1、友は何処へ
1、登校するサヤ
サヤのモノローグ
「さて、今度はどんな友達作ろうかなーー」
2、校門前
サヤ、モノローグ「なんか良い感じの人、立ってるんですけど、、、、」
(立っているのは宗弥)
3、校門前に止まる高級車
4、運転手が後部ドアを開ける
運転手「いってらっしゃいませ、お嬢さま」
宗弥「おはよう、富士子」
富士子「おはよう、宗弥」
4、立ち止まってその様子を見ているサヤ
サヤのモノローグ
「お嬢さま⁈なんなのこの人たち⁇」
5、サヤのアップ
「みーつけた!とっ!」
6、入学式
体育館に集まりつつある生徒たち
7、生徒の中に富士子の姿を探すサヤ
8、サヤが富士子の後ろ姿を見つける。
9、サヤのモノローグ
「綺麗な髪…」
10、富士子に歩み寄る宗弥
宗弥「同じクラスでよかったよ」
富士子「お父様が学校に頼んでのよ、きっと」
11、二人に近づくサヤ
12、サヤがめまいを起こし富士子とぶつかる
13、サヤを支える、富士子「大丈夫っ!」
サヤ「…ご、めんなさ、い。低血圧…なの。緊張…してしまって」
富士子の両肩に手をおいて支えている宗弥を見ているサヤ
14、廊下をゆく3人
宗弥にお姫様抱っこされているサヤ。
富士子「めまいはまだ続いてる?」
サヤ「うん、、、楽にはなったんだけど…」
15、保健室
保険医に診てもらってるサヤ
付き添っている富士子。
入り口近くに佇んでいる宗弥「そろそろ、戻ろう富士子。式が始まってる」
富士子「サヤさん、お大事にね」
サヤ「あの、あのね、良かったら、あなたの隣の席を取っておいてもらえないかしら」
富士子「お安い御用よ、無理しないでね」
16、振り返って二人を見送っているサヤのアップ「ウフフ」
17、廊下を歩く、富士子と宗弥
宗弥「いきなり、倒れるからびっくりしたよ」
富士子「初めての学校で不慣れな上に、引っ越して来たばかりって言ってたから、きっと神経が参ってしまったのよ。宗弥がそばにいてくれてよかった」
宗弥「俺はいつもお前のそばにいるだろう」
富士子「そう…かな」
宗弥「そうだよ」
18、宗弥のモノローグ
“富士子はいつもこうだ。俺の気持ちに気づいていないフリをする“
時間経過
19、入学式・後半
体育館に入ってくるサヤ
20、サヤに気づく宗弥
アゴをしゃくる宗弥、隣に座っている富士子に「富士子」と小声で促す。
21、驚く富士子
富士子「大丈夫かしら」と宗弥に囁く。
22、並んで座る先生の一人と話しているサヤ
サヤ「もう大丈夫です。せっかく入学式だし、参加したくて」
先生「気持ちはわかるが、無理はしないように」
サヤ「はい」
23、富士子の隣に座るサヤ(宗弥、富士子、サヤの席順)
サヤ「席ありがとう」
富士子「いいのよ。気分がすぐれなかったら言ってね」
サヤ「そうさせてもらう。良かった同じクラスで」
富士子「サヤさん、苗字はなんておっしゃるの?」
サヤ「疎下、疎開の疎と上下の下と書いて“なりした“と読むの。なんだかゲンナリする苗字でしょう、嫌いなの。サヤって呼んで。富士子さんは?」
富士子「私は盾石、盾石富士子」
サヤ「えっ、あっ!あの盾石グループの!!」
24、「そこ!!私語は慎みなさい!!」と登壇している校長先生のお叱りを受ける、富士子とサヤ。
25、注目の視線を集める富士子とサヤ
26、顔を赤めて俯く富士子を気遣う宗弥
27、立ち上がった宗弥
宗弥「申し訳ありません。あとで言って聞かせます」
校長「君は保護者じゃないだろう、君は生徒だ」
28、生徒の笑いの渦
29、サヤ、着席した宗弥を見ている。
サヤのモノローグ“この男使えるわ“
30、サヤ「ごめんね、私が話しかけたから」
富士子「うんん、私こそごめんね」
サヤ「いきなり、みんなに顔見られて覚えられちゃったね」
富士子「うん、悪目立ちしちゃったね」
31、桜の木の下で写真を撮る3人(サヤ自撮り)
32、サヤ「良かった、入学早々お友達ができて」
富士子「私も」
宗弥「良かったな、富士子。お前、いつも一人だったから」
富士子「恥ずかしいから、宗弥!そんなことないもん」
宗弥「本当のことだろう!」
サヤ「本当、仲が良いのね」
宗弥「何かとな。サヤさん、富士子を宜しく頼む」
33、「私こそよ!」とサヤ
時間軸、現代
34、サヤモノローグ(文字のみ??)
“そんな富士子は、今日も私が作ったランチを食べている“
35、富士子「ジャガイモとインゲンのサラダ美味しいね」
サヤ「和えてあるマヨネーズも手作りだよ〜ん」
富士子「さすが!サヤ。感謝、感謝」
36、食べている富士子をチラ見するサヤ
サヤのモノローグ“富士子の研究はどこまで進んでいるのだろう…“
37、富士子とサヤ
サヤ「仕事、進んでる?」
富士子「う〜ん、停滞してたんだけど」
サヤ「けど、、、」
38、富士子「母の研究書類の中に“粘菌“って、アメーバーみたいな単細胞性生物についての記述があったの。細胞の集合体で脳が無いのに環境に適応して役割分担するのよ」
39、皿を拭いているサヤ「その特性を液体デイバイスに活用しようと思ってる??」
富士子「そうなの!結合させたら!自異種で進化するようになると思うの!課題だったメンテナンスが不要かも!」
40、サヤ「声大きいいから、富士子!」
富士子「あっ…」周りに目を配る富士子
サヤ「気をつけて!液体デバイスは秘密の研究なんだから!」
41、サヤのアップ・モノローグ“私はこうやって、富士子と生きてゆくしかない“
42、サヤの回想
雑然としている無人の喫茶店
(サヤの実家・今は閉店して雑然としている・元は喫茶店)
サヤのモノローグ“父はギャンブルにハマり、家族の貯金を使い果たした”
“泣き暮らす母は、借金の取り立てに疲れて果て”
43、サヤの回想
リビングで罵り合いしている両親
サヤモノローグ“毎日、喧嘩ばかりしている“
43A、サヤの回想
店の出入り口ドアから出てくるサヤ
44、サヤの回想
徒歩で出勤しているサヤ
サヤ、富士子が乗る社用車と見かける
サヤ「なんで、いつもこうなのよ・・」囁く(吹き出しの工夫を)
45、サヤの回想
涙ぐんでしまうサヤ
サヤ「私ばっかり、、、」
46、サヤの回想
サヤに歩み寄る男「どうしました?大丈夫ですか??」
47、サヤの回想
泣くサヤ「この世界が辛すぎて」と男にこぼしてしまう
男「僕と同じですね。僕も最近、妻を亡くしまして。この世界はあなたがいうように不条理の塊だと思います」
48サヤの回想
男が空を見上げる
49、サヤの回想
男の瞳も濡れている。気づくサヤ。
50、サヤの回想
サヤ「私、この先にある喫茶店に勤めているんですけど、良かったらいらっしゃいませんか?」
男「喜んで」
51、時間軸・現在
サヤ「これが私と石橋の出会いだ」
52、盾石ビルを見上げている石橋
サヤのモノローグ「私たちは今、ある計画を練っている」
53、プチ・トリアノンの自動ドアが開く
54、石橋「サヤちゃん、いつもの席使って良いかな?」
サヤ「いらっしゃーい、予約席にしてあるから大丈夫ですよ」
石橋「ありがとう」
55、石橋のアップ