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1ヶ月が過ぎました。

すみません。遅くなりました。

 おはようございます。保育所開所から1ヶ月以上過ぎました。


 この1ヶ月で変わった事ですが、まず最初に保育所開所の翌日に、商業ギルドから視察の為に職員が派遣されて来ました。その後、協力要請があり商業ギルド保育所がすぐに開所しました。


 そして何故か両方の保育所、ギルド職員の昼食を作る事になりました。キャンプ場の厨房が給食センター化しています。流石に3人だけでは手が足りなかったので、両ギルドに相談したところそれぞれのギルドから職員が派遣されて来ました。


 午前中に一緒に調理したあと、職員の人達がギルドまで配達してくれるので移動時間がいらなくなりました。午後は農園を手伝ったり献立を考えたり市場に行ったりして、時々ギルドにも行きますが夕方には夕食作りです。1日中料理三昧の様な気がしますが、気のせいだと思いたいです。


 カルアちゃんと2人で作っていたマフラーも無事完成して9人でお揃いのマフラーを使っています。私よりもカルアちゃんのほうが上達したのは喜んでいいのか落ち込むべきなのか悩むところです。


 編み物に目を付けた商業ギルドの職員からギルドマスターに報告があり、すぐにディーゴさんが会いに来ました。ルーベンス領内で毛糸を作っている村があるので編み物をオーステンの産業にしたいとの事。


 了承するとすぐに商業ギルド内に編み物専用の部屋が出来て、妊婦さんや乳児のいる家庭のお父さん、お母さんが集められました。向き不向きもあるので実技試験を行って合格者は編み物製作を不合格者も希望者は雑用や子守として採用されました。


 出来上がったものはすぐに行商の荷馬車で北へと運ばれて行きました。今年はマフラーのみになりそうですが、各地で徐々に売れ始めているそうです。


 そして、予想外だったのは給食ではなくお弁当の問い合わせがギルドに殺到した事です。給食は何れ知られるだろうと思っていましたが、お弁当のほうが早かったです。


 確かにお弁当を渡す時に隠れて食べてとは言わなかったしして欲しいとも思わないですが。同じ依頼を受けた他の冒険者や依頼主に目撃されて味見させろ譲ってくれ中には売ってくれと纏わり付かれて、お弁当を死守するのが大変だと何度も聞きました。


 そして、冒険者達が冒険者ギルドに泣きつき依頼主は商業ギルドに問い合わせた結果、両ギルドのサブマスが農園まで訪ねてきてお願いされました。お弁当を販売してほしいと。


 私の返事は、「無理です。」時間が足りません。何とか冒険者ギルドでサンドイッチだけでもとお願いされたので条件付きで折れてしまいました。条件とは、何れオーステンの料理人に後を引き継ぐ事。そして、食パン専用の工房を作る事です。給食の方も料理人が見付かるまでだったはずですが…。食パンもずっと私が供給するよりも現地調達出来るならその方がいいですよね。


 この件で嬉しい誤算がありました。使いみちの分からなかった翻訳が役立ちました。日本語のレシピを翻訳するとアーシア語に訳されて食材名等も現地の名前になりました。牛肉がホルスキ牛の肉、ベーキングパウダーがパウダーキングの果汁となりました。全く同じ物ではないけれど近い物が表示される様です。


 パウダーキングの木は森の浅いところに生えているので初心者向けの依頼が増やせるとアントンさんが喜び、実も果汁も美味しくないので今まで見向きもされなかった木が使いみちが出来たとディーゴさんが喜びました。


 こちらは建物から用意しているのでまだ準備中ですが始動するまでは私が作ったサンドイッチやたまにずるして印刷・コピーした物を冒険者ギルドで販売しています。数量限定しているので他の商店や食堂への影響はないと信じたいです。


 それにしても冒険者達の熱意は凄かったです。私に直接言ってくる人は何故かいなかったのですが遠くから物欲しそうに見られたり、バッグを凝視されたり匂いを嗅がれたりしました。その内、配達はギルド職員が訓練の日はマリッサさん達がいるので気にならなくなりました。


 マリッサさん達ですが最初の訓練後に農園での夕食に招待して入浴も勧めたらすっかり気に入られました。夕食は時々入浴は毎日通っていたマリッサさんですが宿屋から農園に引っ越して来ました。結界があっても子どもだけなので不安がありました。大人が一緒に住んでくれる事になったので良かったのかな。


 マリッサさんとクリムさんは恋人同士で婚約中です。サンクさんの婚約者は故郷の村に居ます。マリッサさんの従姉妹で4人共幼馴染みだそうです。お金を貯めて冒険者を引退したら婚約者を迎えに行って結婚するそうです。


 4人用バンガローと6人用バンガローを設置しました。部屋割りは3人で相談してもらいましょう。



 この1ヶ月の間に料理と印刷・コピーのレベルが上がりました。1日5回の印刷が10回になり、一度でもコピーしたものは何度でも繰り返しコピー出来る様になりました。要は2回目からは原本がいらないってことですね。




 そして、今日は


「カレーライスの日です!」


 素材そのものの味や塩味のみの味に慣れている人達に、カレーはハードルが高いだろうと思ったので徐々に慣れてもらおう作戦を決行しました。お肉のソテーのカレー味。野菜炒めカレー味。カレーコロッケ。ドライカレー等……。そして今日やっとカレーライスを作ります。


「サーヤお姉ちゃん。大丈夫ですか?」


 おっと思わず涙ぐんでいたようです。カルアちゃんに心配されました。


「カルアちゃん。大丈夫です。嬉し涙が出て来ただけです。」


「サーヤがおかしいのはいつものことでしょう。気にしたら駄目よ。」


 この1ヶ月以上の日々で、ナージちゃんの中での私の評価は残念な子になってしまったようです。そんなに変な事したかなぁ。(本人に自覚なし)みんなで美味しいものを食べてただけなのに。くすんっ。


 保育所の子ども達は2歳から9歳。農園メンバーは8歳から15歳。あとは大人達です。お子様用カレーと甘口、中辛を用意します。


 スパイスを配合して作れたらいいんでしょうが、いつも市販のカレールーにお世話になっていたのでいつもと同じにします。


 調理手順も最初に肉を炒めるのではなくて、野菜と水を入れて鍋を火にかけます。沸騰したら肉を入れて灰汁を取り除きながら煮込みます。手抜き時短ですが祖母がこの手順で作っていたので私はこれが正しい調理法だと思っていました。学校の調理実習で初めて違うと気付いてびっくりしました。



 とろみを付けるためにじゃが芋はあえて小さく切って煮崩れるようにしているので、火が通るのも早いです。肉と野菜に火が通ったらルーを入れて少し待ってから混ぜます。最後に牛乳を少し入れて混ぜたら完成です。


 祖母は甘口と中辛を半々に入れていました。最後に牛乳を入れるとまろやかになって舌先で感じるピリッとした辛味が和らぐ気がします。甘口好きの祖父と辛いのが好きな祖母と私の間での妥協案です。


 今回は、甘口にはアプルの摩り下ろしも加えます。カレーのお供の福神漬は希望者のみにしてボールに入れておきます。あとはサラダを付けてデザートのヨーグルトは大きな鍋にまとめて入れるので配膳時によそってもらえばいいかな。アイテムボックスから中身だけ鍋に移しておきましょう。


 炊飯器が足りなかったので昨夜炊いたご飯はお櫃に入れてアイテムボックスに入れています。調理が終わったので配達用のアイテムバッグに入れておきましょう。



 今日は月の日なので冒険者ギルドの保育所で一緒に昼食を食べて午後から訓練です。紅蓮の風のメンバーは毎回依頼を受けるために専属契約までしました。通常依頼の上乗せ分は昼食とおやつです。週1回の訓練のみなのでマリッサさんの希望をサンクさんとクリムさんも苦笑しながらも了承していました。


 他の人は保育所に子どもを預けている人達の中でローテーションが出来ていました。



「「「「「「「「いただきます。」」」」」」」」



 私は子どもの中でただ1人中辛を食べています。辛口でも平気なのですが他の人は無理だと思うので自重します。久しぶりのカレーライスは懐かしい味がしました。


 食べながら涙が溢れてきました。泣きながら食べる私を辛いのに無理して食べていると勘違いしてくれて、何も聞かれる事なく完食しました。


 今日の印刷


 ·お子様用カレーのルー


 ·カレールー甘口


 ·カレールー中辛


 ·福神漬


 ·加糖ヨーグルト 他








設定では12月頃です。季節がずれていますがスルーでお願いします。(-.-;)

ありがとうございました。

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