第4話 ポルターガイスト1
「それは残念だったね」
「ハイなんであんなに嫌がるのか頭がおかしいとか、そんな感じは少しも無いのに・・・」
「うーん・・・そうだね何か僕らには理解できない自由感みたいなものがあるのかもしれないね、それか、よっぽど怖い思いをして、この街には戻りたくないか」
「その点に関しては、なんとなく突っ込んで聞きませんでしたが」
「まスマホも渡したんだろ?あっ!おい尾形君、A君スマホ転売しちゃうんじゃないか?」
「はぁ・・・ありえますね、もう俺ら知りませんよ、あんな奴、金も貸したまんまになっちゃてるのに、どこまで考えてるか謝りもしませんでしたアイツ」
「そういう時は貸したことは忘れて、くれてやったと思うんだよ、そうすれば腹も立たないし人間の器も、その分だけ、ちょっとは大きくなるんじゃないか?」
「やっぱ式さんも、そんな経験ありますか?」
「んーーーあるあるー何百万もドブに捨てたよ酒飲んでなぁタカラレたし」
「そうですかぁ・・・まぁ、そうですよねギャンブルで負けたわけでもなし・・・」
「そうそう」
「はい」
式は思った。
『なんかバカのくせに偉そうに言っちゃったよ…説教臭くならないようにしなきゃな…』
その時、外で車のドアがバタン、バタンと閉まる音がして、アサミさん、Iちゃん、Sちゃん、Mちゃん4人の女子が事務所にやって来た。
「こんばんわー・・・あ、お客さんですか?」
尾形君が振り返り女子たちを見ていた。
やっぱり女子が居ると急にテンションが上がり華やかな気分になります。
男は単純、単細胞。
「いや大丈夫だよ、紹介するよ、イケメン御曹司の尾形君だ彼は独身だぞうー」
「初めましてアサミです」
アサミに続いてI、S、Mの3人の女子も自己紹介した。
Sちゃんは接客業、IちゃんMちゃんは美容師だった。
突然の女子訪問に尾形君は、びっくりしている。
「どうも尾形です式先生には、お世話になっています」
彼女たちは前日、自殺しようとした私を元気づけようとして集まってくれたアサミさんの仲間たちで
私は覚えていないのですが、みんなクラブで馬鹿な私を見知っており、
アザだらけの首とパンダ顔じゃ買い物できないだろうと
酒やタバコと一緒に、お弁当など差し入れに来てくれたのだった。
しかしながら式は明日からの仕事の事や寝不足で早く休みたかったので女子たちを同世代の尾形君に頼んだ。
「みんなと、どこか近所の居酒屋にでも行って欲しい」と言った。
「できれば尾形君の友人Bさんなんかも誘って合コンしたら?」と言うと場は盛り上がった。
ワイワイ言っているその時、突然
―ビッシィッ!!
とトイレ横の鏡に縦のヒビが大きく入り割れた。
音のする方を全員が驚いて見ました。
「えー?なにあれぇーつ!」
『ゲェエエエッ!!なんじゃこりゃぁっ!!』
あわてて式は平静を装い顔を引きつらせながら言った。
「ささ呪われた此処になんか居ないで、みんなで楽しんできなよ」
『もっと何か始まる前に、みんなを避難させなきゃ』
式は言いながらスマホで鏡と周辺の写真をすぐに撮影した。
『おー、まじやべぇなコレ・・・あのアパートのせいか?』
「マジなにこれ?…」誰かが言った。
「尾形君、明日、会社に行くからよろしく、じゃみんな連れて飲みにでも行ってくれよ、お金、カンパするし」
「いいんですか?お金はいりませんよ、ありますから」かっこいい尾形君であった。
「そうだったね、ささ行った行ったぁ」パンダおやじは首の痛みによる寝不足で疲れていた。
するとアサミが
「私は行きません、だって、こんな鏡割れて置いていけませんよ」
「俺は大丈夫、もう変な事しないから安心してチョット行ってきなよ、もう休みたいし考えたいこともあるし一人にしてくれると助かるんだ」
「・・・」アサミさんは、ちょっと、ふてくされているようだ。
「尾形君ほら頼むよ・・・」式はアサミと目を合わせなかった。
「ハーイ、じゃ先生のために、ひと肌ぬぎますか、みんな俺、良い店知ってるから、みんなでいきましょう仲間も呼ぶし、もちろん全部オゴリますよぉー」
Iちゃんがアサミを連れて他の女子二人はO君と一緒に出かけて行った。
『一体なんなんだ尾形君、先生なんて言ったこと無いくせに、ま、いいけど』
式は急に割れた鏡に布製のガムテープを貼り付け床に散らばった破片を掃除機で吸い込み玄関を施錠して眠る前に差し入れてもらった弁当をおかずに酒を飲みながら、いろいろと考えた。
Aさんの事、死のうとした事、その時、黒い影を見た事アパートの事、アサミさんが手際よく結界を張ってくれた事、契約と神職様と金の事…
どさくさに誤魔化したが鏡が割れるとは明日からが思いやられた。
『こんなの初めて見た、強烈だ、かなり・・・俺、死ぬかもな・・・』




