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サヤ  作者: 國生さゆり
19/21

19、喉元過ぎれば忘れるのが当たり前



1、限りなく夜に近い夕景の中

  走るサヤ



2、ホテル

荒い呼吸のサヤ、部屋のチャイムを押す



3、ガチャリと開くドア

出迎えた弁護士「今、大体のお話を聞き終えたところです」

サヤ「すみません、仕事が終わらなくて」



4、部屋に入りながらのサヤと弁護士

弁護士「こちらこそ、急な日程で申し訳ない」

サヤ「とんでもないです」



5、3人がけソファに座る社長の前に立つ、サヤ

サヤ「初めまして、疎下サヤと申します。この度はお時間頂きましてありがとうございます」


5A、サヤを見上げている社長



6、紘子の隣にある1人がけソファに腰掛けつつのサヤ

  紘子「遅いよー」

  サヤ「ごめん、どうしても抜けられなくて」



7、社長「とても魅力的なお話でした。お待ちしてましたよ、サヤさん」

 サヤ「良かったです」



8、紘子、サヤと社長を怪訝な顔つきで見る



9、弁護士「それで、あなたはこの事業の権利を放棄するでよろしいんでしょうか?」

  サヤ「ええ、社会貢献はしたいですけど、私にはそのノウハウも資金力もないですから」



10、紘子「何の話⁈」

  サヤ「この事業案を考えたのは私だったでしょ」

  紘子「具現化したのは私よ!」



11、サヤ「私が言ったことを」

  紘子「うそつかないで!」



12、社長に視線を向けた紘子「私を代表にして事業展開した方が絶対に、効率的に収益化できます!!」


13、弁護士、電話をかけ始める

弁護士「お出になる」


14、弁護士「社長、お時間です」


15、立ち上がる社長


16、すがる紘子「待ってください!!」



17、社長「離してくれないか。人が立案した企画を横取りする輩をグループに入れるわけにはいかないんだよ」(至って冷静)



18、紘子「違います!!さわりはサヤですが、構築したのは私です」

  社長「君のプレゼンの中にサヤさんの名前は出てこなかった」


19、社長「それが君の人格だよ、失礼する」



20、立ち上がって首を深々と下げているサヤ、弁護士

  立ち尽くしている紘子



21、振り返りサヤを睨みつける紘子



22、ふと笑みを返すサヤ



23、弁護士、鞄から譲渡書類を出し

弁護士「サインをお願いできますか、サヤさん」



24、ハンドバックから印鑑を出すサヤ

紘子の声「何してんのよ!!」



25、サヤ「ここでいいですか」

  弁護士「こことここにお願いします」


26、捺印するアップ



27、紘子「待って!!待ってよ!!」紙を奪い取ろうとする。

  スルリとかわすサヤ

  サヤ「あなたにはもう、関係のないことだわ」



28、テーブルの上に置かれるスマホ



29、弁護士・クリックする

紘子の声「サヤの提案だったの、元々はね」



30、紘子「あっ!!」醜い表情



31、紘子「友達だと思ってたのに!!信頼してたのに!!」

  サヤ「それってあんたの思い込みでしょ」

  紘子「えっ」



32、サヤ「この部屋をお借りしていいですか?」

  弁護士「明日11時のチェックアウトは守ってください」



33、カードキーを受け取るサヤ

 サヤ「ありがとうございます。紘子が錯乱しているので、ちょっとお借りします」

弁護士「そうされた方が良いかと思います」

紘子「錯乱なんてしてないわ!!」



34、サヤ「声落として。らしくないよ、紘子」

  紘子「馬鹿にしないで!!」

  サヤ「してないよ。できるわけないでしょ、IQ143の人を」

 紘子「わざと間違えたでしょ!!148よ!」



35、サヤ「わかったから」



36、弁護士「私はこれで失礼します」

   紘子「訴えてやるから」

  

37、冷徹な顔つきの弁護士・紘子を見ている



37、サヤ「ありがとうございました」



38、パタリと閉まるドア



39、紘子「どうして!!よ!!、なんで!裏切ったの!!」

  サヤ「…、怖いからよ」



40、サヤ「相手は何でもありの人たちよ、、、怖かったの」



41、紘子「脅されたの⁈」

  サヤ「そんな低俗なことしないわ」

  紘子「だったら!」



42、サヤ「だから怖いのよ。私はあなたのように賢くないわ、太刀打ちなんて出来ない」



43、サヤ「私の代わりに訴えてよ、紘子なら出来るわ」

  紘子「同期の千葉くん、大手弁護士事務所に勤めてたわよね」

  サヤ「・・同級生とか知り合いとかは・・やめておいた方がいいと思うよ・・」



44、紘子「何でよ?」


45、サヤ「今まで黙ってたけど・・みんな紘子のこと嫌ってる」

  紘子「えっ・・」

  サヤ「ほら・・今までみんなのこと口で負かしてきたでしょう・・私は頭がいいの羨ましいなって思ってたけど・・みんなは不快だったみたい・・」



46、紘子「私は・・矛盾を指摘しただけよ」

 サヤ「そういうのが一番、屈辱的なのよ。人って・・」



47、紘子・険しい表情

 紘子「だから!!嫌い!!本当むかつく!低脳どもが!!」



48、サヤ「紘子、怒りの導火線みじかすぎるよ」

  紘子「何度も助けてやったのに!」

  サヤ「そんなこと一々覚えている人いないわ。喉元すぎればっていうでしょう。私は感謝してるけど」



50、紘子「・・何とかしないと・・破綻する・・」


51、サヤ「知ってる弁護士さん、紹介しょうか?」

  紘子「いるの?そんな知り合い?」

  サヤ「実家の喫茶店に来てた人」



52、サヤ「電話してみようか?」


53、紘子「お願い」



時間経過

54、ドアを開け出迎えるサヤ

サヤ「急にすみません」

男「いえいえ」



55、髪をこざっぱりと切った、スーツ姿の石橋

石橋「お邪魔します」



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