1-9 初クエストクリア!?~始まりの街レイナーダで~
ん。・・朝になった。
朝になりアウルとともに起きて、残り少なくなってきた猪を食べながら僕たちは今日の予定について話し始めた。
「アウル。僕は今日は昨日も言ったとおりに町に行ってくるけど、君はどうする?町に入れないから外で待ってもらうことになると思うけど。何かしたいこととかないかい?」
一応ギルドに行ってクエストの報告と魔石や毛皮を売りはっらたら帰ってくるつもりだけどもしかしたら時間がかかるかも知れないしね。
『ふむ。そうだな。私はこの森で食べ物でも集めておくとしよう。主はどうやら肉だけでは気に入らないみたいだったからな。』
あれ?きずいてたんだ~流石は僕のアウルだね!
「気づいてたのか~。だったらお願いしようかな?じゃあ僕は町に行ってくるからアウルはここの森で食べ物集めをよろしくね~。日が暮れるまでには戻るようにするから。昼飯はどうする?美味しいお肉おいていこうか?」
『ホントか!?ぜひ昼飯はあの美味い鶏肉にしてくれ!』
ふふっ。嬉しそうに尻尾を振ってるよ。本当に可愛いなアウルは。
「わかったよ。じゃあここの茂みに猪の毛皮で包んで隠しておこうね。」
『ありがとう主よ!じゃあ早速食材を探してくるぞ!』ガゥ!
そうひと吠えしてアウルは森の奥に消えていった。
・・・・・・
アウル~僕どうやって街まで行けばいいのさ~・・・
あっ!そう言えば空間魔法があったじゃん!あれのワープを使えば一瞬で行けるね!
そうと決まれば・・・行った時ある場所にしかいけないんだよな~どこにしよう?
門の前はもし人がいたら驚かせそうだな~。
ギルド前?論外だろ。
商業広場?これも人がいそうだから却下。
・・・どうしようかな。
諦めて街まで1km位のあたりの草原にしてみるか。そこからは歩けばいいしね。
じゃあ・・
「ワープ!」
・・・・目の前の景色が一瞬で変わった。
「間違いなく草原だな。街も見えるし間違いないだろう。それにしてもホントに一瞬だとは思わなかったな。」
まあいいや。それにしても、これだけすごい魔法だどれぐらいMPが減ったか確認しておいたほうがいいよな。・・ステータスオープン。
ふ~ん。100か。結構消費したな。あまり乱発はできそうにないな。まあ確認もしたしそろそろ街に行くか。
門の前に行くと一昨日あった兵隊さんたちが見張りをしていた。
「こんにちは。今日はフェンリルを連れていないんですね?」
「はい。流石にこれ以上騒ぎになられても困りますしね。」
「ははっ。それもそうですな。では身分を確認できるものはございますかな?」
「はい。ギルドカードでいいんですよね?」
そう言ってギルドカードを手渡すと、
「はい。確認しました。どうぞお入りください。」
「ありがとうございます。お勤め頑張ってくださいね。」
そう言葉を交わして僕は2度目の街へと入った。
さてとまずはギルドに来てみたんだが、何だかギルドの中が騒がしいな。・・・めんどくさい事になりそうだな~
そう考えながらもクエストを報告するために僕はギルドの扉を開けて中に足を踏み入れた。
「・・・・・・・・」
・・・いきなり静かになったな。何故か無駄に視線を感じるんだけどな?・・・まあいいや。面倒なことになる前に、用事を済ませて帰るとしよう。
そう考えた僕はギルドのカウンターに行き、そこの受付嬢に話しかけた。
「お姉さん。クエストが終わったから報告しに来たんだけれど、確認してもらえるかな?」
そう僕が言うと、
「はい。ギルドカードをお見せください。」
ギルドカードを渡すとそれを変な水晶の玉?にかざした。
「はい。クエスト、草原での野うさぎの討伐。そしてその死体の持ち込みですね?それではその証拠となるものを提示してください。」
そう言いながらも、袋一つ持っていない僕をお姉さんは変な奴を見るような目で見て言った。
ふっ。今すぐに驚かせてやる。
「アイテムボックスオープン!」
そう僕が唱えた瞬間に白い空間が現れた。お姉さんだけでなく、周りで働いていたギルド職員達も、さらには周りで僕を見ていた冒険者たちまでもがとても驚いていた。・・・どうだw
「はい。野うさぎ40匹分の死体だよ?確認してね?」
そう僕が言いながら、アイテムボックスから40匹分の死体を出して、ギルドカウンターの上に山積みにすると、お姉さんはあわてたように動き出した。
「っは。はい。今すぐ確認しますので少々お待ちください。・・誰か手伝ってー!」
そうお姉さんが言うと周りのギルド職員が2人ほど来て数えるのを手伝っていた。そしてしばらくして数え終わると、
「はい。40匹ちょうど確認しました。どの死体も首を一撃で切り落とすという綺麗な仕留め方だったので、クエストのクリア基準を満たしているとします。5匹以上の死体があるのためこれでクリアとなります。5匹で150カインなので40匹で1200カインになります。クエストクリアおめでとうございます。こちらが報酬金になります。」
そう言って僕に銀貨1枚と小銀貨2枚を手渡してきた。
「うん。ありがとう。それで聞きたいことがあるんだけど、今大丈夫かな?」
僕が話しかけると今さっきまでの態度とは違い普通にお姉さんは僕の話を聞いてくれていた・・・プロだな・・・・
「はい。大丈夫ですよ。それで聞きたいこととはなんでしょうか?」
よし。大丈夫らしいな。それじゃあ、
「モンスターを狩ったときに取れる魔石って、どこで売れるか知ってる?」
そう聞くと、
「魔石ですか?魔石は基本ギルドでの買取となります。魔石はその大きさや色によって価値が違いますが、最下級のゴブリンなどの魔石でも1個10カインとなるために冒険者の収入源の一つと言われていますね。魔石と同時にモンスターの討伐部位を取ってきていれば、そのモンスターの討伐報酬も手に入れることができます。・・こんなところでよろしいでしょうか?」
ふむふむ。なるほどね~・・・討伐部位か。ゴブリンの分がないのが残念だけど、犬は丸々持ってきているから問題ないだろう。
「じゃあ魔石とモンスターの死体をここで売ってもいいってことだよね?じゃあ僕の分も買ってくれるのかな?」
「はい。問題ありません。」
「じゃあ、出すよ?アイテムボックスオープン。」
そう唱えて僕がアイテムボックスを再び出してゴブリンの魔石24個と名前の知らない犬の死体10体分と魔石11個を取り出してまたギルドのカウンターの上に山積みにしてやった。
「っこ、これで全部でしょうか?」
「うん。これで全部だよ。買取お願いね?」
「はい!みんな手伝ってちょうだい!」
そう言ってまた周りのギルド職員とともに僕のとってきたものの鑑定を始めていた。
・・・そう言えば犬の魔物の名前を知らなかったな。・・・まあゴブリンの魔石よりも3倍ほど大きいし、色もゴブリンの魔石と違い、濁ってはいるが黒よりも白に近い灰色だしな。たぶん高く売れるだろう。
「っ!こっこの魔獣はブラウンハウンドじゃないですか!Eランクの魔獣ですよ!しかもこの数からして多分群れで出会ったんですよね?群れの場合Dランクの魔獣なんですよ!?普通Gランクのしかも冒険者になったばかりの駆け出しが相手にして勝てるような魔獣ではないんですけどね?・・・いや。もういいです。あなたは元々規格外なんでしたね・・・。」
へ~。そんなに強いんだそいつら。別に苦戦もしなかったけどな。・・チート最高だな。
「へ~。そうなんですか?・・・まあそれよりも、そろそろ終わりましたか?」
「あっはい。それでは買取金額をお伝えします。まず最低ランクの魔石が24個で240カイン、直径3ミール(cmのことらしい)で色が中の下の魔石が11個で1430カイン。猪の毛皮とウサギの毛皮が合わせて30カイン。そしてブラウンハウンドの毛皮11枚、牙10体分、爪10体分、肉と内蔵など10体分を合わせて6290カイン。それと、ブラウンハウンドの討伐報酬が11体分で1100カインなので、合計で9090カインとなります。・・・それではこちらをお受け取り下さい。」
そう言って差し出された金を手に取って数えてから金額があっていることを確認すると、アイテムボックスを開いて金袋にまとめていれてまたアイテムボックスに収納した。
「うん。買い取ってくれてありがとうね~。それじゃあまた来るよ。」
そう言って僕は冒険者ギルドを出ようと扉の方にあるいっていった。・・・それにしても周りの冒険者たちはなんでこんなに静かに僕を見ているんだろうな?・・・もう何かのフラグだよねきっと。まあいいか。
そして冒険者ギルドを後にした。
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この世界のお金の単位はカインといいます。
1カイン10円位です。
この世界は物価が低いです。
1カイン 銅貨1枚
10カイン 銅板1枚
100カイン 小銀貨1枚
千カイン 銀貨1枚
1万カイン 銀板1枚
10万カイン 金貨1枚
100万カイン 金板1枚 ←ここからはまず貴族や中級の商人
高ランクの冒険者などが使う
500万カイン 白金貨1枚
5000万カイン 白金板1枚
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この世界の長さの単位は
1mm = 1ミモール
1cm = 1ミール
1m = 1メート
1km = 1キーメ
となっている。
1日置きに投稿することに決めました。