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1-11 料亭での揉め事~始まりの街レイナーダで~

 僕が魔法を使うと何故か店の中にいた人たちはかなり驚いた様子でこちらを見ていた。


 「そんなに魔法が珍しいんですかね?」


 そう聞くと、アホ毛のおねえさんが、


 「それは当たり前でしょ!?魔法の技能を習得するのには魔法技能を持った人に弟子入りをしなきゃいけないし、それにお金もかかるから貴族なんかじゃないと使えないのよ!もしかして君は貴族だったりするの?」


 へ~そうなんだ。


 「別に僕は貴族ではありませんよ。祖父が貴族だったらしいですけどね。よくは知らないんですよ。」


 口からでまかせで嘘を言っておくことにしよう。


 「へ~おじいちゃんが貴族だったんだ。でも、じゃあなんで魔法が使えるの?」


 ん?どう答えるのが正しいかな?・・・


 「え~っと、生まれつきですかね?」


 そう言うと、


 「「「「生まれつき!?」」」」


 店の中にいる人たちが全員また驚いていた。


 「え?生まれつきで技能を覚えてる人っていないんですか?」


 「いや、いるに入るんだけどね。」


 「いるのになぜそんなに驚くんですか?」


 前例があるなら驚かなくても・・・


 「魔法技能を持って生まれてくるのは、滅多にいないからね。少なくとも私たちは聞いたことがないよ。」


 ・・・・ヤバイかな?選択肢を間違えたらしいな。


 「ま、まあここにいるんですし多分ほかにもいますよ。」


 「うん。そうかもしれないね。」


 ・・・・静まり返ってるな・・・・。


 「それよりも私としては聞きたいことがあったんですけど~」

 

 そう一人の店員のおねえさんが言ってきた。・・・なんだろう?


 「魔法技能が使えるのは分かりましたけど~、なんであなたが街に入って来れたんですか?きた時に警鐘が鳴ってたんですよね~?普通は外から入ることはできないと思うんですけど~。もしかして警鐘の鳴っていた理由を知ってるんじゃないですか~?」


 !?このおねえさん、のほほんとした雰囲気なのになかなかするどいな。


 「あぁ。知っていますよ。」


 そう僕が言うと店の中の視線が僕に集中するのがわかった。・・はぁ~・・・めんどくさいな。まぁいいか。兵士に聞けば分かることだし。


 「警鐘が鳴ってたのは、僕がこの街に来たからですよ。」


 「「「???」」」


 みんななんでっていう顔をしていた。


 「なんで君みたいな女の子が一人来ただけで警鐘が鳴るんだい?」


 そりゃそうだよな~・・・


 「僕は召喚・使役術の技能も持っているんですよ。その技能で呼んだ使い魔に乗ってきたらちょっと驚かれてしまって。」


 「「「「!?!?」」」」


 多分驚いてるんだろうな~


 「えっ?でも、その技能を使えたとしても、使い魔なんでしょ?なんで警鐘を鳴らされたの?それほどの使い魔だったの?」


 どうやら僕が技能を持っていることに驚きながらも、使い魔に乗ってきただけで警鐘が鳴らされるとは思わなかったらしい。


 「え~と。そのですね。僕の使い魔がAランクの魔獣だったのが問題でして。」


 「「「Aランク!?」」」


 あ~。ほらな。みんなこういう反応するんだな~


 「え?Aランクって言ったら超危険な魔獣じゃない!熟練の冒険者たちが何人も集まってようやく倒せるような!ホントにあなたがそんな魔獣を使い魔にしてるの!?」


 「はい。僕はAランク魔獣のフェンリルを使い魔にしていて、それに乗ってきたので警鐘が鳴っていたんですよ。門の前で兵士の方々を説得するのには苦労しましたよ。」


 ・・・・・


 どうやらフェンリルという魔獣はそれなりに有名な魔獣だったらしいな。みんなあいた口がふさがらないって感じだな。


 そうしたら、いきなり話を聞いていたおっさんが笑いなら話しかけてきた。


 「ふっw。お前みたいな小娘がフェンリルを従えてるだと?笑わせてくれるなwwこのDランク冒険者である俺の前でよくもまあそんな嘘がつけるものだな!」


 へ~Dランクか。ある程度はできるんだろうな~


 「べつに嘘なんかついてないですけどね?嘘だと思うなら勝手に思っていればいいじゃないですか。」


 そう言うと怒ったのか自称Dランクのおっさんが剣を持って近づいてきた。


 「小娘が俺のことを馬鹿にしてるのか?あぁ?どうなんだ!」


 「そうですね。馬鹿にされたので、馬鹿にしたんですよ。力の差もわからないようなおバカさんw」


 そう言ったら剣を抜いて、


 「ふざけるなこの俺がお前みたいな小娘より弱いというのか!力の差を見せてやる!死ね!!!」


 そう言って剣を振り下ろしてきた。


 ・・・遅いな。


 僕は一瞬で短剣を抜き、おっさんの剣を避けると、飛び上がっておっさんの頭に体ごとぶつかって、おっさんの上にマウントポジションになり喉元に短剣を突きつけてやった。


 「ふっwどこの世界にGランクの小娘に負けるDランクがいるんだよ?あぁ。悪いなここにいたなwDランク(笑)www」


 周りに居た人たちも一瞬で僕がDランク(笑)に勝っているのをみて驚いていた。


 「せっかく飯を食いに来たってのに、てめえのせいで店に迷惑をかけちまったじゃねえか。」


 そう言って喉元に短剣をくい込ませると、


 「すまん。悪かった。俺が悪かった!だから殺さないでくれぇぇぇ!」


 っち。うぜえな。まあ血を洗うのもめんどいしな。

 

 「しょうがねえな。有り金全部置いてさっさと店から出て行け。それで許してやんよ。」


 そう言っておっさんから離れると、金の入った袋を置いて店から走って出て行ってしまった。


 「ふ~ん。1000カイン程度しか入ってねえのか。しけてんな。」


 「君強いんだね。おねえさん達驚いちゃったよ。」


 「ごめんね。驚かせて。それよりもご飯はまだなのかい?」


 「あぁ!今すぐ持ってくるよ。」


 そう言って出されたシチューと黒パンを食べて、静まり返った料亭を僕は後にした。


 ちなみに値段は200カインだったのでおっさんの金をそのまま全部おいてきた。


 とりあえず飯も食べたし森に戻るとするか。


 


 そうして門を出て草原を3キロ程度歩いたところでワープを使い、森に戻った。


 


 森に帰って見るとアウルはまだ帰っていなかった。


 「アウルが来るまでご飯の準備でもするかな?」


 そう考えた僕は薪を集め、火をつけて、鍋を取り出して水を入れて火にかけた。


 「ん~。アウルが帰ってこないと何を作るか迷うな~?」


 


 とりあえず猪を解体してっと。鍋に骨付き肉を入れて煮込むことにした。・・・だし・・・取れるかな?




 そうして2時間ほど待っているとアウルが帰ってきた。


 「おかえりアウル。何をとってきたんだい?」


 アウルの背中には大きな氷の塊が乗っていた。


 『ただいまだ主よ。これは色んな木の実や食べれる草などをまとめて凍らせて持ってきたのだ!』


 へ~頭がいいなアウルは。


 「ありがとうねアウル。それじゃあその氷を溶かしてくれないかな?」


 『わかった』


 そう言うとアウルが地面においた氷がいきなり砕けて消えてしまった!・・・魔法だからかな?


 「ありがとう。じゃあこれとこれ。あとそれももらっていくね。」


 そう言って僕が選んだのはジャガイモとトマト、それに玉ねぎをいくつか手にとって鍋の方に持っていった。ちなみに鑑定したらちゃんとジャガイモ、トマト、玉ねぎであっていた。


 そしてその野菜を猪を煮込んでいる鍋に食べやすいように形を整えて、鍋に調味料と一緒に入れて、煮込んでスープにした。


 「よし!できた!アウルご飯にしようか!」


 そう言ってアウルの前に煮込んであった猪肉と、お土産に買ってきた牛の肉を出した。


 「はい。アウルはこれを食べてね。」


 『わかった。では早速。』 がぶっ!


 猪肉にかじりついたアウルが尻尾をブンブン振っていた。・・・そんなに美味しかったのかな?


 「じゃあ僕も食べてみようかな。いただきます。」


 



 ・・・美味かった。あまり手を加えていないのに舌がとろけるような美味さだった。多分だがこれが料理技能の力なんだろう。うますぎてついつい無言で食べていた。


 残りは明日にしよう。


 「アウル美味しかったかい?」


 『あぁ!主の作った料理がうますぎたぞ!また作って欲しいぞ!』


 「うん。また気が向いたらね。」


 『ぜったいだぞ?』


 「はいはい。わかったよ。それじゃあ今日はもう寝るとしようかな。」


 僕はいつものようにアウルの体に寄りかかった。


 『うむ。それじゃあ。おやすみ主よ』


 「おやすみ。アウル。」


 そうして僕たちは眠りについた。





・・・・・・・・・・・・

~魔石について~

 魔石とはモンスターつまり魔獣や魔物の心臓部分から取れる石のことをいいます。魔石は色が白に近ければ近いほど価値が高くなり、黒に近いと安くなります。

 そして、大きければ大きいほど価値が上がります。



~食べ物について~

 この世界は基本的な食材は地球と変わりません。



  

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