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笑うノコギリエイ 後編6

 魔王たちが辺境伯ヴァランタンから依頼を請け負う8日前。それは9月4日、土曜日の昼のことだった。


 前方にある起伏のある街道を目指し、30名ほどの集団は徒歩で進んでいた。モンタナス・リカスから西へむかう入口を通過し、まだ5分。にもかかわらず、集団の20名ほどには精神的な疲労が見られている。


「物見遊山の気分も少しはマシになったろう」、戦闘にいるひとりの男が、自分へ続く集団を肩越しに見ながらつぶやく。彼は40歳から50歳くらいの年齢に見え、褐色の体を鋼の胴鎧で着飾っていた。頭にはモリオン――金属製の丸形兜、手を覆うのは金属の籠手。動きやすさを重視して腕鎧とか足鎧は身に着けていない。


 肩に担ぐのは両手持ちの戦槌(ウォーハンマー)。柄の一部を赤黒い魔石が飾っている。腰の革製のバッグやら袋やらは控えめな量。今日は日帰りの予定だからだ。


 モンタナス・リカスにある冒険者ギルド、そこの所属でありCクラスの冒険者たるギャエルは、大学の生徒10名を引き連れて郊外へ出ていた。彼らは冒険者の仕事を知るため、実地研修なる体験学習の最中だ。本日は2日目となる。


 その集団のリーダーが彼だった。


 彼が「物見遊山気分も」などと言ったのには理由があった。昨日も同じように郊外へ出たのだが、害獣――人食いウサギの小集団とかち合って戦闘することに。自分たち冒険者にとっては慣れっこなのだが、普段は安全な場所で座学にいそしむ学生にとって、ずいぶんな刺激となった様子。出発時にはピクニック気分だった彼らも、帰宅時には実にげっそりとした表情に変わっていた。


「アタイたちの役割は、学のある連中を冒険者に引きこむことよ。あんな表情させてどうすんの?」、となりにいたヒセラという名の女性冒険者が苦言をひとつ。直後に「ウサギの頭蓋をウォーハンマーで砕き、脳症をぶちまけることが、冒険者の魅力を高めるとでも思ってんの?」と、もうひとつ。


「他にどうやれと?」、ギャエルは言葉を返した。襲われたのだから応戦しなくてはならないし、手に持つのがハンマーなら振りおろさなければならなかったろうに、と。それに自分たち冒険者が汗と血を流している現場へ、貴族とか大商人の子息やらが気楽な気分できていたのだ。残酷な光景に嘔吐のひとつでもしてくれなきゃ気分も晴れない、と感じていた。


 集団の後方でしょげながら歩く彼ら、それへ皮肉交じりに言う。「みんな昨日と違って、あんなにもいい顔になっているじゃねえか」


「嫌でもそうなるだろうね」、ヒセラは厳しい表情を崩してくれない。彼女自身も大学生たちの気楽さには内心いらついていたけれど、彼女は先祖が隣国のセルベリア系、ギャエルはそのライバルであるネメアリオニア系。「嫌でもそうなる」の言葉をさっそく拝借するのなら、民族同士の軋轢はこんなところにも傷跡を残している。


「あ、あの!」、そんなふたりへ若い女性の声がかかった。同時に振りむいた彼らの目に、金髪の学生――かけだし魔術師の姿が入ってくる。フローレンス・ド・ジハーウ、モンタナス・リカス辺境伯ヴァランタン・ド・ジハーウの一人娘だ。


 才色兼備の彼女も、昨日は顔を青くしていた。のだが、今日は彼女の取り巻き――おそらく彼女の将来へみずからを投資している貴族の子息たち――を後方に置き去りにしてまで、集団の先頭へ声をかけにきたらしい。


「どうかされましたか? モンタナス・リカス伯爵令嬢」、冒険者ギャエルは少々かしこまって聞いた。しかし「あ、いえ、フローレンスとお呼びください」とまずは二人称の修正を提案される。そして彼女は言うのだ。「その……お邪魔でなければ、いろいろとお教え願いたいのです。冒険者のかたとご一緒できる機会、無駄にしたくないと思っていて」


「殊勝なことで」なんて口にしそうになって、ギャエルはあわてて口をつぐむ。となりではヒセラがまったく同じ状態になっていたから、()()()()ふたりは思わず顔を見合わせた。


 目線をフローレンスに戻したギャエルは、バツが悪そうに苦笑い。「いや、失礼。まさか身分の高いあなたに、我々冒険者への興味を持っていただけるとは思いませんでした」と、これはこれで失礼な言いぐさをした。すぐさまとなりからひじで小突かれる。「バカ!……いえ、フローレンス様、すみません。ギャエルは育ちが悪いもので」


「いいえ、いいんです。育った環境が違うからこそ、聞いておかなければならないのですから」


 その令嬢の言葉は、冒険者ふたりの表情を引き締めた。どうやら彼女は質実剛健な御父上――辺境伯様に似たようで、自分たち冒険者の価値を理解しているのだと。


「もちろんですとも、フローレンス様。さて、なにから話をしたものでしょう?」


「まずはどれくらいの人数がいて、どんなお仕事をされているかを聞きたいんです。みなさんがどこからこられたのかも」


 この街にいる冒険者さんたちがどのような集団なのか知りたい、フローレンスはそうつけくわえた。ふたりの冒険者は、それが将来の為政者にふさわしい目線だと思った。それに、今日参加している身分の高い子息たちにおいて、一番重要な人物が一番自分たちを理解したいと感じてくれている事実へ、頬もゆるんでしまう。


 その後彼らは1時間ほど、実に充実した時をすごした。冒険者は国家をまたがる組織がゆえ、出身地もさまざまであること。モンタナス・リカスは比較的冒険者の多い街であること。となりのライバル都市プラドリコと頻繁に行き来することもあること、などなど。


 話すごとに3人は少しずつくだけた雰囲気になった。質疑応答形式だった会話も、3人入り乱れての雑談に近いものへ。


 45歳という年齢で独身を貫くギャエルは、なんだか親戚の娘が自分へ興味持ってくれたようでおおいに張り切っていた。30歳のヒエルは病死した妹とフローレンスを重ね、庇護欲にかられていた。


「一部の害獣の肉――たとえば昨日の人食いウサギの肉なんかは食えるんです。が、いくらたくさんあるからって、それだけ食うのはよくないってもの。いくら食糧難でもね」


「バランスが重要なのは、食事も政治も一緒ですね」


「ええ、間違いないですよ、フローレンス様。煮ても焼いても食えない男が言うんですから」


「なんだとう?」「ありゃ、()()()()()」「うふふっ」、軽快な会話。伯父と姉のようなふたりにはさまれ、フローレンスも表情を晴れた色にする。最初に害獣退治という仕事を聞いた時ちょっと怖かった、けれど参加してよかった、そう感じていた。


 辺境伯令嬢フローレンスは、街の中があまり好きではない。そこには厳しい父と、仮面をかぶって近づいてくる取り巻きたちがいるから。くぐもった地下室のような空気に満ちあふれているから。


 王立大学に通う彼女に対し、父親から求められる成果は過酷なものといえた。辺境伯の娘として生まれた彼女はエリートであることを義務づけられ、朝早くから夜遅くまで、インク壺をいくつも空にして勉学にいそしんでいた。睡眠以外の時間は自分を磨くために費やされていたといえるほどに。


 もちろん座学だけではない。馬の乗りかたや剣の振るいかた、魔術の使いかた、社会での正しい振る舞いかた。なにかを楽しむ余裕なんてなかった。取り囲む人々も友人ではなく取り巻き。頼んでもいないのに将来の自分に投資してくる偽の笑顔をかぶった人たち。ゆくゆく自分が地位やら権力やらを手に入れた時、彼女らはまわりで補佐をすることになるだろう。不気味な仮面の集団に囲まれる未来など想像したくもない。


 それでも成績を悪くして父親に厳しい言葉を浴びせられるのは、もう嫌だった。


(母上、なぜ私を残して……)


 やせていて、いつも震えていて、でも温かかった母の手。それだけが彼女の心をささえていた。亡くなった母上が天界から私をのぞきこんだ時、がっかりさせたくないから……。


 そんな抑圧された日々の1ページたる今日。彼女はそこへ、見つけたばかりの四つ葉のしおりをはさんだ気持ちだった。


 この青空の下は清涼な空気に満ちあふれている。すっと軽く息を吸いこむだけで胸の奥まで染み渡る風と、スキップをするように軽妙な会話であふれかえっている。


(許されるなら、このまま冒険者として世界をまわりたい。かなわない願いではあるけれど……)


 心へいだく願望は、青空を飾る雲のように儚い。いや、あるいは一年草(いちねんそう)であるコスモスのようなのかもしれない。ちいさくても色鮮やかな花をつけるし、その花言葉の「調和」「謙虚」という意味は、辺境伯の娘としてのありかたにそったものだったから。


 なにより、()()()()()()()のにもちょうどよかった。


 ――ズシン! 重い足音が丘の上へ響く。


「なんだ⁉︎ おい! 全員展開しろ! 学生を守れ!」、ギャエルが叫ぶ。20名からなる冒険者たちはそれに即応し、隊列を組む。


「ちっ、聞いたことない音だ。ギャエル、アンタは知ってるか?」、ヒセラが腰からブージと呼ばれる手斧を抜いた。「――<攻撃力強化(エンハンス・エッジ )>」と静かに魔術を放ちながら。


 バキバキと不穏な音が響く。なにかおおきな――2階建ての家くらいの高さのものが、森の梢をへし折りながらこちらへむかってきているのだ。住処を奪われた鳥たちが一斉に飛び立ち、まねかれざる者の来訪へ警笛を鳴らしているよう。


 10メートルほど離れた木々を足蹴にし、それは姿をあらわした。


 城壁のように厚い胸板、塔のように太い脚、神殿の石柱を思わせる腕。その体の一番上へ礼拝堂のような頭部が鎮座しているのは、悪い冗談に見えた。


「――冗談じゃねぇ! プラドン・ゴーレムじゃねぇか!」


 となりの街、セルベリア王国領プラドリコで作成されたゴーレム。石でできた頑丈なものの中でも、飛び抜けて強力な力を持つ()()()の1体。


 CクラスであるとかDクラスであるとか、そういった冒険者たちが敵対していい相手ではない。


「嘘でしょ⁉︎ こんなやつどうやって⁉︎」「暴走してるぞ! 脚をつぶせ! やつに好き勝手させるな!」


 冒険者たちはまず驚き、それでもすぐに迎撃の意思を固めた。せめて片足だけでも破壊できたなら、その機動力を奪える。この個体はこちらの誰よりも強いが、こちらの誰よりも遅くすればいい。


 敵の足を止めて逃げる。冒険者たちが一瞬で思いついた、唯一の戦法だった。つまり岩のように硬い脚部を砕かなくてはならない。だからある者は武器を殴打に適した物へ持ち換え、ある者は武器を構え直して力をこめ、またある者は魔術を詠唱して仲間の援護を決めた。


 20名の戦闘集団が、10名の非戦闘員を背負いながら陣形を組み上げる、その直前――


 石の巨人は猛進した。ドシン、ドシンと足音を残して。


 ハンマーのような脚の底で大地をえぐり、上半身を大型弩砲(バリスタ)のようにねじる。餌を見つけた冬眠明けの熊がそうするように、一直線に人間の群れへむかった。


 数本の矢が飛び、巨人の外皮を鳴らす。鉄板へ指を弾いた程度の力でもって。勇気を出して突入したひとりが、脚部に両手斧を振るった。弾かれた拍子、彼の両腕がちぎれ飛ぶ。


 そして重い右腕が、ならんだ命へ叩きつけられた。――ドガシャアッ! 鎧の砕ける音、武器が折れはじけ飛ぶ音。頭蓋が破裂する音に続き、内臓が地面へばらまかれる音が聞こえた。声すら出せずに絶命した者がつぶれる音と、即死しそこなった者が上げる断末魔も。「ぁぁああっ! 痛い! 痛いよぉぉっ!」


「ヒセラ⁉︎」、相棒の叫び声にギャエルは気づいた。両の瞳が女戦士の――彼が憎からず思っていた女性の――寸断された上半身へ焦点をあわせた。こちらへのばした手がぐったりとたれ下がり、すぐに地面へ落ちた光景を。


「――ぁぁあああっ!」、今すぐだきかかえてやりたかったし、彼女の半分をかかえて、もう半分を一緒に探してやりたかった。けれど彼はそうしなかった。それはヒセラの最後の目線が彼の顔ではなく、他の者にむいていたから。


 守らなければならない者たちがいる。10名の学生たちだ。


 仲間の鎧の破片が食いこんだ、自分の腹を押さえながら、ギャエルはゴーレムの2撃目をくぐり抜ける。親の仇のように大地を蹴り、若い者たちの前へ駆ける。


 彼はすぐにそこへ到達した。土と血にまみれた、鬼のような形相は、ただでさえ恐怖の中にいた学生たちをよけいに震わせる。だがそんな彼女らの表情はギャエルに見えていない。腹の底から大声を出すだけなのだ。


「走れ! 全力で走れ! 街へ逃げるんだ!」


 シンプルな命令。それすらも恐怖におののく10名の若い人々は、正しく理解できなかった。多くの者の頭は太陽を直視した時のように真っ白で、クラクラと眩んでいた。


「お願いだ! 逃げてくれ! 急げ!」


 もういちど、冒険者は叫んだ。目の前の男が必死なのに気づき、若者たちはようやく思考能力を取り戻す。その中のひとり、フローレンスもまた、意識を覚醒させた。


 彼女の目に映るギャエルの顔。悲壮感にあふれている、苦しそうな表情。それが状況の絶望的な悪さを雄弁に語る。けれども、唯一取りうる選択肢を、その口は叫び続けていた。


 楽しい時間をあたえてくれた彼の、懇願にも似た大声。そんなものを聞いているのに、自分はただ立ちすくんでいる。


 正しくない、そう感じた。


「――走りましょう!」、叫んで身をひるがえす。自分でも驚くくらい、おおきな声。それはきっと「彼と別れたくない」と思う自分に対する強烈な叱咤だった。


 都合のいいことに取り巻きたちは即座に応じた。そこへ他の者も置いてかれまいと続く。


 直後に背後へ響く悲鳴と聞くに堪えない破壊音。攻撃でできた風圧が、まだ服の裾をゆらす距離。


 恐怖をかき立てる、羊を狩っている時の狼の声だと感じた。どれくらい長くあの声が聞こえ続けるかわからない。10分か、5分か、あるいは3分か。命を消費してあたえられた、血のように赤い時間だ。


 それを使って逃げるのが私たちの使命なのだ。


 悲劇の中、フローレンスはそうやって心を決めた。泣くのは家に帰ってからとも決意していた。しかし――声は5秒ももたなかったのだ。


 ドシンという重い足音が、4つ連続で聞こえた。最初は背後、次は右側後ろ、右前を経由して、最後は目の前で。


 最初の狩りを終えた石の巨人が、自分たちの前へ立ちふさがる。いったん動きを止めたのが、まるであざ笑っているかのようだった。たかだか小娘の覚悟など、しょせんこの程度なのだと言わんばかりに。


「あ……あぁ……」


 決意をこめた体から、力が抜けていった。立っていられず、膝が折れて草原に尻もちをついた。自分がそうしたから、他もそうなったのだろう。取り巻きたちが自分の背中に隠れ、ガタガタと震えるのがフローレンスに伝わってきた。


 きっとこれで終わりなのだ。厳しい勉学の日々も、顔の無い人々に慕われる日々も。死んだ母親のために生きるための、自分の人生が。


 次の動作のため、魔力を充填しているのか、ゴーレムはすぐに動かなかった。おかげでフローレンスたちは刑を待つ死刑囚のように、長く死の恐怖とむきあう羽目になった。


 鉄格子のはめられた石牢の中、恐怖は積もり積もっていく。それに耐えかねた誰かが大声を上げそうになった、まさにその時。


 単身あらわれたのが『彼』だった。


「こっちをむけ! 石の化け物!」、フローレンスたちから右側、立っていたのは黒髪の男性。いつの間にきたのかもわからない。しかし彼が左腕を頭上へかかげ、開いたその手のひらへなにかを持っているのはわかった。


 背景がそこだけ円形にゆがんでいる。風呂の栓を抜いた時のように、そこへ力が集中している。


 それはフローレンスが見たこともないほどの魔力だった。魔力と名前がつくものの中で、視界をゆがませるようなものなど存在するなんて知らなかった。


 ゴーレムが彼にむき直る。襲いかかる狼のように、石の四肢を鳴らして。


 でも男は動かない。かわりに彼は掲げる左手をぐっと握りしめ、そこに武器でも持つかのごとく――振りおろした。


「――怒れ雷神! <ソーズ・ハンマァァッ>!」


 パンッと光の筋がひとつ、石の巨人へ刺さる。次の瞬間「ズガァァン!」――激しい雷鳴がとどろいた。


 ゴーレムを構成する岩石たちが、四方八方に爆ぜて飛ぶ。地へ落ち放射状に走る稲妻が、草原へ激しく火をつける。中心点から真っ黒い水晶が樹木のように生えてきて、巨人のいた場所へミシミシと幹をのばした。


 雷鳴はやまびこを残す。砕けた破片が雨のように、パラパラと周囲へ落ちた。


 それがすっかり止んだ時――あたりはしんと静かになった。


「あちゃぁ、またやりすぎたかな?」、声の主は先ほどの男。頭をかき、苦笑いを浮かべる、見覚えのない人。


「……な、なにが起こったの?」、困惑する少女たちは呆然とするしかない。


 こうして、突如戦いは終わったのだ。


 19人分の死体を大地へ転がしたままに。

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