18、私なんかが
1.サヤを見つめている石橋
石橋のモノローグ、“確かにサヤには工作員としての才能がある。だが俺の言うことを聞かなければ、かの作戦には使えない“
2.サヤ「もちろん困った時は助けて欲しいと思ってる。でもこれは私の仕返しなのよ。この手でぐちゃぐちゃにしてやりたいの」
3.石橋「サヤ、俺とお前はチームだ。今後のためにも連携するのを覚えて欲しい」
サヤ「いちいち報告しなくてもあなたの調査能力を使ったら、簡単に何をしているか調べられると思うんだけど」
4.サヤを見ている石橋
石橋のモノローグ、“盾石本社ビルの守りが鉄壁すぎて、サヤを中核すえた作戦Bに移行するしかなかったが…“
5.サヤ「聞いてる⁈」
6、石橋「ああ、もちろん聞いてるよ。お前ならその紘子とやらをやるのは造作もないとは思うが、朋子の実家には手を出すなよ」
サヤ「わかってるわよ」
7、石橋「本当にわかっているのか、朋子の実家は政治家と繋がってるんだぞ。事実を捻じ曲げて、お前を逮捕させることだって出来る」
サヤ「わかってる!だから!朋子さんを労ってるフリをしてるんじゃない!」
8、サヤ「馬鹿なフリして弁護士にだってすり寄ってる!」
石橋「お前はただの人だ。あいつらからしたらただのコマにすぎない。いつでも切り捨てられる存在だという事を頭において動け」
9、サヤ「フッ。わかってるから、儲け話を差し出したのよ」
10、石橋の向かいに座るサヤ「ねえ、ここは監視カメラだらけよ。死角で話しているとはいえ、用心した方がいいと思わない?機嫌直して」
石橋「仕留めるのは紘子だけだ。約束しろ」
11、サヤ「約束する」
サヤのモノローグ、“智人次第でどうなるかわかんないけどーー“
12、サヤ「今日はAランチのミラノ風カツレツでいいかな。いい牛肉が手に入ったの」
石橋「サヤ、俺はお前に惚れている。だが勝手なマネをしたら・・わかってるよな?」
サヤ「もうー♡、わかってるって」
13俯瞰・プチ・トリアノンに入ってくる富士子
サヤ「お疲れさま、富士子」と出迎えるサヤ
14、2人を見ている石橋
石橋のモノローグ、“どうあっても富士子を手に入れなければ、こっちに火の粉が飛んでくる“
15、微笑んでいる富士子
時間経過
16、調理しているサヤ「今度さ、Bさんをランチに誘ってもいいかな?」
富士子「えっ」
サヤ「富士子が仕事しやすいように、裏回ししたいの」
17、富士子「裏回し?」
サヤ「う〜ん、わかりやすく言うと、調整かな」
富士子「調整って、なんの?」
18、サヤ「富士子はさ、人付き合い不得意だから、人間関係の調整」
富士子「そういうの必要?、仕事なんだから自発的に研究に邁進するでしょう」
サヤ「建前はそうだけど、そう考える人は稀よ」
19、富士子「好きなことを研究してるのよ、努力するのは当たり前でしょ」
サヤ「努力しなくてもお給料もらえるのが、会社員よ」
富士子「変じゃない、その考え」
20、サヤ「仕事量は少ない方がいいし、指示待ちしてる方が楽でしょ」
21、富士子「それって自分に失礼じゃない?何のために生きてるんだろう」
22、サヤ「私たちみたいに探究心とか、向上心をみんなが持ってるわけじゃないのよ」
23、サヤ「だから、Bさんのガス抜きしようかなって思ったの」
富士子「仕事に不満があるってこと?」
サヤ「誰にでも何らかの不満はあるものよ」
24、サヤ「富士子だってそうでしょう?ここに来て私に愚痴ってるよ」
24A、富士子「そうだけど・・」
25、サヤ「液体デイバイスはこれから佳境に入るのよ、ここで一回、私が慰労しておいた方がいいと思ったの」
富士子「そうゆうものなんだ、、、」
サヤ「富士子が嫌なら、やめとくけど」
26、サヤ「私なんかが余計なことだったね」
富士子「私こそ、なんか、ごめん。サヤは私のこと考えて言ってくれたのに」
27、富士子「宜しくお願いします」
28、笑顔のサヤ「お任せください、盾石統括」と頭を下げる
29、欠番
30、サヤのモノローグ、“これで堂々とBさんと話せる。さすがの私”
31、カウンターに置かれた、サラダランチ
32、富士子「頂きます」
33、サヤ、意味ありげな目で石橋を見る
34、石橋
石橋のモノローグ、“やる事はやってる。今は自由にさせておくか…”
時間経過
35、富士子の後ろを通過する石橋
石橋「こんにちは、富士子さん」
富士子「あっ、石橋さん」
サヤ「ありがとうございました」
36、富士子、石橋を見送っている
サヤの声「良い人よね、石橋さんて」
富士子「私はちょっと苦手」
37、サヤ「でた、富士子の人嫌い」
富士子「…、そうじゃなくて」
38、サヤ「利用しようとする人を警戒する気持ちはわかるけど、閉鎖的になるのはよくないと思うよ」
39、富士子「誤解されるから嫌なの」
40、サヤ「誤解なしにこの世は成立しないわ。正確に物事を理解する人は希少よ」
富士子「それが煩わしいのよね」
サヤ「富士子は誰とも関わりを持たなくてもできる仕事だけど、その他大勢はそうはいかないのよ」
41、富士子「恵まれた環境って言いたいんでしょ」
サヤ「そうよ」
富士子「誰も私を理解してくれない」
42、サヤ「それでも、富士子の無いものねだりの品目は普通の人より贅沢な望みよ」
富士子「何だか、今日は手厳しい気がしますが、サヤさん」
43、サヤ「これはこれは失礼しました。富士子お嬢さま」とおどけてみせるサヤ
44、笑顔の富士子「こちらこそ、いつも貴重なご意見ありがとうございます」
45、微笑み合う2人
時間経過・終業時間まじか
46、荷物検査ゲートで差し入れをしているサヤ
警備員「いつもありがとう。妻と娘に好評なんだよ、サヤさんの手作りクッキー」
サヤ「とんでもないです。ちゃんと習った事のない私のクッキーなんかでよければいつでもです」
47、歩いてくるB
48、Bを見つけるサヤ
49、サヤ「Bさんーー!良かったらこれ」
B「甘いもの苦手なんですけど」
サヤ「冷たいなー」
50、怪訝な表情のB
B「私に何か用ですか?」
サヤ「あっー、わかっちゃいました。いつも気難しい我が親友の富士子がお世話になってます」
51、B「あの人に何か頼まれたんですか?」
サヤ「そんなことしませんよ、富士子は。ご相談がありまして」
52、B「私に相談?友達でもないのに」
サヤ「共通の話題についてです」
B「あなた、いつも私を細めた目で見てますよね。そんな私になんの用ですか?」
53、サヤ「私、Bさんが羨ましいです、ごめんなさい」
54、B「私はあなたのような人、苦手です」




