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2話 "trap"でどこかに"trip"して

―現在―


 高校に入学してからしばらくすると、部活への仮入部期間が始まるらしい。多分どこの高校もあるのではないだろうか。お試し期間というやつが。

 しかし!!わが高校は中高一貫であるために付属中学で入部していた部活をそのまま継続する場合が多いのだ!!

 だが、それではつまらないという生徒が多数現れた時期があったらしく、何年か前に生徒対学校で激しい戦いが起こったらしい。生徒会がPTAまで引っ張ってきたために、生徒側が勝利し、高校一年生からはある程度の成績と信頼がある者であれば兼部、要は掛け持ちが許されるようになったのである。

 もちろん、僕やルカが入部しているあの部活に所属する者には、信頼の二文字さえも享受されない。まあ、色々あったからね。むしろ、廃部にならなかっただけ僕たちは幸運だったのだ。部長と、なぜ学校名簿にも載っていないのにこの高校にいることになっている不思議なとある引きこもりが尽力(又の名を脅迫)してくれたおかげだ。

 だけど、その二人も今は連絡が取れない。部長は武者修行だか何だかで休学。引きこもりは今も宙に浮かぶ電脳世界を自由自在に飛び回っているのだろうか。

 とにかく、今は部活を僕とルカとあともう一人、山岩木殻やまいわ きからで頑張っている。まだほかにも数人いるのだけれど、その人たちも休学中なのだ。

 本当にどうしようもない部活である。

 じゃあ、僕がそのどうしようもない部活に入った経緯でも思い返すとしよう。

 

―二年前―

 

 夏もそろそろ僕の新しい生活に影響してくるようになった。といってもその「新しい生活」は始めてから五日しかたっていないけれど。

 祖父が遺してくれた家に備え付けられていたエアコンを稼働させ始めた。暑さだけが青春真っ盛りのようで、僕にはまだ友達と呼べる人が一人もいない。いるとすれば、僕が学校に行く途中に通る江藤さんの家の前で座っている大型犬だけだ。睨まれたりほえられたりするけどそれは意思疎通ができている証拠なのだ!断じて不審者と思われているわけではない!!…そう信じたい。

 

 今日は木曜日なので、今日と明日学校に行けば、すぐ休みになる。そして、来週いっぱいで夏休みに入るのだ。っっしゃあ!!ガッツポーズ。

 僕は今日も一人でこの道を歩く。きっと明日もその次の日も。そう思って、今日も歩いた。

 でも、神様は一人になった僕に仲間(と書いて主人と読ませることもあり)をくれた。くれた、というより投げられた感が否めない(神様の野郎魔球ばっかり投げてきやがって!!)けれど、僕のかけがえのない人達になった。


 帰りのホームルームが終わり、帰ろうかとバッグを背負ったとき、酔狂先生に声をかけられた。酔狂という名前が本名じゃなくて(当たり前)、本当は水郷という何気にかっこいい名字なんだけど、顔が少しぽかぽかとした赤に染まっているのと、しゃべり方がまるで、よくドラマでみるような滑舌の悪いしゃべり方で、酔っているように見えるので生徒に酔狂先生と呼ばれている。呼ばれている当の本人は、結局呼ばれ方は変わっていないので、水郷と酔狂の違いに気づいていないらしい。

 「維伯、おむぁえ(お前と言いたいのだろうか・・・?)部活はどぅーすんだ?」

 維伯というのは僕の名字だ。珍しいらしい。確かに僕以外に維伯という名字の人は見たことも聞いたこともない。

 「部活・・・ですか」

 正直僕は部活動をするつもりはなかった。今はどこの部活もこれから夏休み中にある総合大会やコンクールで忙しい。三年生も引退がかかっているし、わざわざそんな場所に僕が今から行って輪を乱すというのも迷惑だと思う。

 僕は先生に部活には入らないという意思表示をしようと思った時だった。横から元気な声がかかる。僕でも先生でもない。僕は声がした方向を振り返ってみる。そこには女の子がはじける笑顔で僕たちのことを見ていた。

 「キキョーくんを我が部に入れましょうよ!!」

 「芝、おむぁえはまともに生きてきた好青年になにをさせる気だ」

 「いいじゃないですかぁ、先生!まともなキキョーくんにはまともな部に入れるべきだと思うんですよね」

 女の子は眼がきらきらしているけれど先生はあきれ顔だ。つーかこの女子生徒、芝っていうんだ・・・。

 僕は、正直あまりクラスと積極的に関わっていこうとは思っていなかったから同じクラスの生徒の名前をほとんど覚えていない。

 ところで、僕の名前は麒姜という。維伯いはく 麒姜ききょう名字も名前も珍しいとよく言われる。名前の読み方を決めたのは祖父らしい。祖父によると僕が生まれた日に、病院から車で家に帰る途中にあった事故で亡くなった父のポケットに僕の名前の候補を書いた紙を入れていたらしく、いくつかその候補が書いてあったが血で濡れてつぶれてしまっていて、残っていたのが麒と姜という文字だったらしい。その残った文字に、祖父が「ききょう」という読み仮名をつけた。なぜその読み方にしたのか祖父に聞いても、いつかわかるからといって教えてくれなかったのだ。なので、僕はいまだに自分の名前に対して疑問を持っている。いつになったら僕は自分に確信が持てるのだろう・・・?

 目の前の二人はまだ言い争っていた。

 「だーかーらー、おむぁえらは部とか何とか言ってるが、大体学校に認可されてないだろうが」

 「しょうがないじゃないですか!ついこの間出来たんだから!!」

 「まともな部活じゃねえじゃねえか!」

 「うちのリーダーに頼んで精神的にズタボロにしますよ!?」

 「成績下がってもいいならな」

 そろそろ止めたほうがいいだろうと思って僕は、

 「あのー・・・?」

 「黙ってろ!」「黙ってて!」

 僕何にも悪いことしてないのに・・・!

 不意に僕は腕を掴まれた。

 「――というわけで、キキョーくんは連れて行きますよ!!」

 「え?」

 「ほら行くよ!!」

 僕はわけのわからないままひきずられていく。・・・先生助けて!。



 結局僕が連れて行かれたのは第二理科室だった。暗幕を閉めているのでとても暗い。眼悪くするよ、ここ。

 「部長!新入部員候補連れてきましたよ~!!」

 一つのテーブルの前に座っている男女数人の前に突き飛ばされる。男子Aはノートパソコンをカシャカシャやっていて、男子Bは雑誌を読んでいる。女子Cは髪をくるくる携帯をいじっている。ノートパソコンと携帯の画面のと開いているドアから入ってくる光が唯一の光源だ。・・・あれ?

 ――てか入部するとか言ってないし!!何部かもわかってないのに!!

 男子Aがこっちを見た。数秒間の間の後、なにもそこにはいなかったかのようにノートパソコンをカシャカシャやり始める。僕は、俺をここまで連れてきて満足顔のとある女子生徒のほうを睨む。

 「し・・・芝さん?」

 「何?あと私のことはルカでいいからね♪海花いるかだからルカね!!」

 「ぜってー呼ぶか!!」

 「なんでよぉ!?みんな私のことルカって呼んでる―」

 「まずこの状況を説明して!!」

 

 「お前、説明していないのにここに連れてきたんか」


 男子Aが不意打ちで声をかけてくる。関西弁・・・ですかね、多分。つーか、やたら声かっこいいな。

 「え?説明したよね?キキョーくん」

 と言ってこっちのほうを見てくる。いや、言われてないから。一切。それとキキョーじゃなくて麒姜な。細かいけど。

 僕は否定を表す顔をした。

 「ルカ、お前そろそろ帰れ。めんどくさいわ」

 「なんでよぅ!?私せっかく連れてきたのに・・・。この子なら大丈夫だって!!やってけるよ!」

 また僕を置いてのトークに少しイラッとくる。そして俺に何させる気だよ。

 ふと周りを見渡してびっくりした。入ってきたドアの前の天井に何かを見つけた。火災報知機のようなものに「トラップです☆」の張り紙。・・・なかなかいいセンスしてるじゃないか。・・・でられねぇ。

 君、とまた不意打ちで男子Aに声をかけられる。

 「ここが何の部活か知ってんの?正確にはまだ部活じゃないねんけどな。これから認可させるつもりやけど」

 そんなこと言われても知るものか。

 「知っててくるんやったら、大したもんやで?」

 なぜか鋭い眼光を向けられる。来たくて来たんじゃないんだけど!?

 「――ここは探偵部っちゅう名前の部活や。それでもこの部活入ろう思うか?」

 探偵部!?芝さんえらいところに連れてきてくれやがったな!!俺はまた芝さんを睨む。けど、男子Aのものとはほど遠くて、芝さんの表情には何の変化も見られない。

 「つっても、この部屋入った時点で君が入るのは決定や。まずは雑用からな」

 探偵の雑用ってなに!?

 「具体的には俺らをいたわってくれや」

 「どこが具体的だ!」

 「冗談や冗談。そやな具体的には雑巾がけと窓ふきそこの黒板もちゃんときれいにしといてくれな、毎日」

 「ただの掃除係じゃねえか!」

 「日給は飴玉一個てことで」

 芝さんが小さい袋に入った飴玉を持ってこっちに手を振っている。なんだかむかつく。

 よし、考えよう。まず僕がとる行動は一つ。これ以上こいつらに関わっていてもいいことはおそらく何もないだろう。それどころか今後の人生に支障をきたすかもしれない。ということで、


 開いているドアに向かって猛ダッシュ!!


 僕は足に全神経を集中させて走った。5メートル最高タイムが出せる!!そう思った時だった。

 ピー。

 何かの電子音が聞こえた。何の音だ?僕は思わず足を止めた。目の前に何かが落下してきた。目の前に落下してきた刹那、そいつはすさまじく強烈な光と音を発した。スタングレネード・・・。忘れてた・・・本当にトラップだったのか・・・。

 僕が薄れていく景色の中に見えたのはご丁寧に遮光ゴーグルとかわいい悪魔の耳がついたイヤホン型の耳栓を、芝さんをはじめ俺以外の全員、部長までもがしている光景だった・・・。・・・何気に・・・・似合っ・・・て・・・・。

 

 

 



どうも、最近ネウロにはまっています。受験生です。

受験勉強の合間を縫って書いてたらこんなに間が空いてしまいました。

前回に比べてなんだか文章量が多いです。

受験やだなー。なんだか怖いです。だけど私立は受け付けないというわがまま。

なんだかただの愚痴と化してきたのでそろそろ持ってもいないのに筆を置かせていただきます。

感想いただけたら祈願を含めて勝手に菅原道真公を祭ってきます。

では最後に、

全ての受験者に栄光あれ!!

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