる唯一の抵抗だった。

「もう・・・仕方ないわね。はい。」

母が私に何かを渡そうとする。

「お母さん。これって、昨日のサザエのつぼ焼きの残りだよね。」

頬を膨らませている私に、母は笑顔で言った。

「お母さんの小さい頃はね。こうやって貝殻を耳にあてて・・・。」

母の行動を見て、私は思わずこう叫んだ。

「お母さん!汁たれてるからね!汚いからね!」

母は構わず続けた。

「わぁ~!波の音が聞こえる~!」

いつの間にか、母の服は垂れてきた醤油でベトベトになっていました。

数日後・・・。

母は私とお兄ちゃんを海に連れてきてくれました。


つづく



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