第7話 釈放
「お、これはこれはシキさん、あんた、とうとう犯罪者だな」
「何言ってんの…」
「あー、うそうそ釈放だ、すぐ帰っていいぞ」武藤は笑った。
『そらみろ』という表情で式は若き熱血刑事、鈴木を見ました。
「えっ拘留なしですか釈放ですか?」彼は納得いかない様子だった。
「あーそうだ不法侵入は救護のための緊急対応、重傷者は自殺を図っていたんだ、いずれも検察は式を不起訴の判断になるなぁ、ついで無罪の証拠が出た。
おい鈴木これ式さんの車の鍵だ駐車場から持ってきて正面に止めてきてくれ」
鍵には私の車のナンバーメモが貼られていた。
「わかりました、じゃ」すごすごと鈴木は車を取りに行こうとした。
「あーチョットまって鈴木さん腹減ってないか?
武藤さんも、もう俺、喉からからだし腹減っちゃって金出すからさあ水・お茶・コーヒーあとサンドウィッチにおにぎり買ってきて、これ、お釣りいらないから」
式は3千円差し出した。
「・・・・」
「あー、よいよい鈴木、買ってこい式さんの車で俺はハムサンドと筋子おにぎり、お茶だ三千円分全部使ってこい」
「はあ…」キョトンとしている。
「鈴木さんの分もね買っていいからね、いってらっしゃーい」
「了解しました、では…行ってきます」
時刻は午前3時過ぎになっていた。
「武藤さん成田のやつ、どんな状況なんですか」
「うん大丈夫だ、いま病院の治療室でバイタルは安定しているらしい、ただなぁ意識がイマイチで、ひょっとしたら障害が残るかもしれんそうだ」
『そうか助かったんだ…良かった…』
「それで俺の無罪の証拠って何が出たんですか?」
「カメラ映像だ多分というか成田のだろうけど定点カメラが暗視モードで一部始終撮影していたのさ」
「そういえば台所のあたりに三脚あったもんな」
「それと通常のモードだがハンディカムも回ってたバッチリ救護活動写ってたよ」
「そうですか」
「それだけじゃない、とんでもねぇもの写ってるぜ、シキ」
「ま、マジすかっそれ見せてください、お願いします」
「いいけど見せると、お前、書くだろう…なんやかやと」
「ん、わかりました絶対書きません、見たい見たいすぅっ!」
式は身を乗り出して懇願した。
「わかった待ってろ絶対ナイショだからな、じゃ持ってくる」
そう言って武藤さんは式の無罪の証拠映像を取りに行った。
そして式は取調室の格子の間から指を入れ小さい窓を開け放った。




