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 里桜の家で蓮君とニンテンドー○イッチをプレイする私。

今は蓮君とマ○オカートで対戦している。

ふふふ、舐めるなよ小僧! 私はゲーム○ューブからプレイしてるんだ!

兄貴と一緒に鍛えた私のテクニックを見よ!


「ぁ、晶姉ちゃんごめん、バナナいきまーす」


「え?! ちょ、君ぃ! 年上を滑らせるとは何という事を!」


あばばばば! 不味い! この子バナナを使いこなしてやがる……!

まだだ、まだ終わらんよ!


 蓮君と夢中になってプレイしている私。

予想外の上手さだ……この子、やりおる……。

その時、隣りの部屋から春日さんが戻ってきた。


「蓮ー、そろそろ宿題やりなさい。晶ちゃんに教えてもらいなー」


むむ、そうか、かれこれ二時間くらいゲームしてるしな。

私も昔はゲームは一時間までって決められてたし……。


「……はーい……」


しかし蓮君は予想道りゲームに集中している!

私がわざとコースアウトしてもお構いなしだ。むむ、ママの言う事聞かないと……


「晶ちゃん、寝起きの涼ちゃんが蓮にした事は……」


「宿題やらないと!」


春日さんが寝起きの涼ちゃんの話を出した瞬間、蓮君は手際よくゲームを終わらせた!

そのままランドセルから算数ドリルを出して机に向かいだす。


ヤヴァイ……ここまで来ると寝起きの涼ちゃんが蓮君に何をしたのか凄い気になる……。

しかし蓮君は聞かれまいと必死だ。無理に聞くのは可哀想だし……でも気になる。


「じゃあ晶ちゃん、蓮の事まかせっきりでゴメンね、今度埋め合わせするから……」


「いや、構わないですよ。春日さんは私の妻だし……」


うむぅ、妻の子供の面倒を見るのは当たり前の事よ! と快諾する私。

そのまま春日さんは「じゃあよろしく~」と再び隣りの部屋へ。


 さて、所で里桜は何をしているのかと言うと……。


「うっわ、この男、クリスマスに合コン開催しようとか言い出しやがった……ムリムリ……」


相変わらずスマホをポチりながら合コンのセッティングをしていた。

クリスマスに合コンか。雰囲気で持っていこうとしてるのかしら。怖いわ。


「ねえ晶、クリスマスパーティーなんだけど、25日で良いよね? 大学終わったら速攻でウチ来る感じで」


「え? まあいいけど……何人くるんだっけ。私に里桜に……琴音さんに拓也に春日さんに……」


「いやいや、五十人は来るわよ。親父殿の知り合いの官僚とか……その息子とかも来るから。紹介しようか?」


な、なにそれ! 聞いてない……私はてっきり友達同士でやるパーティーだと……。

もしかして本格的なパーティーなのか?!


「何を持って本格的かどうか知らないけど……まあ、とりあえずそんな感じよ。私もドレス着せられるし……アンタも着る?」


ドレス? えー、正直めんどくせえ……。

私はむしろ燕尾服とかタキシードとかの方が……勿論メンズの……。


「あんたねぇ……男装する気? 私はまだ根に持ってるからね……あの時騙された事……」


ねちっこいな、チミは。いや、まあ……私が悪いんだろうけど……。


しかしドレスかぁ。そういうのは拓也に着せてやりたいなぁ。


「……拓也君? ぁ、そうか……それもアリね」


うぉい! 私の男装渋ったくせに! なんで拓也は良いんだ! 差別だ!


「いやだって、可愛かったし……。まあ私は初見で拓也君って分かったけども……」


嘘つけ……! 私の男装すら見破れなかった貴様が何を言う! 拓也の女装は完璧だったんだ!


「あのねぇ、あんたと一緒に奥に引っ込んで拓也君だけいつまで経っても姿が見えなかったら疑るに決まってるじゃない。しかも拓也君の化粧だって荒かったし……」


むむ、荒い? 私は全然そんな気はしなかったが……。


「常にスッピンのアンタは分からなくて当然よ。ぁ、そうだ……当日、真澄さんにお願いして拓也君を変身させてみるのも楽しそうね……グヘヘヘ」


なんか悪い笑顔になってるゾ、里桜たん。

拓也は私の大切な友人なんだ! あまり虐めないでもらおうか!


「そんな事言って……アンタも興味深々なんでしょ? 大丈夫よ、拓也君が嫌だって言ったらやらないし……ぁ、そうだ。アンタちょっと今聞いてみてよ。電話知ってるでしょ?」


知ってるけど……。

今かぁ、もうお昼過ぎてるし起きてると思うけど……何してんだろ。

ちょっとLUNEで聞いてみるか。


 スマホを出し、LUNEを起動。

そのまま拓也に話しかける私。


『おはー、今度のクリスマス会の事なんだけど、拓也ドレス着たい?』


数秒後、拓也から返信が。むむ、早いな。


『ドレス! 着たいです! ぜひよろしくお願いします!』


なんか凄いノリノリなんだけども、拓也君。

あかん、このままでは拓也が里桜の玩具になってしまう!


「どう? 拓也君なんて?」


LUNEの画面を切り、私は里桜へと……


「無理だってさ。やっぱり人が一杯いると恥ずかしいみたい」


大ウソつく事にした。

拓也の為なんだ……! 

可愛い私の拓也……他の連中に傷でもつけられたらどうする。


私の……


私の大切な友人を……


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