表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サヤ  作者: 國生さゆり
9/20

9、裏切りのサヤ



1、朋子「あの人、そんな事まであなたに話していたんですか⁈」

 サヤ「話してはいません。勝手に一人で喋ってたんです」


2、朋子「あっ…、」

  サヤ「何か勘違いされているようですから、もう一度になるけど、私は奥様とお約束していたように、智人さんとは距離をおいていました」



3、サヤ「近づいてきたのは旦那さんです」



4、サヤ「ご実家も死者が2人もでた事件を起こして大変な時に、こんなこと言うのもなんですけど・・私はもう智人さんに関わりたくありません」

朋子「おっしゃる・・通りだと思います」



5、立ちあがろうとするサヤ「あの、もう、失礼させて頂いて構いませんか?」

  朋子「あっ、サヤさん、あの時はごめんなさい」



6ムッとするサヤ



6 A、サヤ「あの時って?どの時ですか?あなたが私をオフィスに入れなかった時?二人で智人の家から出てきた時?子供ができたと誇らしげに会いにきた時?あなたが言っている!あの時って!いつの!!どの時ですか!!」


7、朋子「…、ごめんなさい。好きだったの…主人のことが」

 サヤ「私がどんな思いで、、身を引いたか」


8サヤ「だからって、あなたじゃないといけない理由にはならないでしょ!」


9、朋子の携帯が鳴る


10、携帯を見た朋子、青ざめる。


11、ワナワナと震え出す朋子


12、サヤ「大丈夫ですか?」


13、朋子「フ、ファミ、レスの出入り口に置いてあった…、…消毒スプレーからハンタウイルスが発見され…て、そ、その容器に智人の指紋があったと…、兄から連絡が…」

サヤ「えっ!!」



14、朋子「智人が…、重要参考人にな、なりま…した」


15、朋子「サヤさん、証言…していただけませんか、智人は…、そんな事が出来る人で…はありません。お願いです。何もしていないと証言してください」

サヤ「嫌です。警察とか、何とかウィルスとか、私には関係ありません。警察なんか行きたくもないし、智人さんが何をしたかなんて知りたくもありません!」



16、切羽詰まった朋子「謝礼をお支払いします」



17、驚愕のサヤ「あなたたちお金持ちは…おかしいです。何でもお金で解決できると思ってる」



18、朋子「ええ、そうですとも…、私は…、幼い頃からお金の苦労だけはした事がありません。ですから…、この方法しか知らないのです。サヤさん、お願いします。警察に話してください。いくらお支払いすれば」

さえぎるサヤ「バカにしやがって」



19、再度立ちあがろうとするサヤ



20、朋子「サヤさん!!」とサヤの手を取って、引き留めようとするがお腹がテーブルにあたる。「あっ」と声をあげる朋子



21、サヤ「もう、なんで、いつも…、私ばっかり貧乏くじ」



22、座り直したサヤ「お金はいらないと言うほど私は恵まれていません。いかほどをお考えですか?」

朋子「500万円で…、どうでしょう」

サヤ「智人の値段が500万。グチを言いたくなるのもわかる気がする」と小さく呟く。



23、顔を赤めた朋子「私が・・私が、今すぐ用意できる現金は3千万です」



24、ゴクリと唾を飲むサヤ

石橋の声「中庭での受け渡ししろ。移築した五重塔かある。その裏はどの監視カメラからも死角になる」



25、サヤ「このホテルの中庭でお待ちしています」


26、立ち上がるサヤ



27、歩き出すサヤ、取り残された朋子



時間経過


28、中庭をぶらつくサヤ

サヤ「ここ元公爵家の持ち家だったんでしょ、どんだけ金持ちだったのよ」

石橋の声「子孫が維持費に行き詰まって、手放したらしい」

サヤ「でもさ、きっとどっかの役員とか、何とか財団の理事とかに名前貸しして役員報酬もらってんでしょ。家柄で儲けられていいなぁ〜」

石橋の声「それがこの国の仕組みだ、サヤ」



29、サヤの電話が鳴る


30、サヤ「もしもし、あっ、今、中庭の五重塔とこいます」


31、電話を切ったサヤ「来るよ」



32、お太鼓橋を渡る朋子



33、小高い丘を歩く朋子



34サヤ、電話している

サヤ「五重塔の裏にいます。人に見られると朋子さんが困ると思って」



35、朋子「ありがとう。サヤさん」



36、向き合う二人


37、差し出してる朋子「こんな紙袋でごめんなさい」

  サヤ「朋子さん、紙袋しか買えない人もいるんだよ」

  朋子「そうよね。知らないことが多すぎるよね、私」



38、サヤ「一応確認させて」

   朋子「あっ、気が利かなくてごめんなさい」



39、紙袋の取手を左右の手で持ち、広げる朋子



40、サヤと朋子の2ショット

石橋の声「写真撮ってる。まだ受け取るな。お前を判別できないようにしたい。顔を左に向けろ」



41、朋子「どうしたの?受け取らないの?」

  サヤ「あなたと違ってこんな現金見た事ないから・・驚いたの」



42、石橋の声「いいぞ。受け取れ」

サヤ「じゃ、頂くね」



43、受け取るサヤ

   サヤ「タクシー乗り場まで送る」

   朋子「ありがとう」



44、庭園を歩く二人

サヤ「出産はどこでするの?」

朋子「多分、祖母の家がある九州になるかな」

サヤ「何で、そんな遠くなの?」

朋子「ここにいると巻き込まれるから」



45、サヤ「そうか、朋子さんって頭の回転早いんだね」



46、朋子「あなたもね。ちゃんと証言してね、子供の父親を犯罪者にしたくないから」

サヤ「こんだけのお金もらったんだよ。当たり前でしょう、安心して」



47、タクシー乗り場を見るサヤ

(サヤ後ろ姿、客待ちしてるタクシー3台)



48、サヤ「ねえ、朋子さん。私、この後あるから先にタクシー乗ってもいい?」

石橋の声「おい!サヤ」



49、耳から受信機を何気なく取り出すサヤ


50、朋子「どうしたの?」

  サヤ「私、内耳炎でストレス掛かると痒くなるんだよね」

  朋子「ごめんなさい」



51、サヤさりげなくワイヤレスフォンを足元に捨てて、踏みつけながら

 サヤ「朋子さんさ、謝りすぎ。私の経験から言うと良い人はすぐ謝る。だけど、それじゃあ軽く扱われるよ」

微笑む朋子

 


52、タクシーに乗るサヤ



53、サヤ「湘南に行って、少し急いで欲しいわ。待たせてる人がいるの」



54、走る出すタクシー



55、車内のサヤ



56、携帯が鳴り出す。



57、画面表示・石橋



58、窓から携帯を投げ捨てるサヤ





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ