第二話:暴君椛の悪戯
評価など誤字脱字等のアドバイスがありましたら、遠慮無しに教えてもらえると助かります。
「あぁ、何か言っておけばよかったな…」
流石に無視は良くなかったかな……
「あっ、そうだ。お菓子屋さんにでも寄って帰るかな……」
こういう時は、お菓子で許しを乞うのが効果的と偉大なグー○ル大先生に載っていたから大丈夫だろう。
一応、妹の春奈のためにも余分に買っておくか。
因みに、黒髪ツインテールで、Bカップ(まな板)な小柄な小学六年生の女の子だ。
まぁ、俗に言うロリっ娘だ。
某有名お菓子屋さん(不◯家)に着きお菓子を適当に籠に突っ込んでいると、不意に後ろから声をかけられた。
「おっ、翔馬じゃないかぁ!」
そう声をかけてきたのは、幼馴染の山吹椛だった。
椛は俺と同じ高校に通う、出る所はちゃんと出てる美少女だ。
「あぁ、椛か。お前、それ以上食ったらふt――痛っ!」
最後まで言い切ろうとしたが、椛の強烈な右ストレートによって遮られてしまった。
「今、なんて言ったの?」
顔は笑っているけど目が笑ってませんよ、椛さん!
「いいや、何も、ないよ……」
何も無かったように振る舞おうとしたが、頬がズキズキと痛んで、まともに喋れたものじゃない。
多分、自分ではわからないが顔は痛さに歪めているだろう。
「そうかぁ、なんにもないかぁ!」
平和主義者を殴るとは世間様が絶対許さないぞ。
ん?籠にお菓子を2、3個しか入れていない筈なのに、心做しか少し重く感じるな。
「なぁ、ちょっといいか?」
そう声をかけると、これ以上ないくらいの笑みを浮かべ振り向いた。
「うん?何だい?」
「何でこんなにおm――「何だい?」
「何でこんn――「何だい?」
もう、いいや。感服でございます、椛さん……
「やっぱり、何もない。」
はぁ、コイツの親の顔を見てみたいもんだ……
「はぁ、とんだ出費だよ……」
財布は軽くなって、椛は重くなる。なんちゃって。
そんなアホなことを考えている僕とは対象的に、隣では我が物顔で僕が買ったお菓子をリスみたいに頬張る椛が居た。
「いやぁ、やっぱり自分で買った物が一番美味しいなぁ!」
いや、僕が買ったのものだし…
お前のじゃないし…
「はぁ…もういいや……」
いや、良くないけどさ。
これ以上、コイツと話しても時間の無駄だよな……
「じゃあね、翔馬ぁ!」
「はいはい、じゃあね…」
顔は可愛いだが、性格に大きな問題があるな……
コイツと居たら、お金と一緒に何か大切なものを失いそうな気がするな…
もういいや、取り敢えず家に帰って夜ご飯作ろうかな。
「ただいまぁ〜!」
ダダダダダッ!と階段を駆け下りてきたのは他の誰でもない妹の春奈だった。
「お兄ちゃん、遅いよぉ〜……お腹空いたぁ〜!」
「すまんすまん、すぐ作るから待っててくれ。」
そう言いながら、頭を撫でてやると目を細めて気持ち良さそうにしている。
あぁ、癒やされるぅ。
何処ぞの暴力女とは、対象的だな。
「あっ、そうだ。コレおみy――」
ナニかが春奈用に買ったお菓子を咥えてリビングに逃げた。
「は、春奈捕まえてっ!」
眼前で起こった事が飲み込めないのか、硬直した。
「ふえっ?あっ、うん、、わかった!」
リビングに入ると、もふもふの毛の四足歩行の動物がいた。
「おい、春奈もしかして……」
「タ、タロなの?」
今も尚、前手を器用に使ってお菓子を食べているのは、3日前に姿を眩ませた愛犬のタロ君だった。
「おぉ、よく今まで生きてたな……」
抱きかかえてやると、僕の頬をペロペロと舐めた。
「春奈、直ぐに作っちゃうからタロと待ってて。」
僕の声が耳に届いていないのか、タロをモフっている。
調理すること20分余り経った頃、ようやく出来上がった。
今日の献立は、クロワッサンとチーズインハンバーグとコーンスープといった洋食仕立てだ。
「わぁ〜い、ハンバーグハンバーグ!」
春奈は嬉しさのあまりに、僕に抱きついてきた。
フフッ、可愛い愛妹め!僕がニヤけているのも気にせずにギュゥっとしている。
因みに、タロには牛肉入りの犬用の高給感溢れる缶詰をあげた。
「ワンワン、ハァッハァッ!」
タロは、しっぽに左右に千切れてしまいそうな勢いで振っている。
「「いただきますっ!(ワンワン!)」」
二人と一匹の大合唱となった。
食事を終え風呂に入っていると、突然風呂のドアが、『バッ!』っと開き春奈とタロが入ってきた。
「今日は、全員でお風呂入ろっ!」
いやいやいや、アカンって。
世間的にも、人道的にもアカンって。
戸惑っている僕を気にせずに春奈は、体を洗っていった。タロくんの体も。
「入るから、ちょっとどいて!」
体を洗い終えるとなり、早々に浴槽に入ってきた。
うん、アカン。何かが切れてしまいそうな気がする。
「はぁ〜、いい湯……」
なんてオヤジ臭いことを言いながら、気持ち良さそうにしていた。タロも同じように気持ち良さそうにしていた。
「ウゥー、ウゥー」
2、3分経つとタロは風呂を出たいのか、浴槽を出て風呂のドアをカリカリと引っ掻いていた。
なんて、厚かましい奴なんだ。まぁ、そこがタロの良いところなんだけどな。
「タロの体を拭くから、上がるけど春奈は入ってていいからね。」
「うん、わかったぁ〜!」
短い言葉のキャッチボールを終え、風呂を出てタロの体を拭いてやった。
「ワンワン!」
お礼を言ったのか分からないが、僕に向かって頭を下げてから、走ってリビングの方に脱兎の如く猛スピードで走って行った。
「はぁ、なんで春奈には羞恥心が無いのだろうか……」
まぁ、家だからっていうのもあるかもしれないが、これを治さないと後々大変なことになってしまうから、無理矢理にでも治させないと。
「お兄ちゃ〜ん、見て、見て!大変だよぉ〜!」
なんだか騒がしいなと思い後ろを振り向くと、白い肌をすべて曝け出している春奈がいた。
「ブフッ!ハァ、ハァ……」
口に含んでいた、カルピスを春奈に向かって吹いてしまった。
「ねぇお兄ちゃん、ベタベタするよぉ!」
手の平と腕についた僕が出したモノを舐めていた。
「いやいや、早く服を着て来い!」
内心では、『昔と変わらずぺったんこだな(笑)』と思う自分がいた。
「はぁ、吃驚した……」
お袋と親父が、春奈を見たらなんて思うか考えただけで、恐ろしい……
「なんで、カルピス吹いたの?」
いやいや、分かるだろ。
ワザとか?ワザとなのか?
「いやいや、お前が裸だったからだよ!」
「だって……」
『だって……』じゃねぇよ!
こちとら吃驚して、心臓バックンバックン鳴ってんだぞ!
「湯冷めしちゃうから、早く服を着てきな。」
あっ、理由聞くの忘れた…
まぁ、服着てきてからで良いか。
「んで、どうしたんだ?」
タヌキの可愛い寝間着を着た春奈は何処か不安げに話し始めた。
「あ、あのさ…お兄ちゃん…」
「ん?はっきり言ってご覧?」
「だ、大事な…所から血が出てきたの……」
Oh………それは生理じゃあないか…
「お、おう……今日が初めてか?」
「えっ?う、うん…」
う〜ん、何となく気不味い状況だな。
『ピーンポーン』と、気の抜けた機械音が部屋に響いた。
「ちょっと待ってて」
そう、春奈に告げ玄関へと向かった。
誰だよ、こんな時間に訪ねてくる奴は。
今、時計の針は短い針が8を、長い針が6を指していた。
「はぁ〜い、どちら様ですか?」
扉の向こうは暗くてよく見えないが、女である証の豊満な胸だけはよく見える。
「呼ばれてないけど、ジャジャジャーン!」
「お引き取りください」
我ながら惚れ惚れするタイムで返答してやったぜ!
「ちょっと待って!椛だよ、もーみーじー!」
あっ、椛か。
だけど、今日は使えそうだな。
クックックックック……