第85話 大規模ギルド
現在のセントラルダンジョン到達最深部地下49階層ボスの住処
「おお!大規模なパーティがやってるなあ、みんな大丈夫か?怖くないか?」
「だ、大丈夫です」オリビア
「怖くないわけじゃないですが大丈夫です」ピーシス
「フェアリーから離れないようにしていたら安全だし、危険がありそうなら耳に付けている通信機に俺から指示を出すから、落ち着いて対処すれば大丈夫だからな」
「あのケルベロスがここの階層主なのかな」
「そのようですね」フェアリー
「あの大規模なパーティはギルドでレイド戦を仕掛けてるのだろうか」
「あれはギルド対抗戦で毎回1位と2位を争っている、三頭の竜と狼の牙ですね」アスコット
「あんなに大勢で戦って、良く誤射したりしないもんだな」
「大規模ギルドは指揮官がしっかりしているので、こういうレイド戦には慣れていますね。戦闘しながらパーティの前後を入れ替えたりするので、効率が良くない場面は必ずありますけど」アスコット
「別に苦戦しているわけでもないなら、横を通り抜けさせて貰おうか」
「目が飛び出すくらい驚くでしょうけど」アスコット
「声はかけるよ、それに50階層はここの階層ボスが雑魚のように大量に居るんだよな。下りながら俺達は戦闘態勢に入らなきゃ。ケラウノスの試験は出来なかったけど、ヴィーナスはいつでもやれそうか?」
「驚くほどしっくりくるので大丈夫だと思いますよ。おそらくポセに負けないような巨大な雷撃も放てると思います」ヴィーナス
「それなら50階層に着いたら、開幕はヴィーナスとポセのかみなりの共演といこうか!」
「こころえた!」
「はい!」
「よし!今からレイド戦を回り込んで通過するから全員フェアリーとヘッカの近くに集まって、俺達4人は少しだけ先行するから」
「冒険者のみなさんこんにちは!ケズリファミリーです!戦闘中すみませんが通過して先に行くので、誤射も気にせずそのまま戦いを続けてください」
「!!!!!」レイドの人
「確かにみんなぶっ飛んでるな」
「ふふふっ!」ヘッカ
「!!!!!」レイドの人
「そらそうですよ」アスコット
「とりあえず急いで抜けよう」
「梳李さんですか!」指揮官
「どうかしましたか?」
「少し手を貸してもらってもいいですか?」指揮官
「いいですけど、どうしました?」
「詳しくは後ほど説明します。とりあえずそいつを倒してもらって良いでしょうか」指揮官
「了解!全員攻撃をやめて下がらせて!」
「全軍攻撃やめー!一斉に下がれー!」
ケルベロス一体くらいは難なく倒せるので、青を持って空中を舞い3つの首を切り飛ばした
「はーい!おつかれー!」
「助かりました!ありがとうごさいました。今回のレイド戦の指揮官をしていますコナーと申します」
「苦戦しているようには見えなかったけど」
「それが今回は新規加入のメンバーも多かったので、後方からの魔法攻撃が盾に誤爆して、前衛で苦戦していたのです。ヘイトを取る盾が居なければ我らでは火力不足は否めません」
「そうだったのか、怪我人は?」
「梳李様!三頭の竜のギルドマスターのツバイと言います!助けて頂きありがとうごさいました。厚かましいお願いなのですが一人重傷の者がいます。治療もお願いして良いでしょうか!」
「どこにいる?みてやるよ」
「こちらに!」ツバイ
「誤爆でこんなになったのか?狙われたような傷じゃないか…いま回復してやるからな」
「助かりました、私は狼の牙のテオドアと言います。新規加入メンバーにマスターとして良い所を見せようとして、前に出過ぎてしまったのです」
「慣れたボス戦でも気をつけないとな。オリビア達はほかのギルドのメンバーにお水や濡れタオルをお出しして」
「それよりもケルベロス相手に大剣を振り回して瞬殺ですか」テオドア
「ああ、ケルベロスはダンジョンブレイクの時に倒していたからな」
「1万の魔物をひとりで倒したという噂は本当だったのですか」ツバイ
「ひとりじゃないけどな、そこにいるアリアナの弓とヴィーナスの雷撃がサポートしてくれたからな。それにその時よりも俺も強くなってると思うしな、その後にもっと凶悪なやつと何度か戦ったからな」
「我らが100人がかりで討伐するケルベロスを瞬殺して、もっと強い魔物を倒したと言うのですか」
「ああ、魔物じゃないやつもいたけどな」
「みんな落ち着いたかな?俺達は行くけどみなさんは気をつけてもどってくださいね」
「我らは今日はここで野営になります。最深部に来る時はいつもそうしているのです」コナー
「俺達は50階層に行くから、戻って来なくても気にしなくていいからね。今日は野営して体力を戻したら、俺達の事はなにも気にせず帰還してください」
「そんな美女を何人も引連れて、観光気分で50層に行くというのですか?」ツバイ
「観光気分とは聞き捨てならんな、美女だろうとなんだろうと俺の仲間はみな1級の冒険者だ、確かに身の回りの事をする為に着いてきている者もいるが、遊びでダンジョンに来ているわけではない。今後言葉使いには気をつけろ」
「は、はい!申し訳ありません!」ツバイ
「実際さっきのケルベロス程度なら、他の者でも討伐できる、俺達は誰も知らないところでそういう戦いをしている。この世界の為に誰も知らない所で、俺の仲間はそういうイレギュラーと戦ってきたんだ、自分達の見ている世界が全てだとは考えない方がいいと思うぞ」
三頭の竜と狼の牙を残して俺達は先に進んだ
「言うに事欠いて観光気分とは無礼なやつだったな」
「梳李はほんとに思い上がった者には厳しいですね」フェアリー
「だけど…梳李が少し怒ったのを見て嬉しくなっちゃいました!」サラ
「実際さっきのケルベロス程度ならアリアナの弓でも足止めくらいは出来るさ。セントラル最大のギルドマスターともなれば、多少は思い上がるのも無理は無いだろうけど、油断してギルドメンバーを危険に晒したのでは値打ちがないし、あれが最強のギルドというならレベルが低すぎるだろ」
「仲間って言われるのも嬉しい物ですね」ミーティア
「妻ではあるけれど、かけがえない仲間だからな。俺はみんなに支えられていないと実力の半分も出せないと思うよ」
「なんなのでしょう!この胸の奥からきゅんとする熱いものが込み上げてくるのは!」イザベラ
「俺に聞くな!」
「さてぼちぼち到着するぞ!ポセとヴィーナスは準備しろ!エンジェルは後方から様子を見ながら、手薄な所があれば自由に暴れていいからな!」
「行くぞ!」
そうして俺達は未到達領域50階層に足を踏み入れた
第86話に続く




