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サヤ  作者: 國生さゆり
8/20

8、死んだ日



百貨店の専用・試着室個室

カマレオンダのソファに深々と腰掛けている石橋

そばにある観葉植物の葉を右手でいじっている


2、折れる茎


3、素知らぬ顔で根元に折れた茎を投げ捨てる石橋


4、試着室のカーテンが開いて出てくるサヤ

 白のレディースシャツと赤土色の膝下丈のタイトスカート姿


5、サヤ「どうかな?」

  石橋「よく似合ってるよ」

  サヤ「いいの、買ってもらっちゃって」


6、石橋「ご褒美だ。回って」と言いながら人差し指で天を差し、

くるっと回す。


7、くるりとまわって見せるサヤ


8、石橋「これにします。着てきた服を袋に入れてください」

  店員「承知しました」


9、サヤ「あっ、ちょっと待って」


10、インナーに付けてあるルビーの胸飾りを外すサヤの手元



11、鏡を見ながら新しいシャツの胸元にルビーを付けているサヤ

  石橋「どうしたんだ、それ?」

  サヤ「もらったの」

  石橋「智人にか?」

  サヤ「友永さん、今日死んだ人」



12、サヤの横顔「お守りにしなさいって」



13、石橋、サヤを後ろから抱きしめる。

  石橋「嘘つきめ」

  サヤ「もう一つ買って欲しい物があるの」

  石橋「ハイヒールだろう」



14、振り返って石橋を見上げるサヤ

  

  

15、二人のバストショット・抱き合うサヤと石橋

  サヤ「ありがとう、石橋さん」

  石橋「あとで、このタイトスカートたくし上げて、ハイヒール履かせたままヤラせてくれ」



16、サヤ「いいけど‥」うっとりと想像している。

  石橋「サヤ」

抱き合ったままの2人



17、サヤと石橋、下降エレベーターに乗っている。



18、女子トイレに入ってゆくサヤ



19、袋から出した上着をゴミ箱に捨てるサヤ



20、待っている石橋と合流するサヤ



21、石橋「一点ずつ、バラバラの場所に捨てること。デパートも点々と変えること」

  サヤ「了解」


22、ルブタン店内

  見て回ってるサヤ



23、サヤ「これにします」



24、ソファに座っているサヤの前にハイヒールをおく店員



25、立ち上がったサヤ

  美しいサヤ、アーモンドグリーンのハイヒール



26、街並みを歩くサヤと石橋

  サヤを見た男性は振り返る。



27、デパートから出てくるサヤ

  プラダのハンドバックを手にしている。



28、街角で待っている石橋

  サヤ、カードを差し出す

  石橋「残りはあと何点残ってる?」

  サヤ「帽子と靴だから、あと2箇所。ねぇ、どうしてこんなに高価なものばかり買ってくれるの?」

  石橋「作戦成功のご褒美だ」



29、サヤ「フフフ、違う。朋子さんからもらえるかもしれないお金の分け前が欲しいから」

  


30、石橋「正解、じゃ、なんで着替えた服をバラバラに捨てさせてる?」

  サヤ「私に捜査が及んだ時、細菌がついてた服があったらマズイから」



30A、サヤ

石橋の数歩先をゆき、振り返って上半身を屈めて、肩をすくめて笑う。

 サヤ「あなたの弟子は優秀です」

   


31、腕を組んで歩き出す二人

  サヤ「どうして時間通りに行かないの?」

  石橋「待たされたらイライラが募るだろう」

  サヤ「あっ、そうか」

  石橋「判断力を鈍らせた方が操りやすくなる」



32、石橋「俺は先に入ってる。これを」



33、サヤ「何これ?」手のひらに乗っている補聴器らしき物

   石橋「耳に入れろ。俺の声が聞こえる。まっ、俺が指示しなくてもお前ならやって退けるだろうが、保険だ」



34、ホテルラウンジ

  入り口から入ってくるサヤ



35、テーブル前に立ったサヤ「お待たせして申し訳ありません」

  顔を上げる智人の妻・朋子「あっ、こちらこそお時間を頂きまして」



36、テーブルを挟んで座っているサヤ、朋子

  テーブル中央に店員

  サヤ「コーヒーをお願いします。朋子さん、おかわりしますか?」

  朋子「いえ、もう。お水があるので」



37、サヤ「体調どうですか?」

  朋子「安定期に入ったので問題ないです」

  サヤ「何かあったらいけないから、何かあったら言ってくださいね」



38、サヤ「あの、旦那さんは私どうして、その、私に会いたがってるんですか?」

   朋子「亡くなられた友永さん…、あなたのお知り合いだったんですか、」

   


39、サヤ「…ご近所さんです。ランチする約束をしてました。友永さんは先に店内に入ってて…」



40、涙ぐむサヤ

   サヤ「あの、本当に…、食中毒だったんでしょうか?友永さん、注文前でした」



41、朋子「父から聞いたんですけど、テレビ局に情報提供があったそうです」



42、チラッと違うテーブルで雑誌を読んでいる石橋を見るサヤ

  石橋の声「リークしたのは俺だよ。サヤ」



43、サヤ、水を飲む。

  石橋の声「いい感じだ、サヤ。そろそろくるぞ、畳み掛けるタイミングを掴んだら離すな」

  


44、朋子「あの、それで…、お客さまが倒れたから病院まで付き添ったと説明したようですけれども、、」

  サヤ「も、もってなんですか?」



45、朋子「弁護士さんにはあなたと待ち合わせしていたと、友永さんはあなたが連れて来たと、だから、あなたを呼んで欲しいと…」



46、サヤ「ちょっ、と、、待ってください!!智人さんは私を!!ストーカーしてたんです!!」

  朋子「えっ…」

  サヤ「私、智人さんと待ち合わせなんかしてません!私の行動を見てたから、あのファミレスに行くのだって知ってたんですよ!」



47、サヤの剣幕にザワッつく店内



48、俯くサヤ「ごめんなさい。大きな声だして」

  サヤを見ている朋子「いえ、こちらこそ、ごめんなさい」

  サヤ「ファミレスの…前に…智人さんが…いたんです。びっくりしたけど、ストーカーだって言って、友永さんを怖がらせたくなかったから…」



49、サヤ「私が…、一緒にご飯食べようって言ったんです」



50、サヤ「友永さんいたら3人になるから、変な勘違いもされないかなって思ったんです」

  朋子「あの、本当に主人はあなたにその、スト、付きまとってたんでしょうか?」

  サヤ「朋子さん、朝起きれないくらいに体調良くないですよね。

     お母さまが通いで家事されてますよね。朝ごはんも作ってくれないって智人さんが言ってました」



51、たまらず、わぁーと涙かあふれだす朋子

  


52、ハンカチを差し出すサヤ

  


53、受け取って涙を拭く朋子

  サヤの声「ディナーの仕込みをしている時間帯に来て、聞きもしないのに、いろんなことを吐き出すように…、ぼやいてました」



54、朋子のハンカチから顔を上げた顔

サヤの声「勤務先に来られては…粗雑な対応はできません…お店の評判に関わるから」



55、朋子のドアップ

   サヤの声「立場がないって、自分ちよりも資産家だから、

   お義母さんに疎まれてるって…愚痴ってました」



56、話し続けているサヤ、聞いている朋子

サヤのモノローグ“さて、これからどうしてやろーかなーーっ“




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