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サヤ  作者: 國生さゆり
17/21

17、ワンコは神だから



ホテル内・左右に紅葉樹が植えてある小道を歩いている、サヤと紘子

1、紘子「うーん、感触ぬるっとしててイマイチわかんなかったなー」

 サヤ「そういうヤツなのよ」

 紘子「そうだったっけ?サヤと付き合っている時に会ったけど、もっとこう、なんていうかな、イケてる男に感じたけど…」



2、サヤ「紘子はさ、エスパーみたいに頭良いからわかんないだろうけど、人って環境で性格変わるんだよ」

紘子「まぁー、婿養子みたいなもんだもんね、顔色見るの癖になるわなー」



3、紘子「躾されたかー」

サヤ「そう言えば紘子、犬のトレーナー資格持ってたよね」

紘子「私にとって、ワンコは神だから」



4、サヤ「フフフ」

  紘子「何よー」

  サヤ「人間よりお犬さまか、」



5、紘子「人間って、本当みんなバカなんもん」

  サヤ「思うのは勝手だけど、そういうこと口に出しちゃダメ」



6、サヤのモノローグ

  “この女は自分が賢い部類の人間だと思ってる。頭脳は確かにそうだが“

  “会話すると性格に難ありとバレて敬遠される。だからこの女は犬に逃げた”

  “そう、この女は自己解像度の低いマウント女でしかない“


7、サヤ「プレゼンの準備だけはしててね」

 紘子「頭にある事を話せば楽勝よ」



8、サヤのスマホ鳴る


9、ゲンナリ顔でスマホを見ながらサヤ「紘子、富士子から電話入った。日にち決まったら連絡入れる」と呟く。



10、俯瞰・S字の道

去る紘子「またねー」

軽く手を振りながら、スマホで話すサヤ「あのー、弁護士さんってお忙しいのわかってるんですが」



11、サヤ「これからお会いできませんか?」



時間経過

ホテルラウンジ

12、サヤ「急にお呼び立てして申し訳ありません」

朋子の弁護士「いえ、智人さんの無実を証明してくださって、一族の危機を救ってくれたあなただから参りました」



13、弁護士「それに高橋紘子さんの件、智人さんから連絡をもらったばかりだったのもタイミングが良かった」

サヤ「智人、人がいいから巻き込まれるんじゃないかと思って…、」

  


14、弁護士「と、言いますと?」

  

15、サヤ「実は紘子がやろうとしている仕事のアイディア、私の案だったんです」

  弁護士「「迂闊でしたね」

サヤ「ほんとに馬鹿でした」



15A、話してるふたり・超俯瞰か超引きの絵



時間経過

16、弁護士「では、サヤさん、私に1000円頂けますか」

サヤ「えっ」

弁護士「それでサヤさんに対する私の守秘義務が発生しますので」



17、サヤ「あっ、わかりました。宜しくお願いいたします」

  弁護士「あなたのアイディアだったという証拠を」

  サヤ「あります」



18、サヤの手元・USB


回想

(16話47)


19、サヤ「アイディアを取られて悔しいとかそんなんじゃなくて、紘子はただ儲かるという考えだけでこの仕事を立ち上げようとしてます。でも私はそんな人が一番しちゃいけない仕事だと思ったんです」




20、サヤ「紘子はギフテットの典型的な社会不適合者です。高校の時も先生や周りを言動で振り回していました」

弁護士「私の知人にもいましたよ。知識量や頭の回転の速さ、言語化で勝るので誰も太刀打ちできなかった」



21、サヤ「紘子の場合は同学年に“盾石富士子“がいましたから、もっと捻れてしまって」

  弁護士「盾石グループの‥」 

  


22、サヤ「はい、私の親友です」


23、弁護士「…」(興味深げな表情)



24、サヤ「紘子を経営責任者にすると…危ないと思います」



25、弁護士「危ない…?」

  サヤ「紘子は周りを取り込んで、洗脳して、思い通りに人を動かすのに長けています。会社の乗っ取りだって考えているかもしれません」

  弁護士「さすがに、それはないでしょう」



24、サヤ「社内に問題を抱えてる人がいないと断言できますか?借金やギャンブル、女性問題とか家庭内の問題とか。現に彼女は今日、智人に近づいて共同経営者と投資を依頼してます」

弁護士「…」



25、サヤ「私には励ましに行くから付き合ってと…言ってたのに」




26、サヤ「彼女は…、富士子を敵視していて入学から3ヶ月で悪目立ちさせて、富士子を浮いた存在しました」

  知的に思考している弁護士「…そんな人とは、組まない方がいいかもな」



27、サヤ「ですが、事業計画は素晴らしいものです。なんせIQ 143で考えたものですから。紘子のプレゼンを聞いて、お兄様とお二人で判断されてはどうでしょう?」

弁護士「…、あなたがされたように、アイデアを盗めと」



28、サヤ「私の案だという証拠もあります。私は世のためになればと思っているので、権利とかを主張するつもりはありません」

  弁護士「見返りはいらないと…」



29、サヤ「そこまで聖人にはなれませんが、長い人生です。何があるかわかりません。本当に困った時、お力をお貸し願えればと思います」

  弁護士「事業計画書を拝見してからでよろしいですか?」

  サヤ「もちろんです。安請け合いしないなんて、さすがですね」



30、サヤ「できれば、智人さんを代表にしてあげてください」

  弁護士「…、なぜです?」



31、サヤ「救護したのに犯人扱いされて逮捕された人が、この事業の立役者となって社会貢献しているとなれば、お涙頂戴のストーリーが出来上がるから、」



32、サヤ「イメージダウンした分、より効果的だと思うんです」

 弁護士「あなたという…人は」(感心している)

  サヤ「私は一般的な常識を持っているだけです」



33、弁護士「社長と打ち合わせしてみます。何かこの事業に関する資料をお持ちではないでしょうか?」



34、サヤ、ガザゴソとカバンの中を探り「走り書きのメモでよければ・・資料、私に渡そうとしないんです、紘子。全て自分の物にしたいんでしょうね…、ですが紘子の話を聞く限り、資本と手腕があれば成功する事業だと思います」



35、弁護士「詳細が決まりましたら、連絡します」

  財布を手にしたサヤ、1000円を手にする



35A、両手で差し出したサヤの手元・メモ紙と1000円アップ



35B、サヤ「宜しくお願いします」と頭を下げている。



時間経過

ホテル玄関

36、見送っているサヤ、去る弁護士



37、エレベーターに乗っているサヤ



38智人と話しているサヤ(智人の部屋)



39、智人「うわー、それは、、可哀想すぎない」

  サヤ「そうかしら」

  智人「なんでそこまでするんだい?」


40サヤ「高校の頃、私があなたの顔だったら、世界征服できたのにって言ったから」


41、智人「えっ!それって」

  サヤ「そうよ、見下げてるから出る言葉よ」



42、智人「それを覚えてる君もすごいけど」

  サヤ「誰だってそうよ。貸したお金は覚えてるけど、借りたお金は忘れてるでしょう、それと一緒よ」



43、サヤ「たがら、話を合わせてね」

  


44、智人「わかった。でもどうして、君は僕をそんなに大切にしてくれるんだい?」


45、サヤ「まだ、愛してるって気づいたの」

   智人「…サヤ」



46、キスしているふたり

サヤのモノローグ“あなたの妻の実家が使えるからよ“



日替わり

プチ・トリアノン

47、電話しているサヤ「そうなの、急で申し訳ないんだけど、そう明日の午後4時、うん、場所はね、00ホテルの4044号」


48、サヤ「お願いねー」と言って電話を切る



49、いつものテーブルから

 石橋「サヤちゃーん」

 サヤの声「はーい」



50、テーブルに歩み寄るサヤ

  待ち受けている石橋



51、サヤ「お待たせしました。今日はどのランチにします?」

  石橋「御託はいいから、座れ」

  サヤ「勤務中」



52、石橋「ここ数日なんで帰ってこないんだ」

  サヤ「忙しいのよ」

  


53、石橋「お前の計画潰してやってもいいんだぞ」



54、サヤ「やれるもんならやったら。私はあなたの計画を富士子に話すから」

  石橋「俺を脅すのか⁈」

  サヤ「最初に脅したのはあなたよ」



55、 サヤ「それともとーさんの失踪届出そうかーー」

   サヤ「Bさんの事だって、私の力が必要でしょ」

   石橋「お前!」


56、サヤ「そう、私はあなたが見込んだ女よ」



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