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サヤ  作者: 國生さゆり
10/21

10、海に行きたい理由がわかった。無条件に抱かれたいのだ。



1、伊豆ICを降りて一般道に出るタクシー

運転手「お嬢さん、長距離なんて景気がいいんだね。上客さんで助かったよ」

サヤ「父がね、海岸近くに別荘持ってて、ディナーしょうって急に呼び出されたの。坊ちゃん育ちでわがままな人よ」


2、バックミラーを覗き込んでサヤを見る、運転手。


3、ミラーの中のサヤ、微笑んでいる。

運転手の声「お嬢さん、綺麗だね。選び放題でしょう」



4、サヤ「そうだけど、男は私の外見だけを見て、私の内面を知ろうとはしないわ」

  運転手「人の内面なんてろくでなしだよ。お嬢さんだってそうだろう。美人だから七難隠すけどね」

  サヤ「逆よ、七難招くのよ」



5、運転手「面白いこと言うねー」

 サヤ「そおー、最初は興味深々で近づいて来て、支配欲を満たす道具みたい扱うの。そのうち噂を聞いた元カノとかが彼に連絡してきて、結局は浮気されるのよ、私」



6、サヤ「浮気されると嫌になるの、気持ち悪くって」

  運転手「気持ち悪い?」

 サヤ「こっちまで穢れるから」



7、運転手「わかる。浮気した女って体の中になんか残ってそうで、俺も気持ち悪いから嫌だなー」

サヤ「でしょ!おき換えたらわかるのに、何で自分がやっちゃうの。どうかしてるとしか思えないわ」



8、運転手「男はバカだから愛されすぎると胡座かいちゃうんだよ」

 サヤ「もらった分だけ、返すのが愛し合うって事でしょ」

 笑う運転手「あははは、そんな考え今すぐ捨てた方がいいよ。そんな殊勝な人いないよ。おじさんさ、タクシー運転手になって25年経つけど、そんな人に会った事ないよ」



9、車窓に顔を向け、景色を眺めているサヤ

 サヤ「私も会った事ない」



10、窓外に見える携帯ショップ

  サヤ「降りるわ、この駐車場に入ってもらえる」



11、駐車場に停まるタクシー



12、サヤお金を差し出してる。片手に真新しい財布を持っている。

  運転手「5万も!!」

  サヤ「良くしてもらったから。久しぶりだったの、人の好意って」



13、携帯ショップに入ってゆくサヤ・手前に走り去るタクシー

  


14、待合所・ソファに座っているサヤ

 サヤの前にひざまずいている店員、バインダーを胸に抱えている。

  店員「今日はどのようなご用件で当店にいらっしゃいましたか?」

  サヤ「携帯を紛失してしまって」

  


14A、バインダーを差し出している店員

店員「30分ほどでご案内できると思います。その間にご記入していただけますか?」


時間経過


15、店内を見て回っているサヤ


16、店員に声を掛けられるサヤ

 店員「こちらへどうぞ」



17、タブレットを見せている店員「位置情報だと失くされた携帯は、今ここにありますが・・」

  サヤ「えっ・・、位置情報の設定してませんけど・・」

  サヤのモノローグ“やっぱり、石橋さんが設定してた“

  店員「あの、どなたかに…、携帯の操作を任せた事はありますか?」

  


17A、サヤのモノローグ“憐れを呼んだ方が得するね、この場合“

  俯くサヤ「恋人に…、」



18、店員「…、そうでしたか」

  サヤ「機種変更を兼ねて、電話番号も変えたいんですけど」



19、店員「紛失された携帯の番号変更してから機種変しましょう」

  サヤ「はい…」

  店員「ご希望の機種はお決まりですか?」



20、サヤ「最新の物で、G数は245でお願いします。それとこれも」



20A、テーブルの上にある、ネオピンク色のケース、充電器等々、

おいていた物を押し出すサヤの両手。



21、ショップ前

店員「ありがとうございました」



22、サヤ、立ち並ぶショップの前を歩いている。

横位置・奥にショップ・手前に歩くサヤ・フルショット



23、服を見ているサヤ

店員「いらっしゃいませ」



24、店員を品定めする目つきのサヤ

  サヤ「一人で見て回るのが好きなの。ほっといてもらえないかな」



 25、服を見ているサヤ、その後ろ姿を見ている定員

   サヤのモノローグ“人柄の匂いが私、わかるんだよね。こうゆう女嫌い”



26、商品の上着を鏡の前で試着しているサヤ(片腕通してる感じ)

サヤのモノローグ“そういう意味でいうと石橋さんと私は同じ匂い。だから体の相性もいいのかな??“



27、レジで精算をしているサヤ

サヤのモノローグ“父さんと母さんも同じ匂い。クズ同士だから当たり前か“

店員「123000円になります。カードになさいますか?」

サヤ「現金で」



28、少し驚く店員「かしこまりました」

  サヤモノローグ“ふん、何驚いてんのよ。今の私は金持ちなのよ。あんたと違ってね“



時間経過



28A、コンビニのマルチコピー機の前に居るサヤ・買ったばかりの上着を着ている。



29、銀行に入ってゆくサヤ

  窓口受付「口座を作りたいんですけど」

   受付「戸籍謄本と身分証明、判子はお持ち頂いていますか?」

  サヤ「はい」



30、テーブルで記入しているサヤ

サヤのモノローグ“最初から石橋さんを裏切るつもりだったかって?たまたまよ。たまたま判子を持って来てただけ・・“



31、銀行の前に立っているサヤ・携帯を振っている。

 サヤのモノローグ“足痛いな。ハイヒールってこんなに足が痛くなるんだ“



32、タクシーに乗ったサヤ

  サヤ「海が見える公園まで」

サヤのモノローグ“富士子っていつもヒール履いてるけど、痛い素振りなんてしてなかった”



33、車内・窓を開けるサヤ

 サヤ・モノローグ“富士子は見栄っぱりだもんね”



34、目の前に海が広がっている公園・サヤ、パークベンチに座っている

通帳を見ながらのサヤ「00信用金庫、00支店、普通口座0000000、暗証番号0000、」



35、暗唱しているサヤの横顔

  サヤ「00信用金庫、00支店、普通口座0000000、暗証番号0000、」



36、一面に海広がっている、後ろ姿のサヤ、フルショット

 サヤ「あー、もうー、違う!これくらいさっさと覚えちゃってよ、サヤ」



防波堤にとまり、正面からの風に耐えている鳥たち

揺れるたんぽぽ



37、通帳を破るサヤの手元



38、右手にハンドバックとハイヒール

裸足で波打ち際を歩いているサヤ、左手に握っているのは破いた通帳の破片。

その手から連なり、舞い散る紙くずとなった通帳。



39、サヤのバストショット、

サヤのモノローグ“そういえば…、あの人たちよく言い合いしてたな“



40、幼き頃のサヤ・時間軸・過去

サヤ「う、う、やめ・・てー」泣いている・口を大きく開けて叫んでいる。


41、父「お前に任せてただろう!」


42、母「だから!貯蓄が200万切ったって言ったでしょう!心細いのよー!!」



43、サヤを挟んで言い合う両親(腰から下)

父「俺に言われてもって話し!」

母「私がパートに出ればいいんでしょ!!!」

サヤ「こわいよーー」泣いてるが大きな目を見開いて、しっかりと二人の様子を見ているサヤ



44、時間軸・現在・立ち止まって海を見ているサヤ

 サヤ「どうして、私に見せたんだろう」


45、大きくフルバックショット・夕景、マジックアワー

  サヤ、時計を海に投げ捨てる。



46、老舗旅館

  受付するサヤ


47、廊下を案内されているサヤ


48、和室風の部屋に入ったサヤ


49、窓辺に立ち電話をかけているサヤ(上着は脱いでいる)

サヤ「そうなんだよね、番号変えたの。智人が掛けてくるようになったから、」



50、歩き出すサヤ「うん、ええ!容疑者、そうなの!こわいんですけどーー。それでね、母の調子が、うん、」



51、冷蔵庫を開けるサヤ

サヤ「だからね、明日から2、3日臨時休業にさせて欲しいの。ごめんね。そうしてもらえると助かる」



52、右手にコーラを持ち、スマホを持つ手の親指で電話を切るサヤ

  サヤ「富士子ってほんとチョロい」



53、サヤ「お風呂入ろーっと」



54、部屋付きの風呂に入っているサヤ

 サヤ「温泉って久しぶり」

(露天の檜風呂・サヤ、風呂のふちに預けた身を乗り出して夜空を見てる。背中と尻丸見え)



55、チャイム鳴る



56、振り返ったサヤ「誰⁈」



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